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世界を終わらせようとする悪党たちの話  作者: 疲労男
3.シーファイターズ
55/57

55.集団心理に基づき、行動している自分を恥じれ。

もしもの話だ。

ある日、給食費が盗まれたとする。

誰を疑う?もちろん貧乏な人間だろう。少し不潔でにおいがして、教室の人に嫌われている人間がターゲットになるわけだ。

もちろん、そいつに居場所はなくなる。一方的に決めつけられ、追い出され、ただ奪われて、最後にはそこからいなくなるのだ。


追い出した人間たちはこう思うだろう。ざまあみろと、

だけど、あとからその犯人が別の奴だと判明したとしよう。

集団はどうすると思う?わざわざいなくなった人間にごめんなさいを言いに行くと思うか?いいや違う。


そいつのことなど一ミリも考えずに、犯人に同じことをするのだ。


私は思う。一番の罪人とは、思考を停止させ悪と殺そうとする民衆なのだと、

だからこそ、神居崎は殺すのだ。


なぜ今大多数になっているものを殺すのか、神居崎は殺したいから殺すと言っていた。だが、私はこう考える。


大多数がいなくなれば、別の意見を持った人間が多数になるからと。

民衆は醜い、ならなぜ殺さずに生かしているのか。


それは金になるからだ。金を稼げるからだ。


だが、神は怒りに燃える。今の人間を皆殺しにせよという。


人は大義名分があるほどに狂暴になる。


今、考えは変わる。損得でもなく、金でもなく、民衆でもなく、誰もが手を取り合える善意の時代がやってくるのだ。


そのために、私はこの街を、長万部を壊滅させて見せましょう。


「すべては私の神様、神居崎様のために」


____________________


「馬鹿でしょ、貴方」


「...すまん」


俺は警察を殺した場所で説教を受けていた。原因は拠点付近に置いてきた包丁だ。


「これ残したら証拠が残って、貴方のことばれちゃうでしょ。追う追わないは勝手だけど、証拠は残さないで」


「本当にすまん」


包丁を回収する。


「他に落としたものとかある?」


「ほとんど素手で触ってないし、釣り道具はおいてきたからな。そこによったら最後だ」


「ならいい。ほんと、つくづく勝手に動く人たち」


「勝手に?」


「祟り神ももう動き始めてるわ。町はずれで何か実験してるみたい」


「あいつがなぁ、鬼はどうだ?」


「そうだ、話さなきゃいけないことがあるの。釣り竿回収したら拠点で話しましょ」


...これは、結構重要な話っぽいな。


「わかった。さっさと行くぞ」


____________________


「化物を連れてきた?」


「そう、それでこっちに勧誘してた」


「何考えてるんだあいつ」


思った以上に大ごとになってたな、警察が大勢来ていたのもこれが原因か。

こちらを嗅ぎつけてきたのかと思っていたが、そんなこともなさそうだな。


いや、彼方が連れてきたなら警察と接触してるか、つまりここにいるのはばれてるってことだな。


「すぐにほかの能力者が来るか、さっさと逃げないとな」


「そんなこと言って、逃げる気ないでしょ」


「いや、今回はな。正直辛いと思っている。時間がないし、情報が足りない」


ここの能力者で確認できたのは二人、感覚共有とパワースーツ持ちってところだ。だが、ほかの能力者がいないとは限らない。


「何か情報はないか?この街の能力者の情報」


「聞いた話だけど、この街を救った能力者は、二人がヒーローのようなスーツ、一人がナビゲーター役の子、もう一人が味方の回復の四人チームだったみたいね」


「パワースーツが一人判明しているとして、あの警察官はなんだ?ナビゲーターか?いや、外から来た可能性も考えて、現段階で判明していない能力者は3人と仮定しよう」


「...いえ、二人よ」


「なぜだ?ナビゲーター、パワースーツ、ヒーラーで3人だろう?」


「その中のヒーラーの子は、3年前のクトゥルフ事変で海に流されて死亡しているわ。彼女の墓が彼女に力を与えた神社に建てられてる」


「...そうか」


一人が死亡か、なら今判明していない能力者が2人、それにしてもパワースーツが二人か、あいつは空を飛べた。ならもう一人は何ができるのだろうか。


「...いや待ておかしくないか?」


「どういうこと?」


「化物だよ。あいつは海辺を歩いていて警察官に発砲。そこから消息が立っていたはずだ。なのに、なぜ海から離れた神社に行く必要がある?」


「...確かに、不自然ね。行動原理が読めない」


「そもそも、そいつがいた場所は龍神社と言われている小さな神社だ。それにクトゥルフと敵対していた人間がいた場所だぞ?

壊しに行ったのか?それにしてはなにも壊されていなかった。変だ」


「...彼方が言っていたわ。私たちが化け物と呼ぶドロドロの生物は、人間だって人間の感情を持っているって」


...人間だと?まさか、そんなまさか。


小さい神社、海から来た化物、そして、海で死んだ少女。


「...海から上がってきた化物は海で死んだヒーラーだ」


熊谷はヒーラーが死亡したと言っていた。つまり、傷を回復させることができるってことだ。まさか、3年間海の中で自分を回復し続けていた。ってことか?まさかそんなの人間ではありえない。無の中で痛みだけを受けながら自分の体を3年間回復させ続けることなど。


...いや待て、自分の意思とは関係なく、体がずっと回復していたんだとすれば。


頭をつぶされようが、腕を引きちぎられようが、肉塊になろうが、チリになろうが、ずっと体が回復し続けてたんだとすれば。


「...あれば海から来た化物なんかじゃない。再生を繰り返しながら戻ってきた英雄だ」


そんな奴を探して、殺そうとしている?そんなこと、許せるわけがない。


「...化け物はどっちに行った」


「さあね、彼方が追うなって」


「...至急、英雄たちの情報を集めるぞ。俺は図書館に行く。お前もどこかで情報を集めろ」


「いいけど、これからどうする気?」


「...この街を完全に破壊する」

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