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プロローグ
この小説には、ストーリーの関係上、実在のものが登場することがありますが、登場する人名・団体名・会社名などは、実際のものとは一切関係ありませんのでご了承ください。
その日、俺の故郷はいつもと違っていた。町中が理解し難い喜びに包まれていた。
香川1区から再当選した西嶋太一が、政権を握る自由国民党の総裁となり、事実上の内閣総理大臣に就任したこと、そして、その息子、西嶋啓一が外務大臣として入閣したことで、地元屋島西町は祭のようになっていたのだ。それを快く受け入れていなかったのは、この町ではこの1人ぐらいだっただろう。
西嶋晃、高校1年。そう、首相の孫、外務大臣の息子にあたる、俺自身だった。
俺の家は
「政治家家庭」
だった。俺の死んだひいじいちゃんは官房長官、その父親は首相を経験していた。
俺は政治家になりたいとは思っていなかった。
政治家という対象を、尊敬することはできなかった……。




