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表裏一体



その国の歴史上、最悪の犯罪者が、法廷で裁かれようとしていた。



被告は、確かな数すら解らないほどの人々を殺害し、人々はその行為に恐怖に震えた。



法廷は国中に生中継され、人々は法廷の行方を見守った。



検事は被告の罪とその証拠を、表情を崩さず淡々と詠み続けた。



検事の示した証拠は、覆しようが無いほどの、確実性に満ちていた。



それを、被告は薄笑いを浮かべながら聞いていた。



裁判官の木槌を打つ音が、法廷に響き渡り、陪審員達は被告の罪の行方を話し合った。



数時間後、被告は罪を言い渡された。



陪審員は全員一致で、被告に無罪を言い渡した。



その判決に、被告は静かに手を叩いた。



そして、生中継に釘付けになっていた人々は歓声をあげた。





なぜ、人々は凶悪犯人の無罪に歓声を上げたのか?





被告は多くの人々を地獄に叩き落す一方、



多くの人を歓喜の楽園に持ち上げた。



地獄に落とされた人々は、この世にすででおらず、



国中には、歓喜の楽園に持ち上げられた人々があふれていた。



釈放された被告は、国中から英雄として迎えられた。





おしまい


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