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後悔しても遅い

[短編]婚約者が婚約破棄としょっちゅう言うから本当に婚約破棄します。後悔しても遅いですよ。

作者: 村則

度重なる誤字報告ありがとうございます。とても助かりますm(_ _)m

新たにデューク、護衛騎士、ニック後悔視点の連載を開始しました。


3/13

誤字修正していただきありがとうございましたm(_ _)m

王家主催の学園卒業パーティー会場で男の声が響いた。




「エヴァ!お前とは婚約破棄する!お前は俺には相応しくない!」


「……そうですか。何か私に至らない所がございましたかニック様」


「ふん!そんな事もわからないのか?私の婚約者のくせに!婚約して7年だがもう我慢の限界だ!こんな野暮ったい女なんて破棄だ!破棄!婚約破棄だっ!」



(はぁ!!この破棄破棄クソ野郎〜っ……オホン!淑女としての私としたことが……でも私の心の声だからいいわよね。ニック様は私の婚約者ヴェントン侯爵家次男、ニック・ヴェントン侯爵令息。

私は伯爵家エヴァ・スカッシュ伯爵令嬢です。

私との婚約は10歳の頃に結ばれました。ヴェントン侯爵家当主、ニック様の父と私の父は学生の頃の仲のいい友人だったらしく、お互いの子供が同じ歳なら結婚させようとお酒を飲みながら軽い約束をしていたらしい。それで私とニック様が産まれ、約束通りに婚約させられました。そして6歳で初めて会い、10歳になり婚約しました。

婚約する前はいたずらっ子でとても可愛らしい子でした。頻繁に我が家に遊びにこられました。

私は自分の孫のようにあやしたり、世話を焼いておりましたね。6歳児の私が世話を焼くっておかしいと思いましたか?

実は私、転生者なのです。以前の私は寿命まで全うし、最後のときを子供6人孫20人に看取られました。旦那は早く亡くなりましたが幸せな人生でした。そして天国に旅立ったと思ったんですけど、目を開けたら!あら!びっくり!!赤子になってたんです。思考回路は以前のままなのに、喋れないし、体も自由に動かない貴重な体験をさせていただきました。

6歳の頃の私は神童と呼ばれていましたね。まぁ、当たり前です。以前の記憶があるのだから。私は幼い頃から子供ぽくなく、前世の大人のように行動してきました。当初は皆んな驚いていましたが、しだいに反応しなくなり、それが我が家では当たり前になっていました。側から見れば私は神童に見えたのでしょう。だけど、16にもなれば皆に追いつかれたので今は只の人。

ニック様は幼い頃から私と比べられ、婚約破棄だっ!が口癖になっていましたね。

まぁ、同情はしますが毎回顔を合わせる度に婚約破棄だっ!て言われると私だってニック様に対して愛想はつきちゃいます。ご両親の前だけでは猫を被ってるんだから余計にね。だから私も婚約破棄したいですが……無理でしょうね。自分の両親に心配かけたくはないのです。こんな可愛げのない私を優しく接してくれる両親を悲しませたくないのです。

我が伯爵家は私しか子がいないので、私が次期伯爵になるのです。

だからニック様は私の家の入婿で来ていただくことになったのです。ニック様は次男だから問題ないとヴェントン侯爵様の了承も得てしまいましたので、婚約破棄はできないのです……トホホ。

ニック様はそれが嫌なのでしょう。格下の家に婿に来ることが……)


「おい!聞いてるのか?ボケーっとして。昔は神童と呼ばれてたのに、今となっては凡人だな!」


(この破棄破棄機クソ野郎〜!そんなの自分がよくわかってるわぁ!

はぁ、こんな大勢の前で!……あれ?もしかして!?……これなら婚約破棄できるんじゃない!だってこんなに証人がいるんだもん。もう、私我慢しなくてもいいわよね!お父様、お母様ごめんなさい。こんな奴が入婿に来たら大変になるし、婚約破棄していいわよね!)


「ちょっと言い過ぎたな。ふっ、しょうがないなぁ!お前には俺様がいないと……」


「はい、婚約破棄お受け致します。では、私はお先に失礼致します、ニック・ヴェントン侯爵令息様」


ニックの声を遮りエヴァが今まで言いたかった言葉を皆の前で了承の宣言をした。周りは「「おおっ!」」と反応してるのが大半た。中には、


『当然よね、こんな場所で婚約破棄する男なんかと一緒に結婚できないものね』


『やっと踏ん切りがついたのねエヴァ様』


『全然凡人じゃないでしょ!いつも学園のテスト1位じゃん!生徒会にも所属してるんだよ』


『エヴァ様っておしとやかで!とても美しいのに』


『………………』


『ざまぁ、ざまぁ、最高!平民に落ちろ〜』


会場中が騒ぎだした。ニックは結構嫌われているようだ。いつも学園では婚約者の悪口を言っているから。

中には無言でエヴァを見て驚愕している者、ニックに対して恨んでいる者もいるみたいだ。


そんな喧騒の中、エヴァはニックに頭を下げ、会場を抜けようと……


「エヴァ?何故だ?いつも婚約破棄はしないって言ってくれたじゃないか!嘘だよな?了承するなんて?」


婚約破棄を了承すると思っていなかったニックは今にも泣き出しそうだ。始めからしなきゃいいのに。


「もう、7年も婚約破棄したいと言っていたのはニック・ヴェントン侯爵令息様ですよ。そんなに嫌ならヴェントン侯爵様や私のお父様に伝えればよかったではありませんか。でも、やっと願いが叶って良かったじゃないですか。今度は私より爵位が上でお綺麗で頭の良い方と一緒になってくださいませ。陰ながらお幸せを祈っております。では失礼致します」


「何だよ、他人行儀で!俺達、卒業したらもう結婚するんだろ!俺がお前の伯爵を継ぐんだから」


「こんな大勢の前で婚約破棄したのですからもう撤回は無理でございます。ここは王家主催のパーティーですよ。あと、私が次期伯爵になるのです。もしニック・ヴェントン侯爵令息様と結婚してもあなた様は伯爵にはなれません。私の家に婿に来るのですから。あなたが伯爵になったら、我がスカッシュ伯爵家のお家乗っ取りだと思われますわよ。それにヴェントン侯爵令息様は領主教育は一切してませんよね。どうして、そんな方が次期伯爵になれるのですか?」


「え?俺が次期伯爵になるんじゃないのか?エヴァが領地経営をするから俺は何もしなくていいって!?」



ダダダダダ!けたたましい足音と共にパーティー会場に1人の男性が走って来た。



「この馬鹿者〜!お前は入婿で伯爵家に行くんだぞ!私はエヴァ嬢の事を支えろと言っていたではないか!エヴァ嬢よ、本当に愚息が申し訳ない。後日スカッシュ伯爵家に伺うのでレイモンドによろしくと伝えてくれるだろうか」


このパーティーに参加していたヴェントン侯爵様が走って私の前まで来た。たぶん誰かが慌てて呼んだのだろう。これでヴェントン侯爵令息は王家に目を付けられてしまいますわね。卒業パーティーを台無しにしたのですから。


「はい、わかりました。ヴェントン侯爵様、頭を上げて下さいませ。お父様にお伝え致します。私が至らぬばかりに申し訳ありませんでした」


「エヴァ嬢は悪くない……もうお義父様と呼んでくれないんだな……どうか婚約破棄をしないでいただきたい」


ヴェントン侯爵が再び頭を下げたがエヴァの気持ちは変わらないだろう。

エヴァはこの場から抜け出した。


「…………」

その会場で、ただ1人無言のままエヴァが会場を去るまでずっと見つめている者がいた。


◆◆◆

馬車の中で……


(ニック様大丈夫かしら?たぶんこれから侯爵様に怒られますわね。ニック様は次男だから、入婿か騎士になって騎士爵になるしか貴族として生き残れないのよね。ニック様はいまさら騎士にはなれないだろうし、こんな場で婚約破棄するしたり、お家乗っ取り発言したりするような方を入婿で欲しいなんて物好きな家はないでしょうね。学園でもずっと遊んでばかりいましたから王宮勤めは出来ないでしょうし。わがままに育てたヴェントン侯爵様達のせいでもありますわ。一生、息子の世話をしてればいいんじゃないんでしょうか。

私も早めに婚約破棄してあげれば良かったわ!お互いの為に。私はやっと出来の悪い子から解放されて心晴れやかだわ!ニック様も野暮ったい女から解放されてきっと嬉しいわよね。はぁ、7年長かったわ!でも、これから新しい婚約者見つけないとね。私は、もう傷物令嬢なのだから。誰か良い人来てくれればいいのですが。もう私と近い歳の方はいないでしょうから)


エヴァはこれからの未来が未定になり不安に駆られてしまった。

だが、婚約破棄は後悔はしていない。これから一生、出来の悪い子のようなニックの世話しなくて済むのだから。


「あとはお父様を説得しないと。ヴェントン侯爵様と仲の良い友人だから、このまま結婚させられそうだわ。それは絶対に阻止しないと!

もし無理なら伯爵家から抜けて平民になろうかしら。もう成人になったから私の事は自分で決められる。

もう学園を卒業したし、貴族の家庭教師やベビーシッターもできる。あとは前世の知識を活かして、色んな物作って売れば生きていけるわ。ふふふ、商人になるのもいいわね!」



さっきまでの憂鬱な気持ちは忘れ未来の自分を想像し心晴れやかになっていった。



◆◆◆


《ニック視点》



ニックとヴェントン侯爵は会場から逃げるように去り家に帰った。

ニックはずっと、エヴァがどうして婚約破棄を了承したかわからないでいた。

(何で婚約破棄を受け入れたんだ!?エヴァは俺のこと好きなんだろ。だから俺を婚約者にしたんだろ!もしかして、エヴァは俺の気を引きたくて……)


「ニックよ、何故あの場で婚約破棄をしたんだ。王家主催の卒業パーティーだぞ?エヴァ嬢のどこに不満があるのだ!あんな優秀な令嬢はいないぞ。エヴァ嬢は幼い頃から領主教育をさせられ、今では重要な仕事もしてるのだぞ。そのおかげでスカッシュ伯爵家は没落から逃れ、今では裕福になり我が侯爵家まで恩恵があったのだぞ!つまりはお前にやれる小遣いだってエヴァ嬢のおかげだということだ。お前が婚約できたのは、たまたま私とレイモンドと友人だったからだ」


「え?向こうから婚約の打診を受けたんではないのですか?私のことが好きだから格上の私と無理に婚約したんですよね!?父さんと伯爵様は友人だからと」


「誰がそんな出鱈目な事言ったんだ!レイモンドとは昔約束したが、あれはただの口約束だから法的効力はない!だが、もし子供達が仲良かったら本当に結婚させようとしたんだ。だから6歳から交流していたんだぞ。お前は次男だから、いい家に婿入りして欲しくてスカッシュ伯爵家に、こちらから婚約を打診したんだ。あの子は正に神童だったから、このままでは他の者に取られてしまうと思って、レイモンドに無理を言って幼いエヴァ嬢とお前の婚約を結ばせてもらったんだ。てっきり、お前はエヴァ嬢の事が好きなのだろうと思ってたのだが、勘違いだったのだな。もっと早めに言ってくれれば破棄ではなく白紙にできたのに。

はぁ、お前はこのまま婚約破棄されたら、誰も婿に欲しがる者はいないだろうし、王宮勤めも出来ないだろう。このままだと平民だぞ!それが嫌ならエヴァ嬢に謝罪し、婚約破棄を撤回してもらえ!わかったな」


「ふふふ、大丈夫ですよ父さん!エヴァは私の気を引く為に婚約破棄を了承したに違いありません。私のこと愛していますから。幼い頃から私の世話を焼き、何を言っても笑って許してくれたのですから」


「……そうなるといいな。私にはエヴァ嬢が許してくれるとは思わんがな。はぁ、こっちもレイモンドにお願いするから、お前も誠意を込め謝罪するのだぞ」


「はい、私が謝ればすぐに許してくれますよ!だから父さんは格下の家に謝罪する必要ないです」


「どうして、こんな馬鹿息子に育ってしまったのだろうか。次男だから甘やかしてまった私達の落ち度であるな。スカッシュ伯爵家の訪問の許しが出るまで部屋で謹慎してなさい。セバスそいつを連れて行け」



「何故ですか?私は悪くないのに〜!」


ニックは侍従に連れられていった。


「あれは、もう駄目だな……あいつの手綱を握れるのはエヴァ嬢しかいない。なんとしても婚約破棄を撤回してもらわないと」


◆◆◆

《エヴァ視点に戻る》


「どうしたんだい?こんな時間に帰ってくるなんて、何かあったのかい?」


「……実はニック様に婚約破棄されてしまったんです」


「はぁ?ニック君がか?エヴァのこと好きだろう?何故そんな……王家主催の卒業パーティーで婚約破棄……」


お父様は信じられないようだ。伯爵はニックを幼い頃から息子のように可愛がっていた。よく2人一緒に出かけたりする仲なのだから。


「もしかして……婚約破棄を受け入れたのか?」


「はい、私も我慢の限界でしたので受け入れました。ニック様は私に対して野暮ったい女と皆の前で罵り、挙げ句には自分が次期伯爵だと宣言致しました。これは、我が家の乗っ取りです。どうかお父様も婚約破棄を受け入れて下さいませ」


「あのニックが……っ!私の愛娘を侮辱する発言許せん!入婿で何故伯爵になれると思っておるのだ!エヴァよ、こんな奴は婚約破棄してもかまわん。ヴェントン侯爵の息子だからと幼い頃から婚約させた私の落ち度でもある。すまなかった」


その時、ノックの音がして扉が開いた。


「あら?エヴァ早く帰ってきたのね」


そこにはエヴァの母が立っており、どうしてこの時間にエヴァがいるのか不思議でならないという顔をしていた。


エヴァは今までの経緯を母に教えた。


「これは旦那様のせいね。ただヴェントン侯爵と友人だからというだけで婚約させるんですもの。私は反対しましたよね。ヴェントン侯爵はエヴァが神童と言われていたからニックを入婿にしたんですよ。本当ならもっと時間を掛けて優秀な婿を探すはずだったのに。よりによって遊んでばかりいる子息を婿にするなんて……でも婚約破棄できてよかったわ!これから新しい入婿を探さないとね」


(お母様も知っていたのね!ニックが遊んでばっかいるのを。2人共賛成してくれてるから婚約破棄できそう。あとは新しい婚約者ね)


「まぁ、そんなに慌てなくてもいいんじゃないか!エヴァには自分に相応しい結婚相手を見つけて欲しい。だからエヴァよ、そんなに気に病むことはない。私もまだ若いからな!伯爵はまだエヴァには譲らないぞ!ハッハッハッ」


「そうよ、今度は私も一緒に決めてあげるわね。旦那様には任せてられないもの。また変な婚約者連れて来そうだし」


「う、う、面目ない」


(ふふふ、お父様はお母様にたじたじね。この感じ懐かしい。私の前世の旦那もこんな感じだったわね。今世でも素敵な旦那様と一緒になりたいわ)


◆◆◆

それから一週間後、スカッシュ伯爵家にヴェントン侯爵夫妻とニックが訪れた。



「エヴァ嬢、スカッシュ伯爵夫妻、この度はニックが申し訳なかった。ニックも反省しているから、どうか許していただけないだろうか」


「エヴァさん、ニックが馬鹿な事してごめんなさいね。ニックはね、ただエヴァさんの気を引きたかっただけなのよ。本当は婚約破棄なんてしたくないのよ、ねぇニック?」


侯爵は息子が本当に悪いと思っているが、侯爵夫人はニックがいつものイタズラ心で婚約破棄をしたと本気で思っている。ニックを甘やかしていたのは主に夫人の方だったのだ。


「エヴァ、少しは俺が悪かった!だから機嫌を直せ。婚約破棄は冗談だからな。お前も俺の気を引きたいから了承したのだろ!!だからこの話は終わりにしよう。あとは、俺達の結婚式の日取りを決めよう!ふふふ、盛大にやろうではないか!」


「「「「はぁ!?」」」」


ニックと侯爵夫人以外は何言ってるんだこいつは?と思っている。

そしてニックの横暴な謝罪で伯爵家一同の内心は怒りに満ちた!絶対に婿にしてはいけないと、より一層心に決めたのだった。


「あらぁ?ニックちゃん、そんなに早く結婚したいのね!ニックもエヴァさんも両思いだものね」


昔から侯爵夫人の頭の中はお花畑。この侯爵夫人がニックの性格を歪めたのだ。


「この、馬鹿者!あれほどエヴァ嬢に誠意をもって謝れといっただろ!オリビア!お前がニックを、甘やかすからこんな愚息に育ったんだぞ!早く頭を付けて謝れ」


ガッとニックの頭を掴み、床にニックの頭を付けた!ゴンっと音がしたからニックのおでこは赤くなっているだろう。


「何をするんですか?父さん!もう謝ったではないですか。これは私への侮辱ですよ!なぜ格下の家に頭を下げないといけないのですか〜!」


「そうよ!ニックがかわいそうじゃない。ニックにはもっといい所に婿にいけるのに、格下の爵位が継げるから私は了承したのよ!」


「全ての元凶はお前か!!勘違いしてるようだが、私からレイモンドに婚約の願いに出たんだ。優秀なエヴァ嬢なら馬鹿なニックを託せると思って。お前を一緒に連れて来なければよかった」


侯爵は頭を抱えた。侯爵は長男の領主教育に熱心に時間を割いてきた。それでニックを侯爵夫人に任せきりにしたのを今更ながら後悔した。


「ヴェントン侯爵、こんなに馬鹿にされて我が家に入婿に来れると思っているのでしょうか?これは我がスカッシュ伯爵家への侮辱ですよ」


(お父様は顔を真っ赤にして怒ってるわ!ニック様と侯爵夫人は私達のこと馬鹿にしすぎよ!婚約破棄を成立させて、さっさと帰ってくれないかしら。あとで塩まいときましょ!)


ノックする余裕もなかったのか、いきなりバタン!と侍従が勢いよく扉を開けた!


「だ、だ、旦那様!アルベルト公爵様が……訪ねて来ました。お招きしてもよろしいでしょうか?」


「「「「「はぁ!?」」」」」


今度はニック以外の声がハモった!この伯爵家に絶対に訪れない相手がきたのだから。


「それは本当か?アルベルト公爵といったら王弟殿下ではないか?」


「はい、そのまさかです!」


「は、早くこちらにお招きしなさい!丁重にだぞ!」


アルベルト王弟殿下はいかなる不正も許さない!彼に目をつけられると言うことは、スカッシュ伯爵家に不正があると証拠を掴んだから来たのだと。だがレイモンドは不正なんて一切していないから頭の中がパニックだ!


「ほら!!私の思った通り、以前のスカッシュ伯爵家は没落寸前だったけど急に豊かになるんだもの。やっぱり不正をやっていたのね。ふふふ、あなた達、我が侯爵家の後ろ盾がないと潰れちゃうわね!でも大丈夫よ、ニックが次期伯爵になるのだから」


オリビアは勝ち誇っている。立場が逆転したと。


扉が開き20代後半の屈強な男性が入ってきた。王家の血筋の金の髪色をしている。この方が王弟のアルベルト公爵だ。


「廊下まで下品な声が聞こえてきたぞヴェントン侯爵夫人。

スカッシュ伯爵、突然の来訪申し訳ない。今日はあなたに渡す物があって訪問したんだ。そんなに怯えなくていい。不正の資料ではなく、あちらにいるヴェントン侯爵子息の不貞の資料と違法賭博に通っていた資料だ。ヴェントン侯爵にも見て貰おうじゃないか」


「「「「「「…………!!」」」」」」


全員一致で無言になった。さっきまで元気だったオリビアの顔は見る見るうちに顔が青ざめていた。

もちろんニックも。


いち早く回復したヴェントン侯爵とスカッシュ伯爵は一緒に資料を見ている。本当に仲良しなのだ!


「ニックよ……これは本当なんだな?男爵令嬢はお前の子を身籠もっているんだな!お前の金遣いが荒いと思ってたら違法賭博とは……」


「違法賭博だなんて知らなかったんです!でもナタリーが妊娠したって問題ないでしょ!私が次期伯爵になるのですから。ナタリーは第二夫人にすればいいのです」


ニックは当たり前のように答えている。常識のないオリビアもわかってしまった。もうニックを庇えないことを。


「ほう?ご子息はこのスカッシュ伯爵家に婿入りのはずだ、私の調べた資料ではそう記載してあるのだがね。どうなのだヴェントン侯爵」


「申し訳ありません。ニックは入婿で次期伯爵にはなりません。この愚息がただ1人で戯言を言ってるだけです」

ヴェントン侯爵は額から沢山の汗を滴り落としながら、アルベルト公爵に答えた。


「ふむ、おかしいな?もう貴族の間では噂が広がってるぞ。そちらにいるヴェントン侯爵夫人が茶会で息子が次期伯爵になると言っていたとね。これは、もうお家乗っ取りだと貴族達が教えてくれたよ」


「お前という奴は!これでは我が侯爵家が没落してしまうぞ!どうしてくれるんだ!オリビア」


「私は悪くないわ!全てエヴァがいけないのよ!神童だからって私の可愛いニックを馬鹿にして!私が貴族の間で何て言われてるか知ってる?神童のもとに婿入出来てよかったわねって言われてどれだけ私が惨めだったか。この格下のくせに〜!」


そしてオリビアは隠し持っていた鉄扇をエヴァに向かって振り下ろした。

だがその鉄扇はエヴァには当たらなかった。なぜなら。


ドスゥ!!


アルベルトがエヴァを守り、オリビアの鳩尾を殴ったのだ。そのままオリビアは崩れ落ち意識を失った。


「母さん!?このやろ〜!母さんを殴りやがってぇ〜!」


ニックはアルベルトに対して殴りかかった!王弟にだ!もちろん当たるはずはない。彼の側には常に護衛騎士がいるのだから。


ドゴン!


ニックは逆に護衛騎士に殴られ吹き飛んでいった。オリビアもニックも似た者親子なのだった。


「……オリビア……ニック……もう我が侯爵家は終わりだ」


そのままヴェントン侯爵は崩れ落ちた。ニックが王弟を傷つけようとしたのだから。



「大丈夫かい、エヴァ嬢。怖い思いをさせてしまったね」


エヴァとアルベルトの視線が初めて交わった。


「……守っていただきありがとうございますアルベルト公爵様」


私はこの方と以前会ったような気がする。あの人と同じ懐かしい雰囲気を感じるわ。


「ふぅ、ちょっと別の部屋で2人で話さないか?君に確かめたいことがあるんだ。いいかな?スカッシュ伯爵」


「は、はい、大丈夫です。もう一つの貴賓室をお使いください」


(お父様はカチコチだ!それも当然である。ヴェントン侯爵家3人が床に倒れているのに、何もなかったようにアルベルト公爵が微塵も気にしていないのだから)


倒れた3人が護衛に連れていかれようとしていた。だがニックの意識が目覚めていた。


「……く……っ、エヴァ!俺と婚約破棄しないよな!俺はお前のことが好きなんだよ!見捨てないでくれ!幼い頃から俺の世話してくれたよな!俺のこと好きだったからだろ!俺達まだやり直せるよな」


エヴァは呆れてしまった。もう我慢の限界だったエヴァは淑女を捨て本音でしゃべりだした。


「馬鹿は死ななきゃ治らないわね。あなたのことなんて好きになる所ないわよ。いい歳して思考回路は子供のままだし、私の容姿を馬鹿にするし。しかも顔を合わす度に婚約破棄。挙げ句の果てには浮気で妊娠させる!?馬鹿じゃないの!もう出来の悪い子の面倒なんてこりごりよ。これ以上私に関わらないで!もう顔も見たくないわ」


「…………」


いつものエヴァの物言いではなくニックは言い返せずにいた。


「大丈夫だよエヴァ嬢。ヴェントン侯爵子息は私に襲いかかったのだ。もうエヴァ嬢の前には現れないよ。縛首か斬首、よくて鉱山の労働刑だろうな。だから長くは生きられないだろう。

早く連れていけ!目障りだ」


「嫌だよ〜!まだ死にたくないよ〜エヴァ助けて〜」


ニックは叫んでいる。未だにエヴァが助けてくれるんだろうと思っているのだ。以前のようにエヴァは助けない。もう関係のない人で尻拭いをする必要がないのだから。

そのままニックは護衛騎士に連れていかれた。


そしてアルベルト公爵がヴェントン侯爵へ体を向けた。


「ヴェントン侯爵、あなたは近々その地位ではいられなくなるだろう。沙汰が出るまで屋敷から出ないように」


「はい……」


ヴェントン侯爵はもう諦めたように頷き連れていかれた。やっと侯爵家3人がこの部屋からいなくなった。

侯爵は爵位剥奪か降格処分になる。夫人はあの様子だと離婚され実家に戻される。実家もこんな爆弾を抱えたくないから受け入れられずに平民に落とされるだろう。あの性格では生きていけないかもしれない。エヴァはヴェントン侯爵家の辿る末路を想像したが、たぶんその通りになるだろう。


◆◆◆

貴賓室にて……


「初めましてかなエヴァ・スカッシュ伯爵令嬢もしくは滝沢(たきざわ)絵梨花(えりか)かな?」


「……え!?、何で私の前世の名前知ってるんですか?」


「ふっ、前世の旦那のことはもう忘れちゃったのか?俺は忘れられなくて未だに結婚できていないというのに。絵梨花は薄情だ……」


ボスン!


アルベルトが最後の言葉を言い終わる前にエヴァがアルベルトに抱きついたのだ。


拓也(たくや)なの!本当に拓也なのね!あなたも転生してたのね……会いたかったよぉおお〜〜!何でもっと早く会いにこないのよっ!!あんなクズ野郎と7年も婚約しちゃったじゃない……グスン……」

「絵梨花は変わらないなぁ!泣き虫な所が」


エヴァはもう会えないと思っていた前世の旦那が目の前にいるのだから泣くのはあたりまえなのだ。


「……どうして……子供を残して先に死んじゃったのよ……私1人で育てたんだからね!」


「俺だって事故で亡くなるとは思わなかったさ。幼い子供達を残して悪かったよ。苦労かけちまったな!1人で育てたってことは再婚しなかったのか?」


「するわけないでしょ!拓也の事忘れられなかったんだもの。でも拓也の生命保険のおかげで子供達は何不自由なく育ったわ。あと全員結婚して幸せになったわ!それに私達の孫は20人もいるのよ。だから私も幸せだったわ」


「……そうか……みんな幸せでよかった」


2人は抱きついたままお互い涙を流していた。この空間は時が止まったようだった。今までの時間を取り戻すように……









「グスン……よかったですねアルベルト様。やっと巡り会えたんですね」


実はこの貴賓室にはもう1人壁際にいたのだ。それはアルベルトの信頼のおける護衛騎士……最後までアルベルトとエヴァは気づかないままだった。



◆◆◆


あれから2年が経ち……公爵邸で新たな命が産まれた。


「オギャー!オギャー!」


「エヴァ様、立派な男の子ですよ」

婆やが取り上げてエヴァに渡した。


「ふぅーっ……前と一緒で初産は難産だったわ……」


「何を言ってるのですか?エヴァ様!以前にも産んだみたいじゃないですか!?」


「前世のことよ……」


「またエヴァ様の与太話ですか。もうそろそろアルベルト様がこちらに来ますよ」


バダン!


「ほら!」


「おぉ!やっぱ男の子か!前と一緒だな!よく頑張ったね絵梨花‥じゃなくてエヴァよ」


「アルベルト様も与太話ですか。まぁ、いつものことですから気にしないですが、他の方には聞かれないようにした方がよろしいですよ」


「ハッハッハッ!婆やは厳しいね。ここでは大目に見てくれよ」


「はいはい、わかりました。邪魔者は先に部屋から出ますね。もしエヴァ様に何かありましたらすぐに呼んでくださいな」


「ああ、わかった!」


バダン!婆やは出ていった。


「あなた、名前どうする?前と同じでカズヤにしちゃう?」


「それは駄目だろうね。この世界の名じゃないし」


「ふふふ、そうね。後でよく2人で考えましょ」


「そうだな。今はゆっくり休みなさい。これからまだ産まないといけないんだから」


「あと2年後ぐらいには第二子欲しいわね。伯爵家を継ぐ子を」


「まだお義父様はバリバリ現役の伯爵だから、まだ20年は譲らないだろうね」


「そうね最近お父様は新事業で忙しいものね」


「前世の世界にあった平民でも通える学園を作ってるんだよね!

……あれ?どうしたんだい?急に悲しそうな顔をして」


「……‥あなた……私があなたに出した結婚の条件覚えてる?」


「あぁ、ちゃんと覚えてるよ。絵梨花より先に死ななきゃいいんだろ」


「そうよ……だから絶対に私より先に死なないでね。あなた私より10も歳上だし……王弟だから命も狙われるでしょ……だから健康にも事故にも気をつけてね」


「大丈夫!俺には優秀な護衛騎士もいるし、私の専属医もいるしな!」


「ふふふ、そうね。あなたには優秀な護衛騎士がいるものね」


「そうだぞ!あいつは俺の幼馴染で信頼できる男だからな!いつでも俺を守ってくれるんだ。気配を消すのが得意だから今もこの部屋のどこかで見守ってくれているかもよ!?」


「この部屋には私とあなたしかいないのよ。変なこといわないでよ。もう!」


「ハッハッハッ!冗談だよ、それより我が息子を抱かせてくれよ」


「はい、あなたの息子よ。顔はあなた似ね」


「おぉ!ちっちゃくて可愛いいな。パパでちゅよ!これからよろしくね」


「オギャー!オギャー!」


 2人は幸せそうに我が子をニヤニヤしながらずっと眺めていた。








「グスン……アルベルト様の子が無事産まれてよかった……アルベルト様が私のこと信頼しているだなんて……グスン……エヴァ様の為にもアルベルト様の敵を近づけてなるものかっ!必ずお守り致します!私の命をかけても」


実はこの部屋にはもう1人壁際にいたのだ。それはアルベルトの信頼のおける護衛騎士……最後までアルベルトとエヴァはまた(・・)気づかないままだった。


       ー END ー






◆◆◆

追加情報

《とある長男目線》


どうも次期ヴェントン侯爵のデューク19歳です……すみません間違えました。デューク・ヴェントン男爵19歳です。

妻のエリンと新婚旅行から帰ってきたら侯爵から降格して男爵になって領地も取り上げられました。

そして妻からは……


「デューク様……実家に帰らせてもらいます」


その言葉を残し実家の伯爵家に帰っていった。もう絶対帰ってこないじゃん!帰ってきて〜〜。あ!でも帰る所ないや!あと3日で屋敷からの退去命令出てたわ。


きっとエリンとは離婚するだろう。そしてこちらの瑕疵で慰謝料も取られる。元ヴェントン侯爵家に仕えていた使用人達にも退職金払わないといけないからお金なんてすぐになくなるだろう。あとニックの不貞相手の男爵にもやらないと駄目だろうな。ニックの子がいるんだし。はぁ〜(溜息)


父は責任をとって私に当主を譲り、田舎の小さな家で隠居している。私に丸投げして逃げたのだ。

当主って!ただ名ばかりの男爵譲って貰っただけで財産もないじゃん!



ニックが卒業パーティーでエヴァちゃんに婚約破棄したのが我が家の破滅の始まりだ。私の弟、馬鹿なの!?王家主催のパーティーでやる?……やりそうだな我が弟なら。

それでエヴァちゃんが婚約破棄を了承した。当たり前だよね。

で、慌てたニックが婚約破棄の撤回を求めたらしい。馬鹿じゃない!!もう無理でしょ!撤回なんて!こんな入婿いらないでしょ。

挙げ句にはスカッシュ伯爵家の次期伯爵になれると本気で思っていたらしい……それを聞いた時は呆れて言葉に出なかったよ。まぁ、元凶は我が母だとすぐわかったけど。母は頻繁に開いていた茶会で、ニックが次期伯爵になると話していたらしい。私が新婚旅行に行っている間に何やってるんだよ!

母はそんな戯言を言っていたから父には離婚され今頃は市井に下っているだろう。母の実家の伯爵もこんな女門前払いしているだろうし。だって、あの王弟に目を付けられてるんだよ!

私は母の伯爵乗っ取り計画のせいで貴族から爪弾きされてしまい、もう頼れる人がいない……どうしよう……神様助けて……


◆◆◆

ギィギィギィ……バタン!


とうとうこの時が来てしまった。

私は屋敷の門が閉まるのを眺め、頭を下げた。私の生まれ育った領地は国の役人らが運営していく。まだ、後釜の貴族が決まっていないのだ。

私は何年も当主教育を受けていたのに無駄になってしまったな。

さてと、どこに行けばいいのやら……お先真っ暗だな。


トボトボと行き先を決めずに歩いていたら馬車がデュークの前で止まった。


「ふぅ!間に合ったようだ。久しぶりだねデューク君」


そこにはデュークにとってはあり得ない人物との再会だった……


「……スカッシュ伯爵!!……申し訳ありませんでした。ニックがスカッシュ伯爵家に対して……」


デュークはスカッシュ伯爵に対してその場で土下座をしようとしたらスカッシュ伯爵に体を持ち上げられ土下座できなかった。


「大丈夫だよ、デューク君も被害者みたいなものだからね。謝罪だけ受けとっとくよ」


「我が家がスカッシュ伯爵家にやった行いは決して許されるものではありません」


デュークは真面目なのだ、ニックと違って。


「デューク君は昔から変わらないな!エヴァも君のことを本当の兄みたいに慕っていたね。そんなデューク君を私も好ましく思っていたよ」


「……ありがとうございます。あのう……今日はどんな御用で私に会いに来たのでしょうか?……あっ!もしかして婚約破棄の慰謝料少なすぎたことでしょうか?必ず払いますか……」


「違う!違う!もう慰謝料の件は大丈夫だから!今日はね、デューク君を迎えに来たんだよ。我が家の離れが空いていてね、デューク君に住んでもらおうと思ってね」


「えっ!!私のこと恨んでないのですか?」


「君と元侯爵のアレックスには恨みはないよ……やっぱ少しはアレックスに恨みあるかな!ハッハッハッ!」


「寛大な心に感謝致します。本当にスカッシュ伯爵に甘えてよろしいのでしょうか?」


「いいさぁ。妻にも伝えて了承してあるから安心してくれ。

実はね、アレックスから手紙が届いたんだよ。デュークを頼むってね!」


「いつのまに手紙を……」


私は驚いていた!男爵を押し付け、私に丸投げして逃げたと思ったのに……私のこと気にしてくれていたなんて……


「アレックスの頼みだけど私は善意でデューク君の面倒みるわけではないよ。君には私の新事業の手伝いをしてもらおうと思ってね。新事業の内容は市井の子供の学園を立ち上げようとしてるんだ。市井の底上げをして、より王国の発展に繋げようと思ってね。まぁ、エヴァの入れ知恵だけど。そこで君には教師をやってもらいたいんだ」


「……私に出来ますでしょうか?」


「デューク君は学園でも優秀だったし、当主教育も完了しているだろ!こんないい人材どこにもいないよ!」


「それでしたらよろしくお願いします……グスン、グスン」


デュークはやっと頼れる人が現れ心の荷が降りた。生活の指針が出来たのだから。

そして、泣いているデュークをレイモンドが抱き慰めた。


「よく1人で頑張ったね……あとは私に任せなさいデューク君」


「うぇ〜〜〜〜っん!おじさん!ありがとうございます」


「ハッハッハッ!15年ぶりに聞いたね!そうだよ、君のおじさんだよ。昔のようにおじさんと呼んでいいからね」





『神様!ありがとうございました!』

デュークは心の中で神様に感謝した。


デュークの願いが叶ったのだ……手を差し伸べてくれる人が現れたのだから……




◆◆◆


おまけ情報



これからデュークは成り上がり幸せになっていきます!



ブクマ、⭐︎評価していただきありがとうございますm(_ _)m

モチベーションがグ〜ンっと上がりました!

なのでデュークのその後と護衛騎士目線を新たに連載致しました。

  


読んで下さりありがとうございます。

【☆☆☆☆☆】を押して応援して頂けると嬉しいです( ◠‿◠ )執筆の励みになりますのでよろしくお願い致します。


デューク目線を新たに連載致しました。ちょこっと覗いていただければ嬉しいです。


誤字報告ありがとうございます。もう一度読みなおします。


追加12/15誤字報告ありがとうございますm(_ _)m


追加12/16 誤字報告ありがとうございます。沢山修正していただきありがとうございますm(_ _)m

貴重な時間を使って訂正していただきありがとうございます。


追加12/17 誤字報告ありがとうございますm(_ _)m


追加12/17 10時40分

誤字報告、修正ありがとうございます。とても勉強になりましたm(_ _)m


追加12/17 17時16分

誤字報告、修正ありがとうございます。

アナベルが女性名だと教えていただきありがとうございましたm(_ _)m


追加12/19

誤字報告ありがとうございます。指摘、修正していただきありがとうございました

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