心の用意はいいかい?
天使だか、悪魔だか、解らないけど、
「幸せになる、心の用意はいいかい?」
とそいつは言った。
「この世界には、無限に近いパラレルワールドがある。
例えば、1999年に滅亡した世界。
例えば、君が生まれる事のなかった世界もある。
善と悪 その違いはとても曖昧で複雑。
でもね、好きか嫌いか、なら解りやすいだろ。
見ていてご覧、目の前の世界から、
嫌いなものが消えていき、
好きなものが、増えていく。
ここはそんな世界だ。」
「わっ、好き人がいっぱい。わっ、好きな事がいっぱいに・・・・」
そいつの言う通り、僕の好きな事メーターが、どんどん上昇している。
そして、僕の嫌いな事メーターが、どんどん下降していく。
どうしよう・・・・心がどんどん、しあわせに満ちてくる。
心が、ふわふわと柔らかくなっていく・・・
でも・・・・
どうしよう・・・・こんな状況耐えられない。
ダメだ!もうダメだ!
「お願いだ!僕に悪意を!僕に苦難を!僕に敵を!僕に闘争を!僕を修羅場へ!」
僕は、そう口走ってしまった。
なぜあんな事を口走ってしまったのか?
今となっては、解らない。
そして、僕の好きな事メーターは下降を続け、僕の嫌いな事メーターは上昇し続けている。
目の前には、大嫌いな奴らが、溢れ始めていた。
なぜあんな事を口走ってしまったのか?
お願いだ!
もう一度、チャンスを!
僕に柔らかな、しあわせを!
完




