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6.兄弟子は怒りっぽい。

すみません。驚くくらい短いです。


 

 「そういえばルーはどこ?」

 「……あ?」


 師匠から渡された地獄の課題をしているとき、ふとルーのことを思い出した。たぶん今書き写している魔導書に黒い鳥の絵があったからだ。

 きのう気絶する直前でルーの声が聞こえた気がしたのだ。

 ルーの存在を思い出せば、とたん彼が無事かどうか心配になる。


 そんな中エルがうれしそうな顔でこちらを見ていることに気が付いた。一見不機嫌そうだが、口元がぷるぷる震えてちょっと上にあがってるからね。


 なんだよ。私の慌てる顔がそんなにおもしろいのか?失礼だなこの兄弟子。


 「そいつが心配なのか」


 エルは口をぷるぷるさせながら聞いてきた。

 ほんとうになにがそんなにおかしいのやら。


 「心配っていうか、ルーってば私が大好きだから今頃心配しているだろうって思っ…」

 「べ、別に大好きじゃねーよ!」

 「あだっ」


 言いかけている途中で殴られたんですけど!?

 おそらく加減してくれたんでしょうね。痛くはない。が、いったいなんなんだこいつとは思うよ!?


 「なんで殴った!?え。しかもなに顔真っ赤にして怒ってるの?ルーの話をしただけでしょ!?」

 「お前はよくはずかしげもなく大好きとか…言っとくけどな、お…ルーはお前のこと好きじゃないからな!手のかかる人間としか思ってないからな!」


 エルは真っ赤な顔で喚く。ちょっとつばとばさないでよ。イケメンのつばでも汚いんだぞ!


 「ていうか、なんであんたにルーの気持ちがわかるのよ。言っとくけどルーは私のこと大好きだから。2人きりのときはたまにデレて頬ずりしてくるのよ。ルーが私のこと嫌いなわけがない」


 私の言葉に反応したのは、課題をしていた私たちから離れたところでなにやら薬草を刻んでいたクラウスだ。ニヤニヤと笑みを浮かべながらエルを見ている。


 「へぇ~。頬ずり。へぇ~……プッ」

 「クラウスてめぇ、殺すぞ!」


 そうして私の目の前で炎やら水やら魔法をぶっぱなしながら喧嘩をし始める師匠と兄弟子。

 やっぱり孤児院に帰りたくなったリディアちゃんなのであった。 



来週か再来週からはしっかりと書き進めることができると思います。

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