凍りついた道と人の像
キャラバンは沈黙のまま進んでいた。
朝は灰色で、静かだった……だが、最初の雪片が落ち始めるまで。
エミリーが顔を上げる。
「……雪?この時期にあり得るの?」
しかし、それは普通の雪ではなかった。
小さな結晶のように輝くマナそのもの、魂まで凍りつく寒さの雪片だった。
空気は重く、呼吸するのも困難になり、風は苦しむ動物のようにうめいた。
進むにつれ、道の端に姿が現れた。
十体。
二十体。
五十体。
人の像。
アルバートは行進を止めるよう命じ、数名の兵士が近づいて調べる。
触れた瞬間、一体が崩れ、氷の塵のように消えた。
「神々……」
ある隊長が息を漏らす。
「……人間だ!」
そう、人間だった。
立ったまま凍りつき、逃げようとしたままの姿で。
死が消せなかった恐怖の瞳を開いたまま。
エミリーは膝をついた。
「コアがない……マナのかけらすらない。
吸い尽くされたのね……」
レオナルドは後ずさり、人生で初めて恐怖を覚えた。
「いったい、どんな化け物がこんなことを……」
答えはなかった。
その瞬間、大地が揺れた。
遠くで「ドーン」と轟音が響く。
また一度、そしてもう一度。
爆発。
遠くで、だが確実に近づいてくる。
王国の英雄たちは互いを見た。
「行くぞ」
アレハンドロは歯を食いしばる。
四人は轟音の方へ駆け出した……
ルシアンと軍を残して。
アルバートはためらわなかった。
「列を整えろ!」
「ルシアン、導いてくれ!」と隊長。
ルシアンは深呼吸し、傷の痛みを隠す。
「進む……だが秩序を守る。
誰も取り残させはしない」
道の半キロ先、嵐が裂け、凍りついた戦場が現れた。
そしてそこにいた。
一人の男、霜の嵐に囲まれ、月のように輝く剣を持つ。
一人の女、フラクタルの弓を引き、矢は氷の結晶のように鋭い。
二人は息を切らし、凍った血で体を覆われていた。
王国の英雄たちは、彼らを見て足を止める。
女が最初に頭を向けた。
その瞳は野生的で、決意に満ち、絶望で壊れていた。
「生きてる……!」
彼女は叫ぶ。
「英雄たち!助けて!」
帝国の男は剣で地面を叩き、瞬時に砕ける氷の壁を作った。
「またあの攻撃……」
アレハンドロは何が起きているのか尋ねる余裕もなかった。
風向きが変わる。
寒さは耐え難く、空気は重く、足元の氷が割れる音がした。
何か巨大なものが近づいていた。
凍てつく嵐の中から現れたのは、世界の終わりの断片のような存在――マルチータ・ヘラダ。
その影が英雄たちを覆う。
吐息は空気を凍らせ、逃げられなかった兵士たちの体を凍らせた。
アレハンドロは歯を食いしばる。
「……勝てない。
だが止められる」
カーラが叫ぶ。
「アレハンドロ、無茶しないで!あのモンスター——!」
しかし彼はすでに前に出ていた。
足元に炎が湧き、体を包む生きたマントのように燃え上がる。
神聖なる神器――ソラリスの剣――が赤ではなく、白金の炎を放つ。
純粋な聖なる火の形だった。
周囲の氷は即座に溶けた。
マルチータ・ヘラダは首を傾け、光を見つめ、神性を感じた。
現れた以来、初めて――止まった。
アレハンドロは深く息を吸う。
背中から炎が翼のように燃え上がる。
「ソラリス……道を切り開け!」
英雄は前進する。
一歩ごとに、モンスターを覆う絶対氷を焼き尽くす。
心拍ごとに炎が強まり、他の者には耐え難くなるほどだった。
他の英雄たちは退かざるを得なかった。
ドリアン(帝国の英雄)は目を見開く。
「……不可能だ……
この炎……本物の聖火だ!」
マルチータ・ヘラダは体をかがめ、氷の甲羅がきしむ。
痛みではない。
分析のため、慎重さのため。
この炎が自分を傷つけることを知っていた。
殺せないかもしれないが……確実に損傷は受ける。
頂点捕食者は、ただの傲慢で生存を危険にさらしたりしない。
アレハンドロは剣を掲げる。
世界が白くなる。
「フオォオオオ!」
聖なる炎の柱が吹雪を突き抜け、獣の脇腹にぶつかる。
初めて、モンスターは吠えた。
苦痛ではなく――苛立ちの声。
脇腹の氷板が溶け、内部の暗青色マナコアが心臓のように震えた。
カーラは口を押さえる。
「……傷ついた!
アレハンドロ、本当に傷つけた!」
エミリーは全身に戦慄が走る。
「濃縮マナさえ焼く炎……
聖なる神器、ヌーメン級だけが放てる……」
マルチータ・ヘラダは一歩下がる。
さらにもう一歩。
フラクタルの瞳はアレハンドロを見据える。
彼を評価し、人間が問題になり得ると認めた。
ここで消耗する価値はない。
風向きが変わる。
巨大な体を揺らし、氷と溶けた破片を振り落とす。
そして優雅な動きで、まるで静かに、巨大な体を旋回させて吹雪の中に消えた。
逃げたのではない。
戦う意味がなかっただけだ。
アレハンドロは炎が消え始める中、膝をつく。
「はあ……はあ……
くそ……」
ドリアンが駆け寄る。
「王国の英雄……やった!止めた!」
アレハンドロは疲れ果て、首を振る。
「違う……
ただ……食べやすいものがある、と納得させただけだ」
エミリーが駆け寄り、彼を支える。
「アレハンドロ……危なかった……」
彼はかすかに笑う。
「みんな危なかった。
でも、重要なことを知った……」
ゆっくりと立ち上がり、彼女に寄りかかる。
「これから来るものは……
出血する。
傷を負う。
無敵ではない」
遠く、氷が溶け始めた。
生き残った兵士たちは泣く。
帝国の英雄たちは尊敬と安堵を混ぜた視線でアレハンドロを見つめる。
遠くから、ルシアンは細目で見守っていた。
これまで見た中で最も恐ろしい敵は、姿を消した。
だが、それは彼らが強かったからではない。
まだ――殺すほど重要ではなかったのだ。




