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Monster Master in the Re:birth world  作者: おもちぃ@望月 白
旧:お隣世界の召喚記(仮)
7/36

007


もう少しで平原へとぬけるかというところでソイツは登場した。

まんまるなボディ。

動くたびにプルプル震える緑色の液体。

『世界知識』から情報を引き出すまでもなくわかるその名前。

その名はスライム。


「また定番中の定番が出てきたな」


ガサガサと茂みをかき分けて現れたソイツは俺を獲物と定めたのかゆっくりと近づいてきた。

特にあわてることもなく剣を構え、相手を観察する。

『世界知識』によればスライムは魔獣の生態系の最底辺に位置し、子供でも狩れるほどに弱い。液体で構成された肉体ゆえに物理攻撃が通りづらいが、もちろん弱点は存在する。

それは体の中心に位置するコアだ。

それを傷つけられると体を維持できずに水のように溶けて消えてしまう。


「わざわざ経験値になりに獲物のほうから来てくれるとはな」


俺は狙いを定めてスライムの核に突きを放った。

攻撃は外れることなく核へと吸い込まれ、次の瞬間にはパシャリと音を立ててスライムが崩れさる。

後に残ったのは傷の付いたスライムの核。

俺はそれを手に取ると、剣で半分に割った。

すると中から小指の先ほどの宝石のようなものが出てくる。

色は無色透明だ。

いわゆる魔石という物で、すべての魔獣はこれを体内に持っている。


『世界知識』によると魔石とは、生物が魔獣化するときに体内に生成される魔力の塊で魔獣の力の根源でもある。大きさによってランクが変わり、大きな魔石を持つ魔獣ほど強くなる。同種の魔獣でも魔石の大きさが異なり、スキル熟練度が高いほど大きくなる。

また自然界にも魔石は存在しており、魔力の濃い場所で自然と結晶化する。しかしそういった場所は強力な魔獣の生息する地域であり、一般に出回ることはほぼない。

そのため一般的に魔石と言うと魔獣から採集した魔石のことをさす。

超文明時代には人工魔石も作られていた。


とあった。

さっそく俺は《従魔の書》を呼び出し魔石を吸収させることにした。

表紙に魔石をかざすと本に付いている宝石が淡く輝き、魔石が光の粒になって吸い込まれてゆく。

やがてすべてが吸い込まれると、同時に宝石の輝きも消えた。

試しにページをめくってみると、今まで真っ白だったページに魔獣の絵と説明が書かれていた。



――――――――――――――――――――――――

スライム

粘液状の体を持つ魔獣。『環境適応』というスキルを持っているため最も種類が多くすべては把握されていない。魔力の淀みから自然発生するためすべてを駆逐するのは不可能である。体内にコアを持ち、内部に魔石がある。


スキル

『体当たり』『消化吸収』『環境適応』

――――――――――――――――――――――――



試しに『召喚術』を試してみる。


「召喚――スライム」


すると足元に六芒星の魔法陣が浮かび上がり、中から1匹のスライムが現れた。

そのままじっとしている。

どうやら指示がなければ動かないようだ。

とりあえず好きにするよう指示を出す。

しかしじっとしたまま動かないので、仕方なく草原に向かって歩くことにした。

スライムは俺の後から体を震わせながらついてきている。

しばらく歩くとようやく草原に出た。

どこまでも広がるような平原の中、遠くに小さく町が見える。

おそらくあれが目的地であるセリューだろう。

草原にはところどころ生物が見える。

一番近くにはウサギのような生物がいた。

なぜウサギの『ような』なのかといえば、その額から角が生えていたからだ。

『世界知識』によれば角兎ホーンラビットというらしい。

れっきとした魔獣で草食ではあるが外敵がいればその角で突撃してくるそうだ。

ついでなのでスキルの熟練上げにつき合ってもらうとするか。


近づいてゆくとこちらを警戒したように見ている。

さらに近づくとこちらを敵と認識したのか、こちらに向かって突っ込んできた。

俺は焦ることなく自分の前に結界を張り様子を見ることにした。


1mほど手前でジャンプした角兎は結界に阻まれ、やんわりと着地した。

その後も何度も俺に向かって突撃を繰り返すが、そのどれもが結界に阻まれている。

しばらくその様子を見ていたが、ある時ふと自分の中に何かが流れ込んでくるような感覚がした。

その感覚をたどると、もっと結界を遠くまで広げられるような気がした。

同時に結界の強度も強くなった気がする。

試しに追加で結界を張ってみると、どうやら自分から10m以内なら好きな場所に張れるようだ。ずっと使い勝手が良くなった。

そのまま角兎を囲うように結界を張り、中の空気を抜いていくようにイメージした。

そのまましばらく待っているとやがて兎は動かなくなり、ピクリともしなくなった。

どうやら倒したようだ。


「チートにはしないって言ってたけどこれむちゃくちゃ強くないか?」


せっかく兎を倒したのではぎ取りをすることにする。

『世界知識』をもとにはぎ取ってみるが、なかなかうまくいかない。

使っているのがロングソードということもあってはぎ取った皮には肉や脂がこびりついていた。

それぞれ角、肉、皮、魔石に分けると、魔石を残してアイテムボックスにしまいこんだ。

アイテムボックス内では時間が停止するので、中に入れた生ものは腐ることがない。


(元の世界でこんなの欲しかった)


魔法で水を出して剣と手を洗うと次はいよいよお待ちかね、魔石の吸収である。

本を出して魔石をかざすと、あっという間に吸い込まれていった。

ページをめくると角兎が追加されていた。



――――――――――――――――――――――――

ホーンラビット(角兎)

角を持つウサギで平原や浅い森にたくさん生息する。

クラシオン草を好んで食べるためその角にはわずかながら鎮静作用がある。そのため鎮痛剤の材料として使用される。


スキル

『頭突き』『回避』『危険察知』

――――――――――――――――――――――――



「クラシオン草」という単語が気になって脳内検索をすると、どうやら薬草の一種のようだ。



――――――――――――――――――――――――

クラシオン草

傷薬として使用される薬草。ギザギザの葉っぱで裏面が白いのが特徴。

ポーションの材料にされる。

――――――――――――――――――――――――



とりあえずスライムを『送還』し、代わりにホーンラビットを召喚してみた。

呼び出されたホーンラビットは鼻をピスピスと動かし、耳を周囲に向けてしきりに警戒している。

抱き上げてみるとモフモフだった。

モフモフだった。


大事なことなので2回言いました。



しばらくモフモフを堪能し、十分に堪能したところで町へと歩き出した。



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