表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/7

適正

外伝の癖に話が浮かび易いのは何故でしょうか?


とりあえず2話目です。


どうぞ。

 人材育成学校。


 学び舎自体は余り大きくないが、その分工房や訓練場など多数の設備を持ち、養成区で最も広い土地を持つ学校だ。


 入学試験?に合格したカーラはその学校の廊下を合格者待合教室に向かって歩いていた。


(案内板を見ればもう少しで着くはず……っと、ここか?)


 目の前には合格者待合教室らしき扉があるのだが……。


「取っ手が無い? でも、明らかにここだけ木の扉っぽいしどうやって入るんだ?」


 うろうろと扉?を前にして迷うカーラ、(はた)から見たら変な人である。


「とりあえず押してみればいいのかな?」


 そう決めて、扉に近づく彼女。


 ――そ~。


 ――ブンッ


 彼女が扉に手を伸ばそうとしたとき、突如魔方陣が現れた。


(なっ、なんだ!?)


 ――カラコロカラッ


 なんとも気の抜けた音とともに目の前の扉が開きだした。


(自動ドア!? 以外に近代的!)


 驚きながらもカーラは教室内に入っていった。


----


 教室内でそれぞれについての情報交換を行っていた7人の男女は、扉が開いたことに気づき、

新たな合格者を確認するために扉の方を向き。




 そして入ってきたカーラに目を奪われた……。




 おおよそ人間が考えられる究極の美を詰め込んだ美女が入ってきたからである。


 何気ない仕草で教室内を見渡したカーラはそこに見知った顔を見出した。


「ロッドじゃないか、合格できたんだな」

「おおぅ、姉さん覚えとってくれたんか。 わいむっちゃ嬉しいわ」


 軽く言葉を交わす二人。


 途端ロッドに突き刺さる無数の視線。


 皆ロッドに「何親しげに話してんだコラ!! 俺にも紹介せんか!!!」といった視線を送っているのだ。

 誰もが話しかけるのを戸惑う中、果敢にもカーラに話しかける一人の少女がいた。


「あなたも合格者の一人かしら、(わたくし)はアンジェリカ・ホンデンクルフですわ。

 よろしくお願いいたしますわね」

「あぁ、よろしく」


 何気なく言葉を交わした二人。

 これがカーラの人生を変える少女との初めての会話であった。


「はい、合格者はこれで全員だね? 次に、適正を図るから入学試験の合格順で隣の部屋に着てね☆」


 いつの間にか現れた女性が連絡事項を告げて去っていった。


(わたくし)からですわね。 では皆様また後でお会いしましょう」


 そう言って教室を出て行くアンジェリカ、その後姿を見送りながら、


(アンジェリカか……。 貴族っぽかったけど親しみ易そうな感じだったな。 ……てか後ろから人来てたのか)


 どこかずれた感想を思い浮かべるカーラであった。


----


 次の適正試験は割りと早く順番がやってきた。 まぁ8人しか合格者がいないので当たり前だが……。


 教室に入ってすぐに気がついたが、水晶の様な透明な珠と鉄製のナイフが置いてある。

それが何を意味するのかとても気になるが、それよりもニコニコ微笑む事務員のおばちゃんが気になって仕方ない。

 確実に先ほど受け付けにいたあのおばちゃんだろう。 他人の空似にしては似すぎだ。

しかし、服が青っぽい色から、緑っぽい色のものに変わっている。 着替えたのだろうか?


「あらあら、いらっしゃい。 楽にしていいわよ。 じゃあ少し説明するからね」


「今から貴方には適正検査を受けてもらいます。 別に難しいものではありませんし、不合格で学校から退場させるようなこともありませんので楽にしてもらって構いませんよ。 適正検査が終われば貴方には冒険者ランク"G級"が与えられます。 これは学校内で依頼を受けるときに必要であり、特別措置としてのランクです。 ですから、学校内のみ有効なランクとなっています。 ギルドで依頼を受けることなどは出来ませんので、くれぐれもご注意くださいね」


 おばちゃんは澱みなく言い切った。


「次に適正試験についてですが、こちらは簡単です。 まず市民カードまたは仮証をこちらの『分見(わけみ)の水晶』に当ててください」


 『分見の水晶』とはあの珠のことであろう。

 胸元から仮証を取り出し、水晶に当ててみるカーラ。


 ――ズッ


「あッ」


 カーラが驚きの声を上げるのと同時に、仮証は水晶へと引き込まれていった……。


「あぁ! 仮証が……。 どうしてくれるんだ! 金貨四千枚分の強制労働行きになるじゃないか!」


 抗議したがカーラの言葉など何処吹く風でおばちゃんは説明を続けていく。


「気にしなくても大丈夫ですよ。 これは情報をカードに上書きするための処置ですので。

 では次にこのナイフで指先に傷を付けて、血を水晶に一滴たらしていただけますか?」


 そういいながらナイフを差し出してくるおばちゃん。


(指先を切るのか、嫌だなぁ。 ……てかこの身体完全防御とかついてたような? 切れるのか?)


 ――ピッ!


「……ッ!」


 指先にナイフを当てると完全防御があるはずの肌は意図も簡単に一本の筋を刻んだ。


(あれ? 切れた……。 完全防御は?)


 カーラは多少の疑問を覚えながらも、水晶に手を当てた。


----


 適性検査が終わった入学生達は、互いのステータスについて大いに盛り上がっていた。


「私はLv.3、称号は"獣戦士"なのにゃ!」


 適正検査が終わり、戻ってきたそれぞれの受験者のカードには名前の下に称号が現れていた。


「わいはLv.5、"竜戦士(ドラゴン・ウォーリア)"ですわ」


 それぞれの種族や現在の能力により称号が変わるシステムは、冒険者たちの間では大変人気である。

高い称号を持つものは、それだけで信用も厚くなるからだ。


(わたくし)はLv.3、"僧騎士"になっていますわね」


 この三人は中々特殊な称号を得ているといっても良いだろう。

 その証拠に、他の合格者4人はいずれもLv.5~6だが"戦士"か"魔導士"のどちらかなのだ。


 そんなわいわいがやがやとやっていた7人だが一つ気がかりなことがある。





 ――それは、カーラのことだ。




 説明や検査を合わせても5分かからないぐらいのはずなのに彼女だけは十分以上たっても教室にやってくる気配がない。

「迷っているのでは?」との意見も出たが、検査を受けた教室の真向かいがこの教室なので迷いようが無い。

(何かあったのでは?)と皆の心に疑念が上がった頃、

カラコロと音を立て、教室の扉が開いた。


 そこに立っていたのは皆の予想通りであり話題の渦中のひと、カーラであった。


本編とは違いチート無双をする予定ですが、

戦闘描写が上手く出来ないので、

ゴリ押しで終わらせるかも知れません。


次話もよろしくお願いします。


2/16 称号を変更。魔導師→魔導士

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ