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第6話 最弱勇者?

第6話 最弱勇者?


ミラは息を整え、剣を肩に乗せた。

「……やっぱり、あなたはただの最弱勇者じゃない」

悔しさを滲ませながら、わずかに肩を落とす。


智は肩をすくめて、軽く笑った。

「いやいや。本気出せば、誰だってそれなりには強いだろ」


――いや、違うか。


(負けてもらわないと困るんだよな)

自分が弱いと証明できなければ、勇者などという面倒な役目に引き戻される。

シルクは頬をほんのり赤く染め、誇らしげに胸を張った。

「だから、推薦したんです!」


ミラはわずかに眉をひそめていた。


「……シルク。あまり持ち上げないで。空気読んで…」


(あー……これ、ちょっと機嫌悪いな)

智はそう感じ取る。

「いえ、智様は本当に――」

シルクは言いかけて、少しだけ言葉を選ぶ。


「……信頼できる方です」

ミラは小さく息をつき、わずかに口元を緩めた。


(……本当は、少し手を抜いただけ)

(圧倒できたはず……それなのに)

(この人……妙に戦いづらい……)

ミラの内心には、わずかな違和感が残っていた。


智はその様子を横目に見ながら、ふと視線を上げる。

遠くから、兵士がこちらへ駆けてくるのが見えた。

「ミラ様!緊急です!街に魔物が出現、加勢を!……智様も!」


智は眉をひそめ、剣を握り直す。

「……なんで俺まで呼ばれるんだよ」

どうせ、使えないと思っているくせに。

「……ま、放っておけるわけもないか」


――――


三人で街へ向かうと、広場はすでに混乱していた。

倒れた屋台。

逃げ惑う人々。

そして、暴れる魔物が数体。

ミラが即座に指示を飛ばす。

「兵士は後退しつつ包囲! 智さん、隣で援護を!」

「ああ」


智は一歩踏み出す。

目の前の魔物が腕を振り上げる。

振り下ろし。

「……っ」


(…切り落とし…)

騎士団との模擬戦で見せた攻防一体の剣技。

受けて斬るのではなく、同時にやるだけだ。

魔物は肉塊になった。


「数は少ないが……なかなか手強そうだな」

横目に見ると、ミラはすでに一体を圧倒していた。

魔法と剛剣。

隙のない攻め。

(……さすが現役勇者)



そのとき――

ミラがさらに一歩、前に出る。

「任せて! この魔物は――」

言いかけて、止まる。

「……えっ」

その視界の先。

地面に、少女がうずくまっていた。


魔物が尾を振り上げる。


一瞬の判断。

ミラは迷わず、前に出た。

「危ない!」

その体で、少女をかばう。


――直後。

「――がはっ!」

横薙ぎの一撃。

魔物の太い尾が、ミラの体を叩きつけた。

胸当てがひしゃげ、身体が宙を舞う。

「ミラ様っ!」

シルクの叫びが響く。

土煙の中へ、ミラが吹き飛ばされた。

智は、わずかに目を細める。


(……いや)

(あれで済んでるのか)

正直に言えば、驚いていた。

(勇者って、あんなのでも耐えるんだな)

(……というか、本体の胸部装甲、思ったより……)

すぐに小さく息を吐く。



(いや、胸見てる場合じゃないな)

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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