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聖なる狩猟

聖なる鐘の音が、同時にすべての大陸へと響き渡った。


それは祈りではない。

警告でもない。


――命令だった。


大理石の神殿、木造の教会、地中に沈んだ礼拝堂。

あらゆる場所で、神々の像が黒い涙を流した。

空は、まるで誰かが署名したかのように、暗い一線で染め上げられる。


それは痛みではない。

――裁きだ。


信徒たちは膝をつき、

神官たちは魂を引き剥がされたかのように震えた。


誰一人、声に出して宣告していない。

だが、その言葉は――

すべての胸に、直接響いた。


――「世界を保つため、予兆は死なねばならない」


戦士、修行僧、錬金術師、聖騎士……

すべてが、その呼び声を受け取った。


彼らは、魔王と戦うために進軍したのではない。

敵を討つためでもない。


――信仰を守るために、歩み出したのだ。


そして、その意志に逆らう者は、

神性への裏切り者として刻まれる。


聖なる加護は枯れ、

祝福は罰へと変わり、

祈りは――沈黙へと堕ちる。


恐怖は、誓いへと姿を変えた。


各地の王国で、選ばれし者たちが跪く。


祝福の炎に包まれ、

鎧を灼かれながら、嗚咽を漏らす聖騎士。


皮膚に刻まれた刻印が、

太陽のように裂け、声なき叫びを上げる女司祭。


己の短剣が心臓のように脈打つのを感じ、

虚ろな笑みを浮かべる暗殺者。


彼らは、徴集されたのではない。


――起動されたのだ。


生まれた時から選ばれ、

この日のために育てられてきた存在。


軍が動くよりも早く、

聖なる書簡が国境を越えていく。


神印。

血を含んだ黄金。

生きて蠢くルーン。


そこに、魔の名は記されていない。

エリザベスの“逆さの黎明”についても、語られていない。


刻まれていたのは――

ただ一つの名。


ルシアン・ダグラス・ド・モンドリング。

肉と血の予兆。


神々は、何を恐れているのかを語らなかった。

なぜ、彼が死なねばならぬのかも。


――信仰に、説明は要らない。


必要なのは、ただ一つ。


捧げられる、生贄だけだ。

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"読んでいただきありがとうございます!コロンビア人ですが、日本のアニメや小説が大好きで頑張って書いています。翻訳ツールを使っての投稿ですが、楽しんでいただければ幸いです。"
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