野生のヒグマが奇襲を仕掛けてきたので返り討ちにした件
どうも、金林檎です。
偶々観たとあるニュースが頭から離れず、思わず衝動のまま書いてしまいました。
半分自己満の作品ですが、良ければ暇潰しにでも覗いていって下さい。
これから語るは、北海道更別村更南の小麦畑近くで実際に起こった事件である。
令和8年7月17日、その日有害鳥獣補護活動の為、40代のベテランハンターは午前4時から更別村を巡回していた。
「…………いたな」
そして午後6時45分ごろヒグマを確認し発砲。
猟銃から放たれた弾丸は見事標的にヒットし、獲物はその場に倒れ伏した。
「────ふぅ」
ベテランハンターは仕留めたかを確認する為に射殺した地点に向かう。
万が一生きていた場合も仮定し慎重に近づく、長年の感が頭の隅で警戒音を鳴らして居たからだ。
そもそもヒグマとはホッキョクグマと並び現生クマ科最大級の猛獣である。
オスの成獣で体長2から2.8メートルで体重は最大500kgに達する。メスの個体でも体長は2メートルを超え体重も300kgに届く大型の獣だ。
その筋力は前脚のパンチ力が2トン、一撃の破壊力が500kg以上と脅威的で、森の中でも時速50キロメートルで走る事が出来る圧倒的な身体能力を誇る。
森の中でヒグマと戦う事は、米軍の完全武装した特殊部隊と戦う事と同義と言われており、その脅威が分かるだろう。
例え猟銃を持っていても、決して油断などできない現実に存在するモンスター。それがヒグマだ。
「…………良し」
目視で倒れ伏したヒクマの死骸を確認し、ベテランハンターはホット息を吐いた。
弾丸はヒグマの額を貫き即死させている。
だが、ベテランハンターの脳裏に浮かぶ嫌な予感が一向に消えない。
「ガアァァァ!!!!」
何かが起きる、そう確信した次の瞬間、茂みの中よりもう一匹のヒグマがハンターに襲い掛かって来たのである。
「なっ!!?」
ドンッ!と言う衝撃が頭を揺らす、出血した額から滴り落ちた血液が視界をぼやかすが、辛うじて奇襲を仕掛けて来たのが先程仕留めたヒグマとは別の個体のヒグマだというのが確認できた。
全身は一回りほど小さい、おそらくは成獣では無いのだろう。
しかし、相手はあのヒグマだ。判断を誤れば一瞬であの世行きである。
「───クッ!!」
その判断は一瞬だった。
ベテランハンターは瞬時にヒグマの懐へと飛び込んだ。
半端な間合いでは再度殴られれば終わりである。
地上最強の猛獣との超至近距離インファイト、正気の沙汰ではない。
しかし、この選択しか生存の道は無いのだ。
何より、このヒグマは人間を襲った、つまりこの個体は人間の味を知っている。
このヒグマは駆除しなくてはならない。
「──ハッ!!」
「ガアァァァ!!」
長年のハンターとしての知識がヒグマの急所を瞬時に見つけ出し、そこに渾身の打撃を与える。
ヒグマは一瞬怯んだものの、仕返しとばかりにハンターの腕に噛み付いた。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」
噛み付かれた腕に激痛が走る。
肉が裂け、骨が軋む。
余りの痛みに意識が飛びそうになるのを根性と気合いで耐え忍ぶ。
そう、このヒグマの攻撃はハンターに巧に誘導されて起きた必然なのだ。
その目的はヒグマの頭を自身の間合いに入れる、只その一点。
「喰らえぇぇぇぇ!!」
文字通りの肉を切らせて骨を断つ、ハンターはヒグマの眼球に指を突っ込み抉り取った。
「グギャァァァァァァァァァ!!!」
さしもの現代の魔物も眼球を抉り取られた衝撃は計り知れず、完全に怯んでしまう。
そして、その致命的な隙を逃す歴戦のベテランハンターでは無い。
急な襲撃にこれまで構える隙が無かった猟銃を構え、ヒグマの胴体に押し付ける。
「くたばれ!!」
ゼロ距離での発砲、まさに必殺の一撃で有った。
パァッンという発砲音と共にヒグマの心臓が撃ち抜かれる。
此処に勝敗は決した。
其処には眼球を抉り取られたヒグマの死骸と、その傍らに血まみれで仁王立ちをするベテランハンターの姿が有った。
その後、現地の住民に発見されたベテランハンターは病院へ運ばるも、命に別状は無く、その傷は全治一週間だったと言う。
まさに超人、ヒグマとの超至近距離での戦闘を制し、人の味を覚えた魔物を討ち取った彼は、紛れもない偉大なる英雄である。
日々、巻き起こり報道されるニュースの数々。
その中でいずれ近いうちに埋もれるであろう、数ある事件の一つ。
しかし、確かに起こった命懸けの激闘。
忘れてはならない、今もこの凶悪な魔物から命懸けで我等を守っているハンターの存在を、その人達に対する感謝の気持ちを。
悲しいかな、現実は実に残酷で愚かなことに、彼等ハンターの働きに対する不当な報酬、心ない誹謗中傷の数々、完全武装の特殊部隊に匹敵する魔物に対し「可哀想だからクマを虐めるな、殺すな」と宣う一部のイカれた思想家達の愚か極まる発言などで、この現代の英雄と言っても過言では無いハンター達の活動が縮小かされている。
もう一度言おう、凶悪な猛獣という魔物から我等を守ってくれたハンター達に対する感謝の気持ちを忘れないで欲しい。
超人である屈強なハンターも、一人の人間なのだ。
彼等の心を守るのは一体誰なのか、今一度考えて貰いたい。
最後まで読んでいただき有り難うございました。
〝現実は小説よりも奇なり〟と言うのを実感した今日この頃、金林檎はまだまだ世界の広さを舐めていたようです。
けっこう身近にとんでも超人は居るんですね?
異世界など行かなくても、世界は何だかんだでファンタジーじみて居るものだとしみじみ思いました。
尚、この小説は実話に基づき書かせていただいておりますが、不明な点は作者の妄想で埋め合わせをしているので半分以上はフィクションです。ご容赦ください。




