7.アオ兄ちゃんは変わらない
残り1話で次章にいけるとか書いてたのに、残り3話になっちゃいました!すみません~!
誤字報告と評価ありがとうございます!すごくありがたいですし、うれしいです!
大きな手に頭を撫でられている。
懐かしいその手は労りに満ちていて、やわらかく髪を梳かれるたびに口元がにまにまとだらしなく緩む。
もっと頭を撫でて欲しくて大きな手に頭を押しつければ、その人は笑ったのだろうか。頭を撫でる手が小刻みに揺れたのを感じた。
穏やかで幸せな時間。
あと少しだけ。もうちょっとだけ。このゆりかごのようなまどろみの中にいたい。
そう願う。けれど、
「この日をずっと待っていた。それなのにあまりうれしくないのはきっと君のせいなんだろうね」
微かに聞こえた声は憂いを帯びたひどく苦しげなもので、私は……
「…ん」
瞼を開けたとき、まず一番に目に入ったのは自分の手だった。
何かを掴もうとしていたのか私の右手は天井に向かって伸ばされていた。
うん、声高々に言おう。腕がだるい!
いだだと涙目になりながら右腕をおろす。
なぜこんなことにと思うけれど原因は自分でもわかっている。
こう見えて私は寝相が悪い。
夢の中で走っていたら現実でも足を動かしていた、なんてことは数知れず。だから今回も夢での出来事が現実に反映したのだろう。何の夢を見ていたのかはさっぱり思い出せないけどね。
それはともかく、だ。
私は痺れる右腕をさすりながら辺りを見まわす。
ベージュ色の天井に明かりの消えた蛍光灯。カーテンで仕切られた空間は消毒液の香りがして、胸元には清潔そうなタオルケットがかけられていた。
十中八九保健室である。
「なぜに?」
寝ぼけているのか、どうして自分が保健室にいるのかわからない。記憶がふわふわしている。
すっごく腹が立っていた気はするのだが…うーん、苛々してきたからこれについては後で考えよう。
気持ちを切り替えて私は上体を起こす。そしたらぎしりとベッドが音を立てて軋んだ。
…やめてよ、音ならないでよ。私が重たいみたいじゃん。
軽くベッドを睨みつけたときだ。
シャーと軽やかな音を立ててカーテンが開いた。
「ま、眩しい」
カーテンの隙間から差し込んできた光に思わず目を瞑れば、くすくすという笑い声と共にカーテンが閉る。
「おはよう、リディア。調子はどう?」
「っ!」
聞こえてきたのは懐かしい声。
やわらかい口調にどこか色気を感じるこの声は…
「アオ兄ちゃんだー!」
「うん、元気そうだね」
そこには穏やかな笑みを浮かべるアオ兄ちゃんがいた。
念願のアオ兄ちゃんである!アオ兄ちゃんだと思ったらガブちゃんで腕をひねられたことは記憶に新しい。いや、ガブちゃんとの再会もすっごくうれしかったよ。拗ねないでね、ガブちゃん?
「とにかくまたアオ兄ちゃんに会えてうれしいよ、えぇー!?白衣着てる!?」
「リディアは相変わらず騒がしいな~」
くすくすと笑うアオ兄ちゃんの服装は、黒いタートルネックときれいめシルエットのスラックス。そして真っ白な白衣だった!
なんということだ。
「甘いマスクで入院患者を根こそぎ虜にする罪な名医、もしくは月10でシャンパンタワーを積ませるコスプレホスト。男の敵と女の敵。アオ兄ちゃんが全人類の敵になっていた…」
「よくわからないけど、失礼なことを言われてるのはわかったよ」
リディアが変なのは今に始まったことじゃないから仕方ないねとアオ兄ちゃんが諦めの目で私を見てくるが、ここはあえてスルーしよう。
あんぐり口を開けて全力で驚きを表現する私に対しアオ兄ちゃんは苦笑した。
「白衣着てるのがそんなにおかしい?でも俺はこの学園に務める養護教諭だからねぇ」
「なーんだってぇ!?」
「え~?驚きすぎじゃない?俺は教師になるために孤児院で研修してたんだよ?」
まあリディアは当時6歳だったし知らなくて当然か。眉を下げるアオ兄ちゃんは慣れた手つきで私の手を取り脈を測り始めた。
だけどね、アオ兄ちゃん。あなたは勘違いをしているよ。
私が驚いたのは彼が教師になっていたからではない。「いつ君」では歴史の先生だったアオ兄ちゃんが養護教諭になっていたから驚いたのだ。
うーん。この世界やはりよくわからない。
「いつ君」と似て非なる世界であることは確かだが、所々差異が見られるだけで本筋は何一つ変わらない。空に浮かんでいるけど「学園」は存在しているし、悪役要素とフラグは折ったけど「主要キャラ」も揃っている。担当教科?が違うけど「当て馬」もいる。
この分だと相違点がありつつも「闇の使者」が登場しそうで、はい。超嫌だね!?
「うん、異常は見られないね。健康そのものだよ」
気がつけばアオ兄ちゃんが一通りの診察を終えて私の頭を撫でていた。
「よく我慢したね~。えらいね~」
「……。」
ものすごく子供扱いされている。
ていうか私大人しく待ってただけだし。これくらい待てて当然だし。
それともなにか?この男は暗に私はいつもは騒がしく暴れて困っていると言ってるのか?
「その喧嘩買ったぁー!」
「はいはい、よしよ~し」
「馬鹿の一つ覚えみたいに頭を撫でたって、私はっ…負け……もっと撫でて~」
私は秒でアオ兄ちゃんの頭なでなでに陥落した。う、うわーん。
ゴロゴロと喉を鳴らす私は悔しいが牙を折られた家猫も同然。
だってアオ兄ちゃんは昔から撫でテクが素晴らしいんだもん。私じゃ勝てない、くそぉ。
「ほんとリディアは変わらないな~」
心の中で泣いていればアオ兄ちゃんが目に涙を浮かべて笑っていた。
失礼な男だな。それ絶対悪い意味で言ってるでしょ。
「まあいいよ、私は大人だから許してあげる。なぜなら私は今も昔も変わらず精神年齢の高い大人なおねえさんだから」
大人を強く強調して言えば、アオ兄ちゃんは目を細めてにんまりと笑った。
「俺はいつまでも童心を忘れないリディアが好きだよ」
「ぬぅわ!この男、やっぱり悪い意味で変わらないって言ってやがったな!」
「悪い意味だなんてひどいなぁ。アオ兄ちゃん傷ついたな~」
「態度が白々しいのよー!」
「リディアの被害妄想が激しいだけじゃない?」
「その喧嘩、今度こそ買ったァ!」
おりゃ~!と私はアオ兄ちゃんに飛びかかるが、彼はそんな私の頭を片手で押さえて腕時計を見る。
隠れマッチョめ、筋肉外せー!
「時間が微妙だなぁ。もうすぐ入学式が終わるけど会場に行く?それとも教室に戻る?」
「ん?戻る?」
「あれ、言ってなかった?リディアはもう元気だから戻っていいんだよ?」
なんと驚き。アオ兄ちゃんが腕時計を見たのは私のためだった。筋肉外せとか言ってごめんね。
教師の顔で私に判断を委ねるアオ兄ちゃんを前にして、私がいつまでもお遊び気分でいるわけにはいかない。真面目にベッドの上で正座しましょう。
「なら保健室でアオ兄ちゃんとおしゃべりする。一人じゃ寂しいでしょ?」
私は気が利きすぎる女、リディア。さみしがり屋のアオ兄ちゃんを想ってナイスアイディアを提案した。
…言っとくけど入学式に乱入するのは恥ずかしいな、でも教室で一人で待ってるのも退屈だなぁとか思ったわけじゃないからね。決して!
そんなわけで即答すればアオ兄ちゃんは驚いたように目を瞬いて、でもすぐに吹き出し笑った。はあ?
「アオ兄ちゃんは別に一人でも寂しくないけどなぁ~」
「…じゃあ教室に戻る」
「あはは、嘘だよ。待ってリディア。俺寂しかったんだ~、だからお話しよう」
ジト目で睨む私を横目にアオ兄ちゃんはベッドの足側に腰掛けた。
ふーんっだ。それならさっさと座りなさいよねと私は頬を膨らませる。が、そんな私の体はがくりと横に傾いた。
なぜかというとアオ兄ちゃんの重みでベッドが沈み、傾斜面ができたから。
まさかと思ったときにはもう私は斜面を滑り降り、大きな背中に顔面を打ち付けていた。…痛い。
「アオ兄ちゃんはやっぱりSだぁ!」
「え~?今回はそれ関係ないよね。リディアの体幹がなさすぎるんだよ」
「私は体幹ありますぅ。正座してたから不可抗力だったんですぅ」
残念でした~。ハンッと鼻で笑えば、アオ兄ちゃんに笑顔で鼻を撫でられた。
「ひたたっ!?」
「あはは」
い、今の私のお鼻はほんのり赤く腫れた怪我鼻である。それをこのドSは指ですりすり撫でたのだっ。私は半泣きだ!
対するドS教師は目を細めてにやにや笑いとても楽しそう。
「このドS悪魔がーっ!」
「えい」
「ぎゃーんっ」
反撃しようにもアオ兄ちゃんが私の鼻を撫で続けるから私は防戦しかできない。ていうかすでに守れてない。攻撃しかされてない。
それでも養護教諭か!養護教諭が率先して生徒を痛めつけるな!全世界の養護教諭に謝れ!
「だがしかし!やられっぱなしの言葉は私の辞書にはない!」
私は立ち上がりアオ兄ちゃんに掴みかかった…つもりだったのだが、
ズルッ
「あれ?」
「は!?」
正座していた私の足は短時間にもかかわらず痺れていたようで、私はベッドの上ですってんころりん足を滑らせ背中から転んだ。
そしてここで唐突に悲報。
なんと私の背後にあるのはやわらかなベッドではなく、硬い床に変わっていたのだ!転んだときに体の向きが変わったんだね、最悪だ!
床に頭を打ち付け血まみれバッドエンドが秒読みである。こんな死因は嫌だのベスト5に入るくらいまぬけな死に方だ。スイカ割りならぬ頭割り。なんだそれ!なに言ってるんだ私!?
「とか考えてるうちに床が目の前にぃ!?こんなところで死ぬの嫌なんですけど~!?」
ぎゃーんと泣き叫んだ。直後、ぎしりとベッドが軋む音がした。
…と思ったときにはもう、私の体は力強い腕に抱き留められていた。
「へ?」
目の前は白一色。
「っはぁ~。ほんとうにリディアは目が離せないなぁ」
一瞬天国の白かと思ったが、それがアオ兄ちゃんの白衣だと気づいた瞬間、私は大きな背中に腕を回してがっつりその人にしがみついていた。
「ア、アオ兄ちゃん~!ありがとうぅぅぅ」
「ちょ、リディア押しつけ…」
絶対に離さない。離してなるものか。だって離したらバッドエンドだからとアオ兄ちゃんに抱きつく力を強めれば、アオ兄ちゃんの体が大げさなまでに仰け反った。
え?と思ったときには立ち位置が逆転していた。
仰け反った反動で今度はアオ兄ちゃんがひっくり返り、ベッドの上で仰向けになったアオ兄ちゃんの上に私は乗っていた。
壁ドンならぬベッドドンのゼロ距離バージョンだ。なんだこの日本語、すごく馬鹿っぽいな。
「あはは!楽しい~」
「っちょ、リディア。あんまり暴れないで…」
なんだかそれがおかしくてアオ兄ちゃんの上でバタバタ足を揺らせば、弱り切った声が聞こえてくるではないか。
目線を前にやればアオ兄ちゃんが眉を下げて私を見ていた。
目尻がほんのり赤くて紺色の瞳は少し潤んでいる。すごくエロいけど、こんなに困り切ったアオ兄ちゃんの顔は初めて見るので、フェロモンよりも好奇心が勝った!
「お~やおやおや?アオ兄ちゃん、どうしたのその顔?照れてるのぉ?」
アオ兄ちゃんの上をのそのそと移動しさっきのお返しに鼻を突けば、アオ兄ちゃんの眉間に皺が寄る。
だけど顔は赤いし、目が涙目なので全然怖くない。アオ兄ちゃんが私をいじめて楽しむ気持ちが少しわかってしまった。だって困ってるアオ兄ちゃんはすごくかわいい!
「えいえ~い」
「やめろ」
頬をつつけばやんわりと手を払い落とされた。
やめろだって~。孤児院時代なら「やめて」って言っただろうに「やめろ」って言ったよ。これって素が出てるんじゃないのぉ?
すごく楽しくてまたアオ兄ちゃんの上でバタバタ足を揺らせば、思いっきり頬を抓られた。
「いだだだだ」
「暴れるなって言ったのに。しかもさっきより体を押しつけて…」
はぁとため息をつき、アオ兄ちゃんは苛立たしげに自分の顔を腕で隠した。
う、うーん。もしかして調子に乗りすぎた?
昔みたいに遊べた気がして私は楽しかったけどアオ兄ちゃんはそうでもなかったのかもしれない。こういうのはお互いが楽しい気持ちじゃないとダメだ。反省します。
「アオ兄ちゃ~ん。機嫌直して~」
「……。」
私は猫なで声でアオ兄ちゃんに話しかける。が、無視である。
これはだいぶ怒だな。
そうと決まれば私がやるべきことは一つのみ。
自分の顔を覆っていたアオ兄ちゃんの腕を引き剥がし、瞠目するその人に向けて私は
頭突きをした。
「ぐっ」
「いっ」
星が散ったのは言わずもがな。
私もアオ兄ちゃんも額を押さえて悶絶する。
「痛ぁ。…リディア、そこは謝るところじゃないの?」
「いや、私も最初はそう思ったんだけど。事の発端はアオ兄ちゃんが私をいじめてきたことだって思い出して」
私だけ謝るとか癪じゃんって思ったんだよね。
アオ兄ちゃんの顔は引き攣っていたが私の意見も一理あると思ったのか反論はしなかった。
「とはいえ、頭突きはどうかと思うけどね…」
「え~?でもこれで2人とも平等に痛い思いをしたからさ。喧嘩両成敗で仲直りになるじゃない?」
にやりと笑いかければアオ兄ちゃんは数回目を瞬いたのち、堪えきれないとばかりに吹き出した。
「あははっ、なにそれ。リディアは変わらないなぁ」
「昔から精神年齢高かったからね~」
「また言ってるよ」
「なんだとぉ~!」
大げさに肩を竦めるアオ兄ちゃんにじゃれついて抱きつく。
するとピシリとアオ兄ちゃんの体が固まった。
「……え。俺たち仲直りしたよね?」
え。したよ?
なぜそのような困惑した目で見られなければならないのか意味がわからない。
「え~っと、鼻とか頬を突いてごめんね?」
「………はぁ」
なにに対して反省しているのか伝えた方がよかったのかなと思ってもう一度謝ったのだが、返ってきたのは重たいため息だった。なぜに?
「………それ、他の男にしたらダメだよ」
「どういうこと?」
「リディアはほんと鈍感馬鹿だよね~。人を煽る天才だよね~」
「え、今さらっと暴言吐かれた!?」
「はぁ~ぁ。リディアはさ、前会ったときよりも、なんていうか…成長したから気をつけなきゃダメだよ」
「お、重たいって言いたいわけ!?」
華麗に鈍感馬鹿発言をスルーされたことも気になるが、今はそれよりも成長したよねのお言葉である。
ガーン、ガーン、ガーン…と私の頭の中では山彦よろしく悲しみの音が反響している。
脳裏に浮かぶのは私を豚だなんだと罵る馬鹿兄弟子の顔。
ま、まさかアオ兄ちゃんにまで豚と言われる日が来ようとは…ショックすぎて私は涙目だ。
く、くそ~!違う、私は豚じゃない!胸が大きいから細く見えないだけだ!
「こうなったら開き直ってブーブー言ってやるんだから!ブヒーッ!」
私はお兄ちゃんの上でジタバタと暴れてやった。
「あははっ、違うよ」
そしたら目に涙を浮かべて笑われた。
はあ?
いや、笑ってる時点で説得力ゼロなんですけど。
私の顔は引き攣りまくる。が、
「そうじゃない」
「ひょ…」
その顔を見た瞬間、私の体は固まった。
そんな私に気づいているのかいないのか彼は表情を変えることなく私に手を伸ばし、親指の腹で私の頬を優しく撫であげる。
「女の子らしくなったねって意味だよ」
緩やかな弧を描くその瞳はひたすらに甘く、だけどどこか嗜虐の色を感じるそれは私の足腰を容易に砕いた。
こ、このフェロモン魔神が~!
「さあもうそろそろ遊びはやめにしよう。入学式も終わった頃だろうし。降りてくれる?」
余裕の笑みを浮かべてアオ兄ちゃんは私の肩を叩く。が、悔しいことに私は首を横に振ることしか出来ない。
「あ、足腰が砕けて動けないのよ、この野郎!」
「え~。こんなことで動けなくなっちゃうの?」
弱すぎじゃない?とアオ兄ちゃんが笑うが、私は声高々に主張しよう。
あんたの、色気が、半端、な・さ・す・ぎ・る・の・よ!
「っきぃ~!悔しい~!」
先程までアオ兄ちゃんが私に押されていたというのにあっという間に立場が逆転してしまった。
くすくす笑うアオ兄ちゃんは私を体の上にのせたまま起き上がると私の耳元に顔を近づけた。
「それじゃあ~、これはどう?」
「ぎょあっ!?」
耳の軟骨をなにかがかすめた。
一瞬だったが、それはしっとりとやわらかくて…
「ま、ままままままさか!」
アオ兄ちゃんの体から瞬時に飛び退き、高速で後ずさり、壁に背中をくっつける。
親指の腹で唇を撫でるアオ兄ちゃんは蠱惑的な笑みを浮かべ、
「そう!犯人はこれ~」
指を鳴らしてぽんっと登場した大福を私に差し出した。
は?
流れで受け取ってしまった大福はしっとりとやわらかかった。
え?
「あれ?もしかしてリディア、なにか勘違いしちゃった?」
にこにこと楽しそうに細められる瞳は完璧に嗜虐の色に染まっていて、揶揄われたことを自覚した私の顔はカァ~っと熱くなる。
「うわーん!このドSめ~!」
逃げるように保健室を飛び出した私を見てアオ兄ちゃんが楽しそうに笑った。
「本当にリディアはおもしろいなぁ。……なにがあってもそのままでいてね。なーんて願うのは、俺のエゴか」
ぽつりと保健室の中で呟かれた声は私には聞こえなかったし、彼がどんな顔でこの言葉を紡いだかなんて私にはわからなかった。
「欺瞞に満ちたこの学園で、君みたいな光の中を生きる女の子が、いつまでも笑っていられるはずがないのにね」
リディアとベッドでイチャイチャを誰かに見られた場合、アオ兄ちゃんはクビが飛びますし、アルトに見られたら首が飛びます。
ですがアオ兄ちゃんは魔法で記憶を操作できるので、余裕な気持ちでリディアと遊んでいました。別の意味では全く余裕がありませんでしたけど。アオ兄ちゃんの理性にリディアは感謝するべきですね。




