【番外編2】補足の広場
感想、ありがとうございます。
返信はできませんが、様々なご意見、参考にさせてもらっています。
本編では書かなかったけど、感想を見て補足いるかな?って思ったことは、ここに書いていきます。
【補足1】
ストーリーには出てこない第一王子は、隣国の王配になっております。
なので、第二子のアリスティアが王太女に。この国では継承順に性別は関係しません。
生まれた順番は、以下の通りです。
第一王子
第一王女
第二王子
第二王女
【補足2】
ブライアンの家族、表向きはにこやかにしていますが、フェテリシアに対して激おこです。
グレイシアとの結婚を邪魔されたからではありません。ブライアンが辺境伯の伴侶として問題があるのは知っていましたから。
寄り親、寄り子として家族ぐるみの付き合いをしていたガッシュ家ではグレイシアも大切な家族なのです。二人共、幸せになってほしいと思っていました。
それなのに、フェテリシアがお遊びの為だけにブライアンの恋心を奪ったと知って、彼女のことが許せなかったのです。
もし、フェテリシアが本当にブライアンのことが好きで、魔女の薬を使ってまでブライアンを手に入れたかったのだとしたら、少しはフェテリシアを取り巻く環境は違っていたのかもしれませんね。
産まれた子どもは、可愛がってもらっています。子どもに罪はないですからね〜。
子どもたちから見たブライアンとフェテリシアは、仲のいい夫婦です。
ちなみに、ガッシュ家の兄弟は以下の通りです。
長男→長女→次男→次女→三男
グレイシアはひとりっ子でした。
【補足3】
ブライアンが不憫との感想を頂きましたので、少々補足を。
ブライアン的には意に染まぬ結婚をしたという感覚はありません。自分が想いを寄せている相手と結婚したと思っています。
グレイシアは何もなければブライアンと結婚してもいいとは思っていました。至らない部分は自分が頑張ろうと。
ブライアンの実家のガッシュ家も、そのつもりで全力サポートするつもりでした。(最悪、種馬扱いでも致し方なし、と思っていたぐらいです)
ブライアンに群がる令嬢たちは、男女の関係というよりアイドルとファンの関係がほとんどで、グレイシアも注視していなかったのですが、フェテリシアに関してはブライアンというより自分への対抗意識が見え隠れするようになったので、ブライアンに忠告していました。
結構、何度もしていました。魔女の薬の可能性も示唆していました。それでも引っ掛かっちゃったので、こりゃダメだ、となったわけです。
グレイシアのブライアンへの想いは家族愛です。
住む家や下男下女の手配はブライアンの幸せの為であってフェテリシアの為ではありません。
ガッシュ家は、フェテリシアを教育するために使用人を派遣していましたが、これもフェテリシアの為ではなくブライアンの快適騎士生活の為です。(辺境は厳しい環境なので家族の結びつきが強いのです)
ブライアンの恋心が消えなかったのは、ブライアンがグレイシアに対して、何一つ不満を持っていなかったからでしょう。
ブライアンが脳筋の単純な男だったせいもありますが、グレイシアも夫を立てる女性だったからです。
終わり方は呆気なかったですが、「辺境で生き辺境で死す」の望み通りの人生を歩んだブライアンでした。
作者的にはグレイシアとは縁がなかっただけで、不幸だとは思っていないんですよね。
なんだかんだ言ってフェテリシアも美人さんですからね~。
【補足4】
魔女の薬についてですが、第二話のフェテリシアの回で説明したように、無から有は生まれません。特に精神操作系は負担が重いです。
無理やり捻じ曲げようとすれば、廃人コース一直線でしょう。なので、フェテリシアの薬の場合は、元からあるブライアンの恋心を使ったのですが。
魔女は薬を作るにあたってカウンセリングをします。望む薬を使った影響を示して、時には忠告をし、薬を諦めさせたりします。
面倒くさいというよりも、強力な薬ほど対価もアップするので払えない者も多いからです。(対価は望む薬によって様々)
魔女だって町に住んでいる以上、薬を作って対価をもらえなければ生活できません。だから払える対価分の薬を提供しているのですが、その効果に不満を漏らす依頼者もいます。
魔女を侮辱すると、依頼者が不幸になると知っていても採算度外視で呪いのような薬を作ることもあります。
魔女は姿形こそ人族と同じですが、何百年も生きる人族の上位に位置する神秘の種族。怒らせると怖いのです。
【補足5】
一生に一度とは言え、薬によっては国が混乱します。過去には潰れかけた国もあった程です。では、なぜ国は魔女を受け入れたのか?
街に馴染んだ魔女が離れがたくなった、というのは本当。ですが、魔女の薬が欲しかったから、という国側は違います。
第二話の魔女の説明は国民向けのもの。王は国民には知らされていない裏の取引をしています。
王は魔女を通じてどんな薬を作ろうとしているのかを把握しています。後ろめたいことに使えば絶好の脅迫ネタです。
魔女の薬で暗殺をしようとした貴族がいたとして、ターゲットが国の益になるなら助けますが、そうでないなら放置します。
薬を使う側が国にとって害虫なら処分しますが、益になるなら目的達成後ソレをネタに手駒にするためにあえて見過ごすこともあります。
もちろん、魔女の薬が自分に向けられることがあることも想定済み。国民総脅迫リストを手に入れるのですから、それぐらいの覚悟はあって当たり前。自衛ができないのは王族として失格というわけです。
ブライアンに魔女の薬が使われることも王は知っていましたが、放置しました。息子のエミリオの恋を後押ししたからではありません。王(国)にとってどうでもいいことだったからです。
エミリオに対しては、惚れた女ぐらい自力で手に入れろと言うのが本音です。
この魔女の裏取引は王のみが知るところ。アリスティアやエミリオであっても知りませんでした。
もっとも、アリスティアは女王に即位した時に前王から聞かされましたが、「へぇ、そうなんだ。」と、淡々としたものでした。
清濁併せ吞まないと、国の運営なんかできませんからね。
高位貴族ほど、謀に魔女の薬を使おうとは思いません。魔女の薬を使うと、使った側と対象者の手首に同じ模様が浮き出ます。
模様は人それぞれ違うので、暗殺に薬を使ったとして、模様を辿ればあっさり犯人逮捕となり、ミステリー泣かせの展開となります。
証拠が残るような危ない橋は渡りません。それに、勘のいい彼らは裏取引に薄々気が付いていますからね。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。