二日目・本番だよ
用法用量を守って正しくお使いください
/五時間目・体育/
「今日の体育はゼナーカードを使ってESPを養ってもらう!」
いつもの教室。クラス全員に行き渡っている五枚のカード。丸、十字、波、四角、星の絵柄が描かれている。
「先生、突っ込んでいいですか?」
「何だ、大野?」
「今体育の授業ですよね、何で教室で超能力開発しなきゃならないんですか?」
「いい質問だ。実はな、先生昨日ウルトラセ○ンを見たんだ。セブ○と言えば超能力だろ」
「体育との関連は?」
「特にない」
「……もう一つ質問です。体育の狭川先生はどこいったんです?」
「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く…それが狭川先生なんだよ」
「セ○ンの最終回っぽく言うな! ってか狭川先生はM78星人か!?」
そんなこんなで始まる体育と言う名の超能力開発。
「次は星のカードだ」
裏返したカードから、邪気眼先生の指定した絵の描いたカードを選ぶ。それを繰り返して三十分。
当たるわけねえと誰もが思った。
「せっ、先生!」
「どうした、梅川?」
突然声を上げる梅川くん。邪気眼先生とクラスメイトが注目する。
「オ、オラのカードが何か変なんだ。か、勝手に浮いて――」
梅川くんの言うとおり、何故だか浮遊するカード。つまりこれは、
「でかしたぞ、梅川! ハハハ、皆見ろ。お前達もこれを見習って今すぐにでも超能力を――」
すでに梅川くんと邪気眼先生以外だれもいない。
「はい撤収~」
大野くんの先導にクラスメイトは黄色いヘルメットを着用。教室外へ退避。
「せ、先生! オ、オラもうだめだ!」
「え……ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
お空に飛ばされたよ、邪気眼先生。サイコキネシスだよ、邪気眼先生。
やったね、梅川くん。超能力開発だよ、梅川くん。
そして、危機探知能力が身に付いたぜ、大野くん。