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『朱里ちゃんの微笑み』短編小説集   作者: 健野屋文乃
12 ときのすきまの章

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可愛いと思った子の隣の子がもっと可愛かった。

少年は、大志でも抱いていれば良いのだ!

忍法媚薬香水!ふふ。


さて、うちはくノ一のいろりと申します。


今日は、中学の同じクラスの清貧美少女の絵里奈えりなちゃんが、うちの山奥にある家に来たいと言うので、一緒に【山奥小学校前行のバス】に乗っているのさ。


「お前ら、しばーく」

バス内にうちのツッコミが響いた。

山奥小学校出身者に、うちはツッコミを入れてやった。


いつもなら和気藹々と行くのだが、今日は清貧美少女の絵里奈ちゃんが一緒だ。

中1男子は、絵里奈ちゃんが気になってしょうがないのだ!

可愛いと思った子の隣の子がもっと可愛かった。


まあ、そう言う事もあるだろう。


山奥小学校時代は、可愛い少女で通っていたうちも、上には上がいるのだ。

結果、少年たちは、清貧美少女の絵里奈ちゃんに夢中だ。


そして、清貧美少女の絵里奈ちゃんは、中1なのに、真新しくない制服を着ていた。

多分おさがりなのだろう。それも、少年たちの気を引いたらしい。


「笑かしよんな」

うちのツッコミは空を漂った。

うちがコメディなら、お前らはラブストーリーかよ!

そんな可愛い絵里奈ちゃんは、うちの目を見て言った。


「わたしね、お友達の家にお泊りするの初めて」

【お泊りする】この言葉に少年たちは、反応した。


そう、お前らが大好きな絵里奈ちゃんは、今日、試験勉強を一緒にすると言う大義名分の元、うちの家にお泊りするのだ。

解るだろう少年たち、一緒にお風呂に入ったり、一緒に眠ったりするのだよ!


お前らが大好きな絵里奈ちゃんは、我が手中。

百合百合するのだ!

間違いなく百合百合するのだ!

少年は、大志でも抱いていれば良いのだ!


うちは絵里奈ちゃんの肩を、ぎゅっと抱きしめた。

少年たちの羨望を受けながら。


追伸、バスに乗る前に付けた忍法媚薬香水のせいで、いつも以上に少年たちをキュンキュンさせてしまったようだ。


ご免よ、少年たち。大志でも抱いておけ。





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