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道化師
僕が、この世に生まれた時に与えられた役は、
愚かでずる賢く滑稽な道化師。
人は、僕の愚かさを批判することによって、優越感を感じた。
人は、僕のずる賢さを非難することによって、正義感に酔いしれた。
人は、僕の滑稽さを笑うことによって、嫌な現実を忘れた。
もう、僕は終わりにすることにした。
好き好んでこんな役していた訳じゃない。
誰も知らない本当の僕の存在を、
今まで、愚かでずる賢く滑稽な道化師を楽しんできた奴らは、
嫌がるだろうか?
でも、そんな事知った事じゃない。
奴らにはもう、僕に道化師役を押し付けるだけの力はない。
だから、僕はこんなままごとは終わりにする。
終




