表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/54

笑顔の装置



笑顔の装置


「マフラー編んであげようか?」 


と、小学6年の時、転校した小学校で初めて迎えた冬に、



同じクラスの女子に言われた。



僕は


「いらない。」


と冷たく返答した。



この小学校に転校する前、僕は殺風景な小学校で数年間を過ごした。



殺風景な小学校で過ごす内に、



嬉しさを探知する装置と嬉しさを表現する装置を、



自分の心から取り外した。



それがその殺風景な小学校での、



無感想な時間をやり過ごすための最善の方法に思えた。



嬉しさを探知する装置と、嬉しさを表現する装置を、



心から取り外した僕には、「いらない。」



と冷たく返答する以外に手段は無かった。



それから数ヵ月後、



僕は嬉しさを探知する装置と嬉しさを表現する装置を、



見つけ出した。



嬉しさを探知する装置のメーターの針は、振り切れていた。



装置の探知能力を遥かに超える嬉しさを探知していたのだ。



そして、嬉しさを表現する装置は、



手編みのマフラーの暖かさと笑顔を僕にもたらした。



おしまい


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ