第7話
今日はこの話含めて2話投稿します!
今日は、春野と懐中電灯を買いにいく約束をしていた日である。
僕は忘れ物がないか確認して、家をでる。
僕が十分くらい前に集合場所につくと、もうそこには春野の姿があった。
春野は、彼女の雰囲気に合った、(客観的に見れば)可愛らしい服をきていた。
「悪い、待たせた。」
「大丈夫、全然待ってないよ」
なんかカップルっぽいやりとりに僕は少しドキドキした。
「それじゃ、いこっか」
そういって春野はショッピングモールへ歩いていった。
……昨日調べた記事によると、女子の服装は褒めたほうがいいらしい。
いやでも、僕がそんなことする必要ないよな、うん。
……もし僕が、春野にかわいいとか言ったらどういう反応をするんだろうか……
……急に春野を褒めて、春野があたふたしているのを見るのも悪くないな。別に本心じゃないけど、春野の服装を褒めてみるか。本心じゃないけど。
早速、僕は春野に声をかける。
「春野」
春野はゆっくりと振り返った
「なぁに?」
「……今日の服、いいと思う……」
「!!」
春野は目を丸くして驚いてる。
「あ、ありがと……」
「……」
僕は恥ずかしすぎて死にたくなる。
完全にミスった。やめときゃよかった。
僕らは気まずい雰囲気のまま、ショッピングモールへ歩いていった。
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僕らがいく予定のショッピングモールは僕の家から一番近い駅から、徒歩30分ほどのところにある。
だから僕らはこれから30分くらい歩かなければならない。
歩いている途中春野がこんなことを言ってきた。
「ねぇ、連絡先交換しようよ」
春野はそういってスマホをとりだす。
「僕はスマホを持ってないんだよ」
「そうなの?」
「僕の家はスマホは高校生からなんだ」
「そうなんだ」
僕の親は中学生にはスマホは必要ないと思っているようで、買うつもりはないらしい。
まあ、僕もスマホがそこまで欲しいわけじゃないからいいけど。
「……」
「……」
なんか今日は会話が続かないな……
僕らはそのままショッピングモールに歩いていった。
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何だろう? 何か違和感がある。
でも春野を見ていてもいつも通りな感じだ。
何だろう?この違和感の正体は……
僕らはショッピングモールにつ着き、懐中電灯と、その他あったら便利そうなものを買った。
時計はもう12時をさしていた。
お腹減ったな……
「なあ、ここで昼ご飯食べていかないか?」
僕は春野にそう提案する。
「うん、いいよ」
春野もそれに賛同したので、僕と春野はフードコードに向かった。
フードコードには休日の昼ということもあって多くの人で賑わっていた。
僕らはやっとの思いで席を確保することができた。
「春野が先に買ってきていいよ、僕はこの席守ってるから」
「あっいや、私そんなお腹すいてないから伊吹くん買ってきていいよ」
そんなことを言われたので、僕はラーメンを買いにいく。
それにしても女子ってほんとにあんま食べないんだな。
ラーメンを受け取り席にもどる。ついでに、水もとってきた。春野の分も。
「はい、春野。水くらい飲むだろ?」
「あ、うん。ありがとう伊吹くん。」
そういって春野は俺に笑顔を向けてきた。
……うん、やっぱりなにかおかしい気がする。
そんなことを思い、春野の顔をじーっと見ていると、春野は顔を赤くして
「わ、私の顔になにかついてる?」
といってきた。
「いや、なにも」
そういうと彼女は安堵したような表情を浮かべる。
……気のせいかな……
僕は何かモヤモヤしながら、ラーメンを食べた。
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ラーメンを食べ終わったので、僕は春野に聞いた。
「どうする? 何かここでやりたいことあるか?」
春野は顔をあげ、答えた。
「あ、いや特にはないかな」
「じゃ、帰るか?」
「……うん」
そういったので、僕らはショッピングモールをあとにした。
ショッピングモールに来たときは快晴だったのに、今は空が雲で覆われている。
降り出さないといいが……
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どうやら春野は随分疲れているようだ。少し辛そうに歩いている。
隣でそんな辛そうに歩かれてもあまり気分がよくないので、僕は少し休憩することを提案した。
「春野、大丈夫か? 少し休憩しよう」
「うん、ごめんね」
「全然大丈夫」
近くに公園があったので、そこで休むことにした。
上に屋根のあるベンチに座り、僕らは休憩する。
春野は随分疲れているようだ。ちょっとぐったりしていた。
少し休んで、僕は春野に声をかける。
「あと、家までどのくらいかかる?」
僕がそう尋ねると、春野はスマホを取り出した。
「あと15分くらい、ちょうど半分くらい歩いたね。」
「あと15分がんばれそうか?」
「うん、がんばる」
そういって、春野は立ち上がった。どうやら休憩は終わりのようだ。僕も立ち上がり、春野のあとを追った。
この後土砂降りになって大変なことになるのも知らずに……