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一線を超えて 前編



一線を超えて 前編


その人は、女なのだろうか?



声の質からは女の様に思える。



「虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うだろ?」


と一線の向こう側で、その人は言った。



「後ろを見てみろ。



お前にもう帰る場所なんか、ありはしない。



見てみろあの連中を、みんなでお前を嘲笑ってる。



あんな所にまた帰りたいのか?」


と再びその人は言った。



私は、一見賢そうに見えるその人の目の奥に、



一筋の狂った光を見た。



「こいつ、まともじゃない」私は心の奥で呟いた。



「あいつらはお前が愚か人間でいる事を、願い続けている。



お前を見て、いつまでも優越感に浸り続けたいが為だ。



どうする?



お前はあいつらの願い通り、愚かなまま一生を終えるつもりか?」


と再びその人は言った。



そして手を私に差し伸べて


「来い!」


と命令口調で言った。



その手が私の体に触れた時、私は一線を越えた。


「もう、戻れないぞ。」


と私が越える瞬間、その人は言った。



私が一線を越えた時、私は壊れ始めた。


私の身も心も砂の様に、粉々に崩れ始めた。



「後悔・・・」と言う言葉が浮かんだ時、



私は砂漠の砂と化していた。



そして、その人は一言


「新生を待て」


と言った。


 



つづく


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