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例えば人生がチェス盤だとして、の話。 後編。
ルークの動きに、僕の目の前にいる百戦錬磨の老獪な敵のキングが、
不敵に笑った。
ルークが
「罠だ!」
と叫んだ。
そして、敵のポーンが僕の背後に現れた。
僕が運命の美女を見ると、美女は僕を嘲笑うかのように笑っていた。
愚かな僕は、運命の人と思った美女が囮だと、
この時、やっと気づいた。
僕は
「こんな単純な罠にはまるとは!」
と言って、自らの若気の至りを悔いた。
敵のナイトが僕を仕留めようと迫っていた。
僕は背後の敵のポーンを、回し蹴りで蹴散らすと、
僕は敗走した。
チェス盤上に、キングと美女の高笑いが響き渡った。
僕は敗走しながら
「戦いは始まったばかりだ。」
と負け惜しみを言った。
ルークが横で
「おもろい!これが人生か・・・。」
と叫んで、始まったばかりの人生を賛美した。
おしまい




