豹柄のお嬢さんと魔物の日 弐
「あの・・豹柄のお嬢さんって、あなた?私は、元々人間だったんだけど、三毛猫に変わってしまったの、良かったら戻る方法を教えてください。」
「そこじゃなんだから、もうちょっとこっちへおいで」
私は、豹に言われるまま、檻に近づいた。
私が檻の前に立つと、豹は、まさに豹変した。
「魔物よ、時は来た。我が望みを叶えたまえ!」
豹がそう言うと、突然、私の前に見たことがない人間の少女が現れた。
そして私は檻の中・・・・私自身が豹になっていた。
檻の外にいる少女と、入れ代わってしまったらしい。
三毛猫の私(檻の外) → 豹(檻の中へ)
豹(檻の中) → 人間の少女(檻の外へ)
凄いマジックを目の当たりにした時の様に、
ちょっと感動してしまった状態の私に、←感動してる場合か(怒&泣)
檻の外で少女は言った。
「あなたが来るのをずっ待っていたのよ。
私の代わりのあなたを、今度はあなたが私の代わりに、
檻の中で暮らすのよ。はあ~、久しぶりの檻の外」
少女はそう言うと、ゆっくり背伸びをした。
「心配しなくてもいいのよ。永遠に檻の中って訳じゃないんだから。
次の【魔物の日】に、来る・・・・かもしれない三毛猫に、私が言ったように、
『魔物よ時が来た。我が望みを叶えたまえ!』と唱えればいいのよ」
そう言い残すと、少女は夜の動物園の闇に消えていった。
どうしよう・・・・・どうしよう。
夜が明け、太陽が昇ると、檻の外では、遠足に来た人間の子どもたちが、楽しそうに私を眺めていた。
私は迷いながらも、次の魔物の日が来るのを待つことにした。
ある日、私の元にあの黒猫が訪れた。
「私を騙したのね!」
私は叫んだ。
黒猫は
「あなたを人間に戻す方法はこれしかなかったんだよ。
そして、今日が【魔物の日】だよ」
と告げた。
そして、その夜、三毛猫がやって来た。
「あなたが、【豹柄のお嬢さん】ですか?」
三毛猫は私に聞いた。
私は迷ったけど、ホントに迷ったけど、三毛猫を檻の前に誘い出し、言ってしまった。
「魔物よ、時が来た。我が望みを叶えたまえ!」
と。
次の瞬間、私は、檻の外から檻の中の豹を見ていた。
私の身体は人間に戻っていた。
私は、檻の中の新たな【豹柄のお嬢さん】に、事情を話した後、動物園を後しにした。
つづく




