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「そ、そんな…なんで…?」
橙色の服をまとった少年シグルドは、地面に膝をついていた。
「さすがは不遇の土だな。魔力だけのクズが」
「アトリビュートは大変ね。そんな色の服じゃせっかくの太陽も意味がないじゃない」
嘲笑の声が聞こえる。
なんで、どうなってるんだ。
同じ国の仲間でさえも。
「信じてたのに……土の神童って嘘だったのかよッッッ!」
クソッ……なんで、なんで、魔法が使えないんだ……!?
膝をついたまま息を整えようとするが、胸の奥の焦りは治まらない。
土の神童と呼ばれていたはずの自分が、まさかこんな惨めな姿を晒すなんて。
その時、華麗に現れたのは縦ロールをいくつも揺らした、絵に描いたような悪役令嬢。
「あーら、大丈夫ですの? シグルド様がどんなに無様でも、わたくしは貴方様の味方ですわ~。だから、ぜひわたくしをお娶りになってェェェ!」
高らかな声と共に、周囲の空気が一瞬、滑稽な緊張感に包まれた。
シグルドは思わず後ずさる。
そして背後には、シグルドを執拗に敵と認識した緑の服をまとう大公子の鋭い視線が。
その眼差しは、殺意すら帯びている。
「お前は殺すッッッ」
大公子と悪役令嬢に挟まれたシグルドは迫り来る二人の攻撃に、耐えられるのか!?
「ちょっ……待て、クソッ、なんで俺ばっかり……!」
橙色の服には映えないのに、国の代表は必ず付けないといけない金の太陽のブローチも、付いてるか付いてないか分からなきゃ輝きようもない。
せっかくの国の代表色なのに、何一つ味方してくれない――ホント、ただの不遇だ。
だが、ここで諦めるわけにはいかない。
この不遇の土属性の少年が、後にどれだけ化けるか――それはまだ誰も知らない。
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