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第1話

小説書くのは始めてですが、文章下手なりにがんばります!

ある日の昼休み、騒々しい教室で、僕は暇つぶしに空に浮かぶ雲を眺めていた。


 そこへ彼女がやってくる。


「ねぇ、プリント運ばないといけないから手伝ってよ。」


「なんで僕が手伝わないといけないんだよ。」


「だって暇そうじゃん。」


「少なくとも、この教室で騒いでる奴よりは暇じゃないな。」


 僕らはにらみ合う。


 僕は今日も彼女と言い争いをしていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~


 春。僕は中学2年生に進級した。


 新しいクラスが発表され、多くの人が一喜一憂してる中、僕はさっさと新しい教室に入り、自分の席についた。


 最初の授業では自己紹介をやるらしい。


 自己紹介って授業じゃないだろとは思うが勉強するよりはましなので黙っておこう。


「伊吹碧斗です。一年間、よろしくお願いします。」


 簡単に自己紹介し椅子に座る。僕は出席番号が最初の方だから緊張するんだよな。


 クラスの半分くらいの自己紹介が終わっただろうか。みんな同じようなこといってたから誰がなんて言ったか全然覚えてない。


 そんな中、一際元気な声が聞こえてきた。


「春野鈴香です!この一年間でみんなとたくさんの思い出をつくれたないいなと思っています!よろしくお願いします!」


 ゆるふわな明るい茶髪をもつ彼女はそう言って着席した。


 春野鈴香。どっかで聞いたことある名前だな……


 ……思い出した。幼なじみが中1のころすごいかわいい女子がいるって話をしていたときに出てきた名前がそんなんだった気がする。


 自己紹介が終わり、学級組織を決める。委員にならないように適当にやり過ごし、下校の時間になった。


 今日は午前で学校は終わりだ。


 帰る支度をしていると、がたいのいい男が話しかけてきた。


「お前いつみてもぼーっとしてるよな。自己紹介ちゃんと聞いてたのかよ。」


 話しかけてきた男の方を向く。


「お前同じクラスだったのか。」


「やっぱ聞いてねえじゃん。」


 そういってけらけら笑ったのは僕の幼なじみである、鏑木圭吾(かぶらぎ けいご)だ。


 こいつは昔から体格に恵まれていて、確か柔道をやっていると聞いている。相当強いらしい。


「いや~今年お前と同じクラスで良かったぜ。」 


「僕は別に違うクラスでもって構わないけどね。」 


「悲しいこと言うなよ。だってほら、今年は林間学校があるだろ?お前と行けるなんて最高じゃねぇーか。」


「気持ち悪いぞ。」


 ほんとにきもちわるい。


 圭吾はけらけら笑っている。


「それじゃ、今日車だから。」


「うん、じゃあね。」


 そういって圭吾は教室から出て行った。僕も支度を終わらせ、教室からでる。


 中学校から僕の家は、徒歩30分くらいかかる。中学校の目の前に家がある奴らがうらやましい。


ーーーーーーーーーーーーーー


 帰ったらなにやろうなんて考えながら歩いていると、公園で僕の中学校の制服を着た人が空を見上げているのをみかけた。


 ……春野鈴香だ。今日の自己紹介の元気っぷりをみて僕とは気が合わなそうだなーと思っていたため、素通りしようとした。


 しかし、春野は今にも泣きそうな表情をしていた。さすがの僕にもこれを素通りする度胸はない。

 

 なんでこんな泣きそうな顔してるんだろうと思い、春野の視線の先を追ってみた。その視線の先には木の枝にかかった春野ものと思われる学校のかばんがあった。


 ……どうしたらこんなことになるんだろう。


 あんな高いところかばんをひっかけるなんて、わざとじゃないといわれても信用できない。


 とりあえず春野に声をかけよう。


「なにしてんの?」


 彼女は相変わらず泣きそうな顔でこちらを見た。


……なるほど圭吾の言うとおり整った容姿をしている。


「あ……えっと、伊吹くん……」


 さすが自己紹介でみんなと思い出つくりたいって言ってるだけあって僕の自己紹介もちゃんと聞いていたようだ。


「なんであんなとこにかばんがあるの?」


 そう言うと春野は肩をびくっとさせ、ゆっくりと口を開いた。


「えっと……今日新しいお友達がたくさんできて、すごい気持ちが舞い上がってたの。それで、ルンルン気分でここを歩いてたら大きく振ってた腕からかばんがスポーンって……」


「ばかじゃないの?」


 本当にばかじゃないの?


「ばっ……ばかじゃないよ! テストだって順位一桁とってるし!」


「ばかじゃなかったらマヌケだね。普通そんなミスはしない。」


 僕はすごい呆れていた。こんなことがあるかと。少しイライラもしていたのかもしれない。

 思っていたことがストレートに声にでてしまった。


「なっ……そこまで言わなくていいじゃん!」


 隣で何か喚いている春野を無視して、自分の荷物をおき、木に登る。


 木に登るなんていつぶりだろう。昔よくやったな。


 無事に春野のかばんを回収。木から降りる。

そこには怒った顔の春野がいた。


「ねぇ、確かに私がドジしたのは事実だけど言い方ってものがあるんじゃないの?」


 こいつ……人がかばんとってきてやったのに……


「かばんをとってもらって感謝の一つもしない人には謝罪なんてしないよ。」


 そういって僕はさっさと公園を出る。「あ、ちょっと待って!」という制止の声が聞こえてきたけど気のせいだろう。


ーーーーーーーーーーーーーー


 今日は新年度初日ということで少し疲れた。

 しかし春野があんなドジなやつだったとは。

 そんなことを思いながら、今日は眠りについた。

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