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世界を終わらせようとする悪党たちの話  作者: 疲労男
3.シーファイターズ
56/57

56.人が殺人を犯すのは、生きていたいからだ。

「奇麗な空だ。そうは思わない?」


「...そうですね、地面が警察官の死体で見えない状況じゃなかったら、もっと綺麗だったでしょうね」


わたしたちは海辺の近くまで来ていた。ここら辺付近には動物はおらず、鳥が数羽飛んでいる程度である。

わたしと足李は周辺調査を始めていた。祟り神を適応できる生物がどれくらいいるか確かめたかったのだ。


「狐に熊、基本的な部分はあまり変わりませんね」


「ただ、獣が多く生息している場所がわからないのが厄介だねー、街と山の間には高速道路があって、横断が大変だし」


「今回はあの作戦使えなさそうですね」


「黒いどろどろで街を埋め尽くそーって作戦でしょ?あれは莫大なリソースと油断している街の住民があったから成功したわざー、でもここの住民はみんな警戒心高いから。無理だろうねー」


「一応警察官から、リボルバーの弾だけ持って帰りましょうか。さすがに弾には発信機ついてないでしょうし」


そういうと足李は、地面に転がったごみの中から銃を取り出し、中に入っている球を一つ一つ回収し始めた。


「というか、こいつらって化け物のことどろどろって呼んでるんですね」


「まあわかりやすいからでしょー、これ何人殺したんだろ」


「120から先は数えてないですよ。この人たち馬鹿だなー。祟り神に銃は効かないのに」


この120人がどんな人間で、どんな生活を送っていたか。そんなことを考えたところで、こいつらが人間を化け物扱いして殺そうとした事実は変わらない。


事実のみが、変わらずそこに存在している。


「こうやって、沢山の人が死んでいるのを見るとこの世界は弱肉強食ってことを思い出すねー」


「まあ、いいんじゃないですか?彼らは化け物を殺そうとして、逆に殺されたんですから。というか、ドロドロの一件と言い。日本人というのはつくづく理解できないものを排除しようとするんですね」


「だから殺すんでしょー、まだ警察官がいるかもわからないから慎重にねー」


弾回収が終わったら、拠点に戻って熊谷と合流しよう。ってあれ?


「...メルトダウン教とニセコ大量虐殺の関連性について?」


「ここで何をしているの」


警察官の死体の中から、メモ書きのようなものを見つけたその瞬間だった。

背が小さい女性がそこには立っていた。最初、中学生かなと思うくらい小さいその少女は、手の震えを押さえながら、遠くに立っている。


「何って、戦後処理ですよね?」


「こういうのは死体漁りっているんじゃないのー?」


「そうじゃない!なんでこんな、貴方たちがやったの!?」


...ああ、警察官の死体を見て言っているのか。


「まあ、そうなんじゃないー?」


「なんでそんな平気な顔を!」


「いや、わたしたち狐に能力を試しに使っただけですー。それを見て攻撃してきたのは彼ら、狐を撃っちゃって、そうしたらまあこんな感じです」


「...狐?何を言って」


「...あー!足李くん足李くん!彼女クトゥルフ事変で活躍していたリーダーの女の子だよ!確か名前は桃って」


「!?」


クトゥルフ事変を聞いた彼女は、ありえないくらい動揺していた。

手が震え、目の視点があっていない。どうやら彼女にはトラウマがあるようだ。


「大丈夫、大丈夫...光希と約束したんだ...貴方達、何者」


「...んー?私たちはーニセコを壊滅させた集団って言えばいいかな?」


「...ニセコ?ニセコは自然災害で」


「あー!あー!なんでもないですよー!この子ちょっと頭がおかしい子でして~」


足李がまるで話をふさぐようにわざとらしく大きな声をだす。


「僕たち今通報しようとしてたんですよー。でもここ圏外でつながらなくて」


「...じゃあこれはあなたたちがやったってことじゃないってこと?」


「こんな大惨事、二人で起こせるわけないじゃないですかー!」


「...ちょっと足李くん。どうしたのー?」


「多分彼女、情報の共有がされていないです。多分どろどろの事も知らないかと」


「...そんな街の人も知ってたんだよ?彼女だけ知らないなんて...」


...ああ、そういうことか。


「英雄さんー貴方、苦しそうだねー」


「!?何を」


「でも大丈夫だよー、貴方はすぐ英雄に戻れる。いこ」


「ああ、はい。わかりました」


私たちは、警察官の死体を歩き、その場を離れようとする。


「待って」


だけど、彼女に引き留められてしまった。色々と失敗したな。コミュニケーションをあまりとれていなかった弊害が出た。反省だ。


「何?」


「...貴方たち、神の器官って知ってる?」


「いや?知らない」


「そっか、ならいい。気を付けてね」


この子は、馬鹿なのか。いや違うだろう。多分この質問に意味はない。わたしを立ち止まらせて、顔を覚えるのが目的だったのだろう。


わたしたちは、その場を後にした。


____________________


「それで?弾を集め終わってない状態でしたけど、小屋に戻るんですか?」


「そうだね、情報も共有したいし。さっさと戻っちゃおう。確かめたいことはあとでもいいや」

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