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36.私が転生したのは、綱引きの縄じゃない!


 「みんなただいま!」

 「リディア!」

 「おねえさま!」

 「リディア…って、ア、アルト!?」


 無事孤児院へと帰ってきた私とアルトを見て、みんなは喜んだり、涙を浮かべたり、驚いたり、十人十色の表情を浮かべていた。

 驚いた…という表情については、アルトがここにいるということだけではなく、現在の私の体勢についても、要因がありそうだけどね。ハハハ。


 ……白状しよう。

 恥ずかしながら、私はアルトに背負われていた。


 ええ、おんぶされているんですよ。

 この状態で、私は孤児院へと帰ってきたのだ。

 こんな私をみんなに見られてはずかしい。


 さて、なぜ私は背負われて帰ってきたのか。

 実は、アルトに助けてもらい笑いあっていた直後に、ようやく体の限界が来たのだ。

 私の足腰はとたん、生まれたての小鹿のようになり、歩くことはおろか立つことすらできなくなってしまった。


 そんなわけで私は、アルトに背負ってもらい孤児院へと帰ってきたのだ。

 ちなみに私は肩を貸して貰えればそれでいいとアルトに言ったのだ。

 が、アルトが俗に言うお姫様抱っこで私を運ぼうとしたので、おんぶで妥協したってわけ。はー。


 みんな…というか、アリス、エミリア、ジーク、アオ兄ちゃんは、ちょうど私とアリスが攫われたときの森の入り口に立っていた。

 なんでもこれから捜索しに行こうとしていたらしい。


 行き違いにならなくてよかった。

 私はほっと胸をなでおろす。

 

 「アルト、もう降ろして~」

 「体、大丈夫なの?」

 「うん。完全回復!ていうか、はずかしいから!ほんと、早くおろしてっ」


 ダブルピースでアルトに元気をアピールするが、一向におろしてくれる気配がないので暴れる。

 そんな私の努力の甲斐があり、アルトは少し残念そうに頬を膨らませながらも(なぜ残念?)、私をおろしてくれた。


 うん。しっかりと地面に立てる。足も震えていない。

 よし!とうなずき、みんなの元へ行こうとした、そのときだった。


 「リディアっ。無事で、よかった」

 「アリス!」

 

 ドンっと音がでそうな勢いでアリスが私に抱き付いてきた。

 あまりの勢いで転びそうになるが、そこは回復した私の足腰が堪えてくれた。

 耳元で聞こえる声は震えている。

 アリス……。

 私は震える彼女の背中をやさしくなでた。

 

 「…ごめん、帰ってくるのが遅れちゃって。心配かけたよね」

 「バカ、謝らないで。無事でいてくれただけで、十分……です」


 みんながいる前では敬語で通すらしい。

 私は苦笑する。

 そりゃそうだよね。彼女は私と同じ転生者であると同時に、この世界のアリス・グラヴィスでもあるのだ。この世界のアリスは、私にため口は使わない。

 

 「お、おねえさまっ。アリス君といつの間に仲良くなったのですか!?」

 

 悲鳴のような声の先を見てみれば、エミリアが真っ青な泣きそうな顔をして私を見ていた。いつも通りのエミリアだ。

 顔が自然とほころんだ。

 エミリアのとなりに立つジークは、惚れた少女の台詞にあきれながらも、無事な私を見てほっとした顔をしていた。

 2人にも心配かけたなぁ。

 

 「おいで、2人とも!ぎゅってしてあげる!」

 

 空気をよんだアリスが私から離れた瞬間、エミリアが私の胸へと飛び込む。

 遅れて、照れながらもエミリアを覆うように私に抱き付いたのはジークだ。


 「おねえさまっ。ご無事でなによりです。私、とても心配しましたっ」

 「その…、お前が無事でよかった……」

 「ほんとうによかった。2人にまた会えて、うれしいっ」

 

 私たちは友情を確かめ合った。

 その一方で、


 「僕がいなければリディアは危なかった。注意が足りてないんじゃない」

 「反論もできないね」

 

 アルトがアオ兄ちゃんの足を蹴っていた。

 私は頭を抱える。

 

 「もー、アルト。なにやってるの。注意もなにも、私とアリスが攫われたときアオ兄ちゃんは近くにいなかったんだから仕方がないじゃない」

 「仕方なくなんかない。彼がリディアを終始見張っていればよかったんだ」

 「いや、ストーカーが増えるとか嫌なんですけどっ」

 「ていうか、なんでアルトがここにいんだよ!?」

 

 まあそんな感じでわちゃわちゃと会話をしていた私たちだったのだが、冷たい風が吹いたことでその会話は一度止まり、みんなでぶるりと体を震わせる。

 季節は秋だ。秋の夜の風は冷たい。


 「寒いね。みんな、さっさと孤児院の中に入ろ?」

 

 そもそもなんでずっと外でくっちゃべってたんだろうか。

 そんなことを思いながら提案したところで、エミリア、ジーク、アオ兄ちゃん、アリスが、サッと私から目をそらした。

 え。嫌な予感しかしない。

 

 「あの…どうしたの急に?」

 「……。」

 

 はい、シーン。

 みんな黙ったままなにも言わない。

 ちょっと腹立つんですけど。頬を引きつらせていると、アルトが私の隣に立ちほくそ笑んだ。

 おそらく、彼はなにか企んでいる。なので、おとなしくアルトにバトンを渡す。

 

 「君たち、リディアを困らせないでくれない?」

 

 こういうときのアルトほど心強い物はない。

 私からバトンを受け取ったアルトは、早速にこやかに言う。

 もちろんみんなはだんまりだ。

 そんなのは予想の範疇内とでもいうように、アルトは自身のズボンのポケットから裁縫セットを取り出した。

 なぜ?

 

 「……いいよ。黙るならそれでいい。そのかわり今後一生その口、開かないでね?」

 

 え。もしかしてその裁縫セットで口を縫い付けるつもり!?

 ぎょっとした直後、


 「ま、待て!わわわ、わかった。言えばいいんだろ!バカアルト!」

 「ジーク様!」

 

 青ざめながらジークが叫んだ。

 その横ではエミリアが目を吊り上げてジークをにらんでいる。ジーク…。


 …アルトの恐怖に負けるのも仕方はない。だってジークはアルトにトラウマを植え付けられまくったから。

 エミリアの前でいい恰好もできず、かなりかわいそうだけど、ごめん。


 そして私とアルトは、恐ろしいことを伝えられた。

 

 「リ、リカが、私とアリスを探しに、孤児院を飛び出していったぁ!?」

 「ええ」


 私の脳裏に浮かぶのは、私とアリスを探しに森へ走って行く無表情の女装男子。

 オウノー。

 そして、この場にリカがいないということは…


 「お察しの通り、今も彼はもどってきてない」

 「リカってば方向音痴なのに…」


 はぁ~と私はその場に座り込む。

 

 「幸運なのは、ミイラ取りがミイラにならなかったことかな。アルトとルーが敵をやっつけてくれたんでしょ?」

 「あれ?アオ兄ちゃん、私そのこと話したっけ?」

 

 私はまだアオ兄ちゃんというよりも誰にも、なにがあって人攫いから逃れられたかという話をしていない。つまりアルトとルーがマフィアの連中を倒してくれたことは話していないのだ。なぜに、知っている?


 怪訝に首を傾げれば、アオ兄ちゃんは笑顔でどこからともなく木の枝を取り出した。

 なんの変哲もない木の枝だけれど、私には見覚えがあった。

 

 「それ、茶色頭だった木の枝だよね!」

 「そう。ルーが届けてくれたんだ。ま、この魔法の気配がする木の枝と、君たちが無事な様子を見れば、説明をされなくてもなにがあったかはだいたい予想できるよね」

 「も~っ。ルーってば優秀なんだから。さすが私の自慢の友達」

 

 あのとき一目散に飛んでいったのは、このことをアオ兄ちゃんに知らせるためだったのだ。

 ルーの友情を噛みしめ、私はうなずく。

 こんなことされたら、私も頑張るしかないじゃない。


 とたん、アオ兄ちゃんが顔色を変えた気がした。

 みんなが「嫌な予感がする」とぼやいた気もした。

 が、うん。きっと気のせいだ!


 「リディア。言われなくてもわかると思うけど、リカを探しに行ったらダメだからね。絶対めんどうごとが増え……」

 「アルト、リカを探しに行くわよ!」

 「いいよ、リディアと2人きりになれるなら喜んで。ところで、リカって誰?男?女?」

 「説明は走りながら!」


 私はアルトの手を引っ張りながら、帰ってきた道を走って戻っていた。


 一方で、流れるように夜の闇の中へと消えていった私たちを止め損ねたアオ兄ちゃんは、項垂れていた。


 「アオ兄ちゃんさん、2人とも行ってしまわれました」

 「こうなることは予想ついただろ。止めろよ」

 「……は~。うっかりしてた。予想はついてたよ。けど、リディアがバカを言えば、アルトが止めると思ってたから」


 エミリアとジークの冷たい視線を受け止めながら、アオ兄ちゃんはため息をつく。


 「でもアルトはリディアと2人きりの時間を選んだってわけかぁ…仕方ない。エミリアとジークは、ここで待機ね」

 「は?なんでだよ」

 「私たちもおねえさまを探しに…」

 「俺たちが探しに行っている間に、リカが戻ってくるかもしれない。神父様はリディア達を心配する子供達を宥めていて手が離せない。君たちしかいないんだ。頼めるね?2人とも」

 「…わかりましたわ」


 2人の了承を得て、アオ兄ちゃんはほほえむ。

 …口元をピクピクと痙攣させ、頬に青筋をつくりながら、だが。


 「安心して。なんでかわからないけど3人に増えてしまった迷子を、ちゃんと保護するから。アリス、君は俺についてきてくれるかな。君ならリカの行きそうな場所、だいたいはわかるよね」

 「場所がわかるというよりも推測に近いですが、他の方より私の方が役に立ちます」

 「よし。俺はリディアの行きそうな場所ならわかる。しらみつぶしに予想できる場所を探して行こう」

 「はい」


 そうしてアオ兄ちゃんとアリスもまた、リカと私たちを探しに森の中へと入って行ったのだそうだ。



///////☆


 リカを探すべく、森の中を歩いていた時だった。


 「ねぇ、そういえばルーってどこ?僕、彼にも用があるんだけど」


 目の笑ってない笑顔でアルトが言った。


 「え?ルー?」


 なぜアルトがルーに会いたいのだろう。不思議に思う。

 そういえば今朝のソラからの手紙では、ルーとアオ兄ちゃんから距離をとれって書いてあった。それとなにか関係があるのか?

 まあ、どうせたいしたことじゃないんだろうから、気にしないでおこう。

 とりあえず私は持ち前の楽観思考で、特に何も考えずアルトの問いに応える。

 

 「ルーならもう会ったじゃない」

 「え?」

 「アルトと一緒に私を助けてくれた黒いヒヨコがルーだよ」


 私を助けたっきり姿を消して。ほんとうに照れ屋なんだから。

 でへでへ笑っていると、なぜだろう。アルトは何やら深く考え込むように頭を押さえていた。


 「……え。なに、待って。ルーって、鳥だったの?」

 「そうよ。何だと思ってたの?」

 「…お願いだから。誤解するような手紙を書かないで」

 「はあ?」


 アルトの意味不明な発言に顔をゆがめた。

 そんなときだった。


 ガサガサと茂みが揺れた。

 な、なんだ!?


 アルトが私を守るように前に立つ。

 それと同時に、茂みから現れたのは……


 「…リディア?」

 「リカ!」


 リカだった。

 彼は驚いたように私とアルトを見て、目を瞬かせる。

 だがそれはほんの一瞬のこと。


 リカの表情はすぐに険しいものへと変わり、手を伸ばし私を抱き寄せた。それはまるでアルトから私を守るかのように。

 彼は敵意をむき出しにして、アルトをにらんだ。


 アルトも私も茫然。


 アルトは初対面の人間に突然にらまわれたわけだから当然なんだけど、私はというと、こんなリカはじめて見たから、驚いて反応できなかった。

 まあ私はリカの無表情と笑った顔しか見たことがないから、初めて見たもなにもないんだけど。


 そんな張り詰めた空気の中、

 私より先に膠着が解けたのはアルトだった。


 不機嫌そうに顔をゆがめ、私に向かって手を伸ばす。

 手を伸ばした結果どうなったか。

 まあ皆さんの予想の通りだ。

 彼は私をリカから奪い返そうと、私の腕をつかみ、自分の方へと引き寄せる。


 私は心の中でうなずく。

 そうだよね。そうすると思ったよ。アルトは一度自分の内側に入れた人には、とことん執着するからね。友人として学びましたから。


 でもリカはリカでアルトを警戒しているのか、私を離さない。

 つまりどういうことか。


 現在、彼らは私を引っ張り合っていた。

 私はヒロインに転生したのではなく、綱引きの縄に転生したらしい。ハハハ。笑えねー。


 さて現実逃避をしようと笑ってみたが、引っ張られた痛みですぐに現実に戻される。この野郎!

 2人は相も変わらず、楽しそうに私を引っ張り合っている。

 が、引っ張られる側としてはたまったもんじゃないよ!

 大岡裁きのときの子供の気持ちがすごくわかる。いだだだ。

 なんでこんなことになったの!?


 「ちょ、リカ。落ち着いて。アルトは友達だから。人攫いから私を助けてくれたのはアルトなの。悪い奴じゃないから、手を離してっ」

 「……そうなのか?」

 

 驚いたのか急にリカが手を離した。

 そんなことをされたもんだから、私は勢い余ってアルトの方へ吹っ飛ぶ。

 引っ張られていた勢いも相まって、ものすごい勢いでぶつかってしまった。が、さすが男の子。

 アルトはきちんと、勢い余りすぎた私を支えてくれた。

 

 「なに、こいつ?」


 でもって耳元では不機嫌極まりない声が聞こえまして、ええ。

 なんか面倒くさいことになってきたなぁ。

 でも出会ったばかりなのに敵愾心を燃やされて、不快な気持ちにならないほうがおかしいよね。

 

 「リカだよ!私の友達。ほら、さっきの私を探しに行った子。だから私たちが探していた子が、この子なの!」

 

 私を探しに行ってくれたとてもやさしい子だから、悪い子じゃないの。機嫌なおして~。さっきアルトをにらんだのも私を守ろうとしたんだよ、きっと。

 そんな気持ちを込めてアルトに笑いかける。

 が、


 「ああ。あのお騒がせ方向音痴の…ふーん。ていうか、君また友達つくったの?僕だけのリディアなのに」


 アルトの機嫌は治らない。

 せっかくリカが見つかってめでたしなのに。


 まあ最初にアルトを敵意むき出し状態でにらんだリカも悪いけど、それ以前に…というか、アオ兄ちゃんとかジークとかエミリアとか、アルトって大抵の人にケンカ売るよね。

 私とアリスを心配して探しに行ったのに、お騒がせ方向音痴とか言ったら、いくらリカでも怒るでしょ。

 

 「それに私、アルトの所有物じゃ…」

 「リディアは、お前の物じゃないだろ」

 「およ?」

 「は?」


 驚いたことに私の気持ちを代弁したのはリカだった。


 さきほどまでの剣幕や驚いた顔はどこへやら、彼はいつもの無表情に戻っていた。

 が、牡丹色の瞳だけは変わらず、鋭くアルトを突き刺している。


 チリッと、2人の間で紫電が走ったような気がした。うん。なぜ?


 「は?僕の物だけど?」

 「うん。ちがうよね?」

 「仮にお前の物だとして、それは過去のことだ。今はおれの物だ」

 「うん。そこ、なに言ってるのかなぁ?」

 

 攫われたり逃げてたときよりも不穏な雰囲気なんですけどー?

 アルトはすごい力で私を抱き寄せてくるし。痛いし、指がくいこんでるから。

 リカはリカで、なにいらついてんのよ。無表情崩れてるぞ!


 間に挟まれる私はゲッソリだっ。


 「……え。見つけたはいいけど、なんですかこの状況」

 「うわー。こんな殺伐とした空気、戦場以外にもあるんだ」

 『ルー』

 

 そんな困った状況を打開するかのように現れたのは、私たちと同じくリカを探しにきたらしいアリスとアオ兄ちゃんとルーだ。

 さ、3人ともぉ~。まさに地獄に仏!


 「…ルー、案内してくれたことには感謝するけど、とんだ修羅場につれてきてくれたねぇ」

 『ルー!ルールー!』

 「アオ兄ちゃん様、はやくリディアを回収してください」

 「えー、俺がー?」


 アリスはげっそりと疲れた様子で、アオ兄ちゃんはため息交じりに、ルーは怒っているけれど、どうでもいい!

 

 「ヘルプ!大至急ヘルプ!」

 「はいはい」

 

 2人と一匹に向かって全力で手を振る。

 すると、ようやくアオ兄ちゃんが助けに来てくれた。

 

 アオ兄ちゃんは火花を散らすアルトとリカから私を遠ざけようと、私に向かって手を伸ばして…

 くれたのだが、


 その手が私に届く前に、アオ兄ちゃんのゴツゴツとした男らしい手は、へにゃりとその場に落とされた。

 なぜって?

 アオ兄ちゃんの手をリカとアルトが叩き落としたからだ。


 つまり、救出作戦は失敗に終わる。

 ノーっ!?

 

 「よるな、ロリコン」

 「すっかり忘れてたけど。僕、あなたも殺し…言いたいことがあって来たんだよね。なに?リディアと一緒に遭難したってどういうこと?しかも大人の色気を放ったって…」

 「は?リディアと遭難した…?」

 「え。なに、君知らなかったの?フッ」

 「…おい、アオどういうことだ」

 「僕も、あなたから詳しく話を聞きたいなぁ」


 しかも余計に雰囲気が悪くなってるし!?

 アオ兄ちゃんもなにか言えばいいものの、何も言わず、ほほえむだけ。


 口を開いたかと思えば、子細らしい顔で「それはリディアに聞いて」と言う。なにか言えとは思ったけど、事態を悪化させるようなことを言えとは思ってない!

 しまいには私にウインクしてくるし。


 余計に不穏な空気になってくる。


 ていうか、アオ兄ちゃん、ほんとやめて!?絶対私を巻き込んで、内心爆笑してるよねアオ兄ちゃん。

 彼は口パクで「迷子を3人に増やした罰」とか言っているが、意味が分からない。

 アリスも同情するような目で私を見ないで、助けて!?


 困り果てた私はルーを見る。

 が、彼は彼で、疲れ切った顔で帰路に立つところだった。ちょ、カムバック、ルー!



 「まあとりあえず、リカは見つかったわけだし、孤児院に戻るよ。みんな、心配しているからね」

 

 ようやくアオ兄ちゃんが正論を言ったところで、この緊迫した状態は終わりを迎えた。


 否、なぜか帰り道は、アルトとリカが火花を散らす間に挟まれてしまったので、私個人的には緊迫した状況は終わらなかったが。

 まあこれにて、イベントは一件落着で終了したのであった。




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