彗星に乗ったラーメン屋
宇宙の果ては、銀河鉄道も通ってない程の寂しいところです。
遥かかなたに、銀河系の光が小さく光って見える、
暗闇だけが広がる、冷たいところです。
そんなところに来てしまった人は、
遥か彼方の銀河の星々の光を、望遠鏡で見ながら、
暖かかった人々の面影を思い出す事ぐらいしか、やる事がありません。
泣いたって無駄です。
誰にも聞こえないし、疲れるだけです。
でもね、そんなところでも、
数万年に一度、彗星に乗ったラーメン屋の屋台が通りかかります。
そのラーメン屋の良いところは、宇宙の果てなのに、ぼったくったりしない事です。
ラーメンは、450円です。
もし貴方が、この寂しい宇宙の果てから抜け出したい場合は、
餃子と炒飯とスープがついたカンパネルラ定食を頼んで下さい。
カンパネルラ定食は、880円です。
そして、それを食べ終わったら、
「カンパネルラ・・・・」
とポツリと呟いて、カンパネルラの事を思い出して泣いて下さい。(嘘泣き可)
するとね、今にも涙が出そうな目になったラーメン屋のおやじさんが、
明るい銀河系まで連れて行ってくれます。
ラーメン屋のおやじさんと、カンパネルラの関係は不明ですが、
ただの『銀河鉄道の夜』の大ファンの可能性もあります。
どちらにせよ、無口な職人気質のラーメン屋のおやじさんなので、
深く聞かない方が無難です。
宇宙の果て・・・・例えて言えばこんなところです。
良い子のみんなは、決して一人では行かないで下さい。
完




