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闇の中の虐殺

太陽は高く輝いていた。

しかしドゥカート公国では、光そのものが失われたかのようだった。


大地と森は独自の生命を宿し、暗く、静かに呼吸している。

十字軍が踏み出す一歩ごとに、音と希望を吸い込む半影の帳が広がっていった。


九万五千の兵が、公国の心臓部へと進軍していた。

影に沈んだ鎧、信仰と誓約を掲げる軍旗。

彼らはまだ知らなかった――すでに夜に捕らえられていることを。


最初の結界を越えた瞬間、大地が震えた。


確かな足取りだった脚は鉛のように重くなり、

呼吸は荒れ、マナは凍った泥のように血管の中で滞った。


兵士たちは膝をつき、仲間につまずき、

叫びは闇に呑み込まれて消えていく。


命令は届かず、軍旗は倒れ、指揮系統は崩壊した。

そこにあったのは、純粋な混沌。


闇の中から、ダグラスの兵が現れた。


五千。

ルシアンに率いられ、致死の群れのように動く。


矢は地に届く前に闇へ溶け、

刃は、ため息のような音だけを残して命を断つ。


アレハンドロ・マルチェンは、首を狙った一撃を弾き返し、

即座に正確な反撃で敵を斬り伏せた。


血が泥と湿った落ち葉に混じる。


周囲では、負傷した仲間たちの悲鳴が戦場の轟音に絡み合っていた。


「助けてくれ……動けない……!」


倒れた者を引き起こそうとする兵もいたが、

影の奔流が彼らを呑み込み、わずかな光さえ奪っていく。


松明は、死と絶望の輪郭をかろうじて照らすだけだった。


三十メートル先では、サー・エドランが狭い林間で四人の敵を貫いていた。

彼の剣は正義の雷のように輝き、

荒い呼吸が戦いの苛烈さを物語る。


リラはマナに輝く瞳で、光の射線を放ち、

側面から迫るダグラス兵を次々と打ち倒す。


二人の動きは正確で、計算され、

そして確実に消耗していった。


アレハンドロとレオナルドは、闇の中心へと進んでいた。

視線の先には、ルシアンとその軍勢。


怒りと使命を込めた一撃一撃で敵を倒し、道を切り拓く。


その傍らで、デローラが暗黒のマナをまとい、戦場を舞う。

攻撃は流れるようで、冷静な戦略と攻勢が融合し、

自らの防御を崩すことなく敵を沈めていった。


エミリーは、最も傷ついた味方の間を斜めに駆け抜け、

防護と治癒の魔法を次々と展開する。


彼女の光は、復讐の刃ではない。

命を救うための盾だった。


息は震え、

詠唱のたびに力と希望が削られていくのを感じながらも、

彼女は立ち止まれなかった。


カラは後方に留まり、状況を観察していた。

必要とあらば介入する構えで、

要所を守り、双方の忠誠と流れを測っている。


森は、鋼とマナと悲鳴の衝突で震えていた。


それぞれの行動は、実行する者の動機を映し出している。

破壊のため。

救済のため。

生き残るため。


そして誰もが、

一秒一秒が命の境界線であることを理解していた。


やがて、恐怖は形を持った。


三万の十字軍兵が、木々と泥の間に横たわっていた。

弱体化の魔法と致命的な奇襲に挟まれ、逃げ場はなかった。


さらに数千が、

軍旗と武器を捨て、命令も聞かずに逃走した。


倒れた死体一つ一つが、無言の警告を放っていた。

――闇は勇気では打ち破れない。

それは、強者も絶望者も等しく喰らう。


周辺都市でも戦いは続いていた。


通りも広場も戦場となり、

ダグラスの戦士たちは窓や屋根から刃を振るい、

祝福された英雄たちは光の障壁を張り、

雷のような呪文で闇を切り裂いた。


一つの詠唱ミス、

一歩の踏み違いが、命を奪った。


ダグラスもまた倒れた。

三千の兵が、選ばれし者たちの集中砲火に屈した。


それでも、

十字軍の損失は圧倒的だった。


死者と逃亡者を重ねる一方で、

闇は揺るがない。


倒れた影はすぐに別の影で埋まり、

消えた叫びは、公国全土に絶望の反響として広がっていった。


生存者たちが、疲弊し、混乱し、恐怖に駆られて後退し始めた時、

中央都市と六つの外郭都市は無傷のままだった。


太陽すら貫けない闇に包まれて。


祝福された英雄たちは退却を援護し、

傷者を担ぎ、

かろうじて残る光の回廊に防護魔法を重ねた。


エミリーは震える手で光輪を維持しながら、

闇の中にルシアンの気配を探していた。


公然と裏切ることはできない。

だが、失うことへの恐怖が、胸を締めつける。


虐殺は終わった。


しかしドゥカート公国は生きていた。

それは一つの暗黒の存在として、

光とは――精密さ、犠牲、そして信仰によって支えられるものだと

十字軍に教え込んだ。


すべての影は哨戒者。

すべての木は無言の脅威。

一歩前進するごとに、試練が待っている。


最初の奇襲は証明した。

どれほど強固な信仰であろうと、

策略と絶対的な闇の前では、砕けるのだと。


――戦争は、まだ始まったばかりだった。

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"読んでいただきありがとうございます!コロンビア人ですが、日本のアニメや小説が大好きで頑張って書いています。翻訳ツールを使っての投稿ですが、楽しんでいただければ幸いです。"
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