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プロローグ(???視点)

 

 光というものを、俺は知らなかった。

 

 生きる意味が理解できず何にも興味なく、自分が何を考えているのか、なにを求めているかさえもわからなかった、ただ目の前の人間が求める自分であり続けたあのころ。流されるままに生きていたあのころ。

 おれは思う。



 あのとき彼らのもとから逃げ出してリディアに出会ったことが、俺にとっての分岐点であったのだと。

 


 リディアに出会わなければ、俺は怠惰に相手が求めるままに生きていたのだろう。

 その求めるというものが、たとえたくさんの人間を不幸にすることだとしても。

 大切な人たちを苦しめることであったとしても。









 「ってなわけで、あんたは8年後学園に通うの。そこで闇の使者7人のうちの1人になって、リディアと敵対するのよ」


 黄緑色の髪の青年が長い髪をいじりながら笑う。だがその眼はいつになく真剣なものであった。

 彼はいつもふざけた態度で楽しそうに笑うが、リディアのことになると纏う雰囲気が変わる。彼と数日間過ごし、気づいたことである。


 「おれたちは運命を変える。力を貸せ」


 今日会ったばかりの桃色の髪の少年は、無表情に淡々と言葉を述べる。

 少ない言葉数。しかしだからこそ、彼の熱が伝わる。絶対に運命を変える。リディアを救うために。そんな彼の強い意志を感じた。


 「……8年後、ですか。とても信じがたい話ですが、なぜでしょうか。信じられます」


 気が付けば朝日が昇っていた。

 彼らに仲間になってほしいと乞われたのは今日…いや、昨夜のことである。

 今の今までのずっと彼らの話を聞いていたというのに、不思議だ。長時間話していた気がしない。時間の経過が早いとさえ感じてしまう。


 「で?お前はあたしたちの仲間になってくれるの?」


 俺の出す答えをわかっているだろうに、黄緑色の髪の青年は訪ねるのだ。困った人だ。


 瞳を閉じれば脳裏に浮かぶのは太陽のように笑う少女の顔。

 リディアには幸せになってもらいたい。

 もし今聞いてきた話が真実であるのならば、俺は……

 


 「力を貸します。あなたがたの仲間になります」


 

 俺の言葉を聞き、目の前に立つ青年は満足気に笑い、桃色の髪の少年は当然だとでもいうように表情を崩さない。


 なぜ俺が彼らの仲間になったのか。

 運命を変えるために動くことになったのか。

 怠惰であった自分から抜け出すことができたのか。


 時は遡る。



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