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転生者は異常な程に成長しました。 〜自重?そこら辺に投げ捨てたわ〜  作者: 冬桜 ライト
◇序章 プロローグですか?
3/42

第3話 能力です。




 イデムはメニュー説明の後にも、これから行く異世界についての説明と、転生先のことを教えてくれた。


 まずこの世界の名前だが、〝シュルクラウト〟と言うらしい。さっき言ってた通り、よくあるRPG風のファンタジー世界だ。

 んでメニューや称号などの概念があり、イデムとかの神は実在するものとして扱われてるみたい。

 ちなみに俺が転生する国は〝シュルクラウト〟の北西部にある〝ミュライア〟って大陸の〝アルツェンクロ〟って王国らしい。

 あ、あとよくある異世界小説風に言うと多種族国家ってやつらしいぞ。



 んでイデムは他にも様々な説明を行っていって、大陸の形や大陸内の五大勢力国家、その国々での簡易的な歴史や迷宮などの説明をしてくれた。


 ……の、だが。俺の方で繰り返し説明していくのは面倒なので、細かいことは触れたその都度説明していこうと思う。


 そしてある程度の説明が済むと、イデムと俺は一息つく。──まぁ、俺は一息ついても興奮を抑えきれずにソワソワしていたが。


 なぜなら次は待ちに待った──


「さて。待ちきれないみたいだから早速、リクト君の特別な(チート)能力を決めていこうかっ!」

「おぅ!!」


 そうっ! 俺のチート決めだからだっ!


「あ、でも普通に決めるのも面白くないし、これで決めるよ〜っ!」


「おぉっ……って、はい?」


 イデムはそう言うと、ダーツのようなものを取りだした。そして、イデムが5mくらい離れたところを指さすと、そこにダーツの的──いや、回っているからどちらかと言えばルーレットかな?──が現れた。


「はい、三つ渡すから、準備が出来たらはじめてねっ! あ、ちなみに、絶対に的に当たるようになってるし、どの能力もハズレ無しの強力で有用なものだから安心してねっ!!」


 ・・・ダーツで決めろって言われた瞬間イデムに悪態をつきたくなったが、外すことも無く、当たった場合もハズレがないならまぁ別にいいか。……ここで余計なことを言ってスキルなしにされちゃ堪らないしな。


 ってことで、一気に……やっ! ……そりゃっ! ……ほいっ!


「おぉ〜。豪快だねぇ。それじゃあ早速何に当たったか見てみようかっ!」


 イデムはそう言って(まと)……もといルーレットを停止した。そして、ダーツが刺さっていたのは……。


「【超越成長(オーバー・グロース)】と【最適進化(エボルヴ・ステータス)】と【記録閲覧(アーカイブ・レコード)】だね〜! 良かったねっ! どれもとても便利なスキルだよ〜?」


 あぁ、だって名前からしてすごそうだもん。さてさて、それじゃあ早速スキルの詳細についてイデムに……。



 ──と、俺がスキルを聞こうとした直後、イデムが「あっ」と声を漏らした。


 イデムを見ると、目線が俺の下に向いているので、俺もつられて下を見る。──すると俺の足元が崩れ始めているのがわかった。


「……はい?」


 そして、少し思考が停止した直後、地面がなくなり、俺は足元に落ちていった。……その際、上の方からイデムの声が聞こえた。


「うわぁっーーーー!?!?!?」


「ごっめ〜んっ! 普通の人間がこの空間に居れるのに時間制限があったの忘れてた〜! でもなんとかギリギリで能力も選べたし良かったね〜?

 あと一応僕の加護をつけてあげるから、後は頑張って〜っ! それじゃあ君に幸多からんことを〜っ!」


「ちょっとイデムっ〜!?」


 俺は遠くなるイデムの声を聞いて、下に落ちていく。・・・少し、こんなんで無事に転生できるか、不安に思いながら──


◇◆◇◆◇


〜神界〜


 ──先程まで神崎陸斗がいた空間。神の領域、通称〝神界〟。そんな空間で、一人残ったイデムが呟いた。


「・・・ま、これだけすればあとは適当にやってくれるでしょっ〜。……ん、誰?」


 イデムは自身の空間に誰かが来るのを感じとり、即座に気配を感じた方向を向いてその者に向けて誰何(すいか)する。


「イーデンミール様、私です」


 出てきたのはこれまた美しい者で、黒髪黒目で和服を着こなした、大和撫子といった風貌の女神であった。


「……あぁ、君か。あ、地球人一人送ってくれてありがとうね。たった今さっきこの世界(シュルクラウト)に送り込んだから。

 あ、送ってくれたご褒美になにか一つ願いごとを叶えてあげるよ。して欲しいことでもお願いでも、なんかあったら言って」


 女神は嬉しそうにも恥ずかしそうに、イデム、もといイーデンミールに答えた。


「はい。それでは一つお願いが」


「ん〜? なになに?」


「私の加護も先程送ったもの──神崎陸斗につけてもよろしいですか?」


「あぁ、そんなこと。別にいいんじゃない?()()()()()に居たもの、つまりは自分の子供みたいなものだろうし、気になるんでしょ。あ、でもつけるって言うなら一応リクト君に伝えておこうかな」


「はい、では失礼しまして……」


 女神は今し方送り込んだ陸斗に向けて、愛する我が子に向けるような母性溢れる笑顔をして加護を付け終えると、表情はそのままに満足気に頷いた。


「終わりました。……それと、もしよろしければ、このメッセージもあの子に送ってくださるとありがたいのですが……」


「は〜い。それくらいならいいよ〜。それじゃまた今度、何かあった時に連絡するね〜」


 女神が(うやうや)しく「では」と言って立ち去……ろうとしたが、イーデンミールが「あぁそうそう」と止めて、一言付け足す。


「ごほんっ。君に、いや、()()()アースガイアに、幸多からんことを」


 すると、その女神──アースガイアは、より一層顔に喜びを満ち溢れさせ、イーデンミールに向かって感謝を伝えた。


「はいっ! ありがとうございますっ! ()()()イーデンミール様っ!」


 アースガイアはそう伝えると、自身の神界へと戻っていった。

 最後に、自分の神界にて一人残ったイーデンミールは、既に消えさった陸斗が落ちた穴があった場所に向かい、一言告げる。


「さて、『叶うことならば、彼の第二の人生に幸あれ。曲がりくねった()()()()()のままに』ってねっ☆」



・ちょっと小話。

 神は司ったものの増減、微調整などができる。つまり、運命神の「幸あれ」や「幸多からんことを」ってのは簡単に言うと、そういう運命にしますって言う宣言みたいなもの。

 ちなみに、イデムはやろうと思えば世界を滅亡させたり救済される運命にしたり、特定の生命や無機物が最強、または最弱になる運命にしたり出来ます。

 運命とはそういうものです。


・雑談

次回更新は明日の12:00です

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