ペアとの戦い?
お久しぶりです。
少し色々ありましてこちらの更新をしていませんでした。
それは活動報告にでも書きます。
そんなわけでやって来ました闘技場。
どんなわけだ!? というツッコミは受け付けませんのであしからず……。
古代ローマのコロセウムみたいな形状の闘技場だが規模はかなり小さい。 まぁ育成学校に通う生徒しか使わないのだから問題はないだろう。
そんな闘技場の真ん中でアンジェリカと対峙する"私"こと『カーラ・グライス』はある重要なことを思い出していた。
――そういえば私【チート】な力の制御ってまだうまくできないんだった……。
今更ながらにこのことに気づいてしまったのはかなり痛い。 この世界の薬草はめちゃくちゃ優秀で裂傷、打ち身、やけど、あかぎれ、咳、たん、鼻づまりに、虫歯、腹痛にまで効く優れもの、風邪をひいても煎じて飲めば一日で良くなるし、腰痛、関節痛、内臓疾患にだって効く。 さらには美肌効果だってあるとかないとか……。
何この万能薬って感じだけどRPGの薬草ってまさにそんな感じだよね? 冒険の最初で良くお世話になることが多いけど、HP20の回復効果があるとして主人公の最初のHPが30とすると半分以上HPが回復することになる。 HP=生命力だから、例えばHP30の主人公がHP8まで減ってると考える、これって現代社会でいえば車にはねられてかろうじて生きていますってレベルだよね? その人に薬草使うだけでかろうじて生きているから打ち身程度にまで回復するってことでしょ? 何それ怖い……。
おっと話がずれてしまったがそんな薬草でもちゃんと欠点はあるみたい。
例えば腕を切り落とされた場合なら切り落とされた腕を持って傷口に当てて薬草を塗ればくっつくんだけど、吹き飛ばされたりして腕がなくなった場合は生えてはこない。
それと生きているものにしか効果がない等いろいろな弊害だってある。
そこで思い出して欲しい。 私が初の戦いにて葬り去った賊たちを……。
言い訳するつもりではないがあの時私に彼らを殺す気はほんのちょっと無かった。 だいたい90%ぐらいしかなかった。 ホントだよ?
それに力を込めたつもりも全くなかった。 なのに彼らは見るも無残な姿に変わり果ててしまったのだ……。
その力を全く制御することもなく今ここに来ていることを考えると戦うのはまずくないだろうか? アンジェリカは私をただのLv1の魔導士と思っているが私は異常なのだ……。 そんな状態でアンジェリカと戦うと彼女の命が危ない。
仕方ない、少し面倒だが私の異常さをじっくり説明しておかなければ。
「戦って力量確認だと危ないので互いの技能を見せ合うのはどうかしら? パートナーになったのであなたにはちゃんと説明するけど私の強さは異常なの……」
話の切り出し方が少しおかしいかもしれないがそんなことは関係ない。 しっかり説明しておかなければいけないことだからな……。
案の定いきなり自分のことを異常な強さだと言い出した私に対してアンジェリカは訝しむような視線を向けて聞いてきた。
「……いきなり何を言っておりますの? いくら薬草が万能だといっても流石に精神的な病気には効きませんことよ?」
「言葉で説明しても難しいから態度で示すわ。 私はまだうまくこの力をコントロールできないのよ……、だから今戦えばせっかくパートナーになったあなたを殺してしまう可能性が高くて。
だから申し訳ないのだけど私の"力"をしっかりとその目に焼き付けて欲しいの」
「……はぁ、本気のようですわね。 分かりました、今日は戦闘はやめておきましょう。 それで? どうやって私にあなたの強さを見せてくれるのかしら?」
ふぅ、なんとか説得できたようだ。 さて、どうやって証明しようか……。
「ここは格闘訓練なんかもできるのよね? なら練習用のカカシとかがあるんじゃないの?」
テンプレ的にいえばカカシがあるはずなので一応確認で聞いてみた。
「ありますわよ? というよりこの闘技場自体が古代の魔法文明時代の遺産で、世界最高の魔導士でもあった『ターレォウ・チャナーカァ』という人物の魔法技術がふんだんに使われているらしいですわよ? なんでも必要なものを念じればすぐに取り出せる夢のような魔法に、王城『白静宮』と同じように自己修復機能を持つ魔法が刻まれていますわ」
なるほどそれは便利だな。
「じゃあそれを使って証明するわ。 一番強いカカシを用意してね」
その言葉とともに一体のカカシが現れた。 すごい技術だな。 昔の魔導士はすごかったんだな。 というより古代魔法文明ってなんだ?
「そういえば古代魔法文明ってなに?」
証明より先に魔法文明のことが気になってしまったのである。
そのあと説明のために30分ほどカカシを出しっぱなしで放置してしまった。 まぁいいか。
あれ? 戦うはずが……。
次回はちゃんと力を証明しますよ。
では次回で。