始まり
ーーーちょうど百年前。
空から星が落ちてきた。
そして、殆どの命が消えた。
だが変化が訪れる。一部の死体に星から放たれた粒子が合わさり、また活動を再開したのだ。
そのとき、僅かながらそれと同時に産まれた生命が存在した。 その生命を始祖と呼んだ。
それらは様々な方法で数を増やして行った。 魔族は人を闇に堕とし、竜族は強力な粒子の塊を核に、新しく生み出す。
魔物という粒子の核で出来た化け物も現れるようになり、粒子は魔力と呼ばれるようになった。
…一般に伝えられているのはそこまで。
だが、真実は途切れない。遺跡に残された壁画の内容を読み解いた。
人々が死んだ後、負の感情が大地を覆い、死んでいった人間の死体が動き出した。
少なく見積もっても、十数億。 さらに必然的に回りには知っている顔が幾つもある。
運よく生き残った者たちの中には、絶望し命を捧げる者もいた。
だが、数人の始祖はその地獄を駆け抜け、大地を割り、海を裂き、空を穿つ。
その異常な力によりやはり死人は出たものの、その地獄から這い出ることができたのである。
人々は神のように崇めた。 そこから数年はおおきな争いごともなく、人々は前ほど豊かではないものの、笑顔で暮らすことができるようになった。
そして、神々の終末が訪れた。
ーーーわたしが知り得たのはここまでである。
だが、何かがあったことは確かだ。
遥か未来の子達に、私の願いが届きますように…
著者…カーリー・アルデア