今回は生産回ですよ?
鍛冶について本来はもっと複雑な手順が必要だ!
っていう意見は却下です。
作者はそんなに鍛冶技術に詳しくありません。
描写が面倒なので(コラ)魔法で済ませてしまいます。
いっつふぁんたじー
せっかくなので依頼を受け入ていくことにする。
現在受注可能なのはFランクなのでFと書かれた掲示板の前に行く。
採集系は常時受け付けがほとんどで、特に受注する必要はないようだ。買取カウンターにもっていって手続することで依頼完了となる。
いくつかの依頼には注意事項が書かれているようだ。
―― アオギリの葉の採集 ――
傷薬の素材となるアオギリの葉を袋に入るだけ収集してください。
注意:袋はギルド受付で受け取ってください。
期限 常時受け付け
報酬 50G
―― クラシオン草の採集 ――
傷薬の素材となるクラシオン草の葉を20株分収集してください。
期限 常時受け付け
報酬 80G
―― ソードリーフの採集 ――
鎮痛剤の素材となるソードリーフを20株採集してください。
期限 常時受け付け
報酬 100G
―― ムーンフラワーの採集 ――
魔力薬の素材となるムーンフラワーを20株採集してください。
注意:ムーンフラワーの魔力が最大になる夜明け直前に採集すること。
期限 常時受け付け
報酬 120G
―― ハリエンジュの花の採集 ――
魔力薬の素材となるハリエンジュの花を20束採集してください。
注意:トゲに毒があるので注意すること。
期限 花期限定
報酬 200G
一方お使い系の依頼はこんな感じだ。
―― 庭の掃除 ――
庭に生えた雑草を刈ってください。
期限 終わるまで
報酬 80G
―― レストランの手伝い ――
欠員が出たため急遽募集。女性歓迎。
期限 本日朝~夕方
報酬 150G
―― 城壁の補修 ――
城壁の補修のための作業員募集。
期限 補修完了まで
報酬 日当 200G
―― 収穫の手伝い ――
畑の野菜の収穫を手伝ってほしい。
期限 3日後まで
報酬 250G
平均的な宿の宿泊料(食事抜き)が120~150Gなので、Fランクの依頼だと1日過ごせるかどうかくらいの報酬が支払われることになるな。
ちなみにセリューでは高ランクの依頼がほとんどないため、稼ぎたいものはほとんどがランクを上げて他の町に行ってしまう。
常時張り出されているのはDランクまでで、Cランク以上となるとめったに出ないからだ。
この世界での冒険者のランクはそれほど高くない。
個人最高がBランク、パーティーだとAランクまでが限界である。
Aランク以上の冒険者がいたいたのは過去の話で、もはや伝説レベルなのだ。
これと言ってめぼしい依頼がなかったため、とりあえず採集系の常時依頼を受けることにした。
階段を下りて買取カウンターへ行く。
「薬草の買取りをお願いします」
「はい、それではこちらの籠へ出してください」
そう言って差し出されたのは何の変哲もない籠だ。
そこに森にいるときに採集したクラシオン草を入れていく。
とりあえず40株入れておいた。
「それでは少々お待ちください」
そう言って奥の方へ消えていった。
鑑定のための部屋が奥にあるのだろう。
しばらく手持無沙汰に待っていると、鑑定が終わったのか先ほどの受付嬢が戻ってくる。
「お待たせしました、クラシオン草40株の納品を確認しました。
こちらはクラシオン草の採集2回分となりますので、報酬は160Gになります。
ギルドカードはお持ちですか?」
カードを出すよう言われたため、アイテムボックスから取り出して渡す。
受付嬢はそれを何かの魔道具に当てて操作をしている。
操作はすぐに終わり、カードと硬貨が差し出された。
「お疲れ様でした、またのお越しをお待ちしております」
カードと硬貨を受け取り、カウンターから離れる。
記念すべき1回目の依頼を完了したわけだが、この後の行動を考えようと思う。
さしあたって必要なのは生活雑貨だろうか。
魔法できれいにできるとはいえ服はかえたい。
それに野営用品も必要だ。
まずは服屋に行くことにしよう。
ということでやってまいりました南大通り、通称『商業区』。
ここでは商店・宿屋・酒場が軒を連ねている。
バーゲルの食料品店もそのうちの一つだ。
ちなみに東大通りは職人の工房がある『工業区』、西は民家のある『住宅区』。
そしてギルドから北側にあるのが貴族たちの住む『貴族区』となる。
町の作りは大体どの町も同じなので、これだけ覚えておけば迷うことはほぼないだろう。
というわけで現在いるのは服屋なのだが、新品を買おうとするとそれなりに高い。
安くても300G以上はする。
買えなくはないが今後のことを考えるとなるべく支出は抑えておきたい。
一方、中古は100Gから買えるようだ。
状態はどれもピンからキリで、中にはつぎはぎの充てられたものまである。
どうもこちらでは服は中古か自分で作るのが一般的らしい。
仕方がないので生地と裁縫道具を購入することにした。
一番安いのが麻の生地で、一反80G。
裁縫道具は2800Gもしたため糸だけを買うことにした。
道具は『鍛冶術』を使って自分で製作することにする。
幸いにも材料は土魔法のおかげで事欠かない。
次は雑貨だ。
雑貨屋ではテントと野営用の寝袋、布を数枚買う。
ついでなのでバーゲルの店にも寄っていくことにした。
「いらっしゃいま……、あぁどうも、先ほどぶりです」
店の奥から出てきたバーゲルに軽く挨拶をしてあの後どうなったかを聞く。
「盗賊の持っていた鎧は状態が悪かったためほとんど買い叩かれました。
数が多かったのでそれなりの値にはなりましたが、今回の仕入れは赤字決定ですよ」
とほほと肩を落として言うバーゲル。
「う~ん、武器も一緒だったらもっと高く売れましたかね?」
「ええ、武器は手入れすればまた使えるようになりますので、壊れていない限りはいい値になりますよ」
ということだったので盗賊たちの持っていた武器をアイテムボックスから取り出す。
「これをどうされるので?」
不思議そうに聞いてくるバーゲル。
「差し上げますよ。
売って補てんに充ててください」
「そんな! ただでさえ鎧をいただいたのに、これ以上いただくわけにはいきません!」
そう言って慌てて止めようとする。
「言ったはずですよ、これは投資だと。
あなたが赤字になっていてはこちらも投資した意味がないのです。
もともと自分で素材として利用しようとしていたのですが、もっと質のいい素材の当てがあるのでこれは必要ありません」
そう言って押し付けるように渡してしまう。
「何から何まで、本当に感謝いたします。
それにしても、ご自分で使うのですか?」
「ええ、これでも一応『鍛冶術』を持っているんですよ。
後で鍛え直してから何かに使おうかと思っていました」
「ほほう、その若さで生産技術までとは、ずいぶんと多才なようですな」
「いえいえ、ただの下手の横好きですよ」
しばらく話し込んでからその場を後にした。
目指すのは西の森だ。
この際なので『鍛冶術』でいろいろと雑貨をそろえておきたい。
わざわざ森まで行くのは人目につかないようにするためだ。
自分の作業の仕方だとこの世界からしても異様に映るだろうからな。
というわけで門を出た後、人目につかないあたりまで歩いた後はロックボアを召還してひたすら爆走する。
途中、ホーンラビットを轢いてしまったため回収しておいた。
その甲斐あってかセリューへ行く時よりもずっと早く森についた。
まだ日が沈むには時間があるため作業を済ませることにする。
作業中に魔物や人が集まってくるのを防ぐため、隠蔽結界と遮音結界を張っておく。
次いで土魔法で鉄の塊を出した。
このまま使えなくもないが純度100%なので、落ちていた枝を燃やした炭を錬金術で合成して鋼を作り出す。
あとは錬金術の変形でハンマーと金床を作り出した。
作業の助手としてゴブリンを数体召喚して作業を開始する。
棒状にした鋼を火魔法の火に放り込んで熱した後、何度も折り返す。
ゴブリンにもハンマーを持たせて相槌を打たせる。
折り返しが終わった後は形成だ。
たたいて伸ばして剣の形にしていく。
最後に水魔法の冷水につけて焼き入れ完了。
後は砥石で研いでフォレストウルフの革で拵えを作る。
素人知識であるが何とか完成だ。
鑑定結果がこちら。
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鋼のロングソード
質のいい鋼で作られたロングソード。
繰り返し鍛造を行ったため非常に丈夫で切れ味が良い。
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ちなみに盗賊から奪った武器はこんな感じだ。
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鉄の片手剣
純度の低い鉄でつくられた片手剣。
不純物が多く混ざっており欠けやすい。
切れ味はそれほど良くなく、手入れを怠るとすぐ錆びる。
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ちなみに一般的な片手剣も盗賊の武器とそう大差はない。
もともと冒険者から奪った物なので、世間一般で使われている武器道具は質の悪い鉄から作られているのだ。
製錬技術が失われているため、質のいい鉄が非常に少ないせいだ。
試しにできた剣をゴブリンに持たせて振らせてみる。
予想が正しければ召喚時にゴブリンの使う武器に鋼の武具が増えているはずだ。
とりあえず慣らしも終わったところで残った鋼で必要物資を作っていくことにする。
ゴブリンにはこの後もいろいろな剣を作らせておく。
自分ははさみに鍋にその他いろいろだ。
さすがに針は細すぎるため錬金で加工する。
というわけですべて仕上げるころにはいつの間にか夜も更けていた。
どうやら夢中になっていたせいで暗くなっていることに気付かなかったらしい。
その成果もあってか目の前には様々な品が並んでいる。
はさみ、鍋、包丁他、ゴブリンの作った武器もたくさん。
短剣に両手剣、槍になぜか刀まである。
ちょっと作りすぎた気もしなくはないがあって困ることもないので良しとしよう。
続いて服作りに取り掛かることにする。
火は燃えると危ないので、光魔法でライトボールを作り上げた。
布と糸を取り出し製作開始。
道具も多めに作ったためゴブリンたちにも手伝わせる。
これはちょっと予想外です。
服飾ってなかなか難しい。
鍛冶はスキルのおかげでやすやすとできたのに、スキルが低いとこうも製作の難易度が跳ね上がるとは。
ようやく作り上げた服はなんだかねじれていて着にくそうだ。
隣を見るとゴブリンたちがちくちくと服を縫っている。
どう見ても自分より上手いです。
ゴブリンに負けた……。
絶望のあまり地面に手をついてうなだれる。
まぁ召喚モンスターの学習能力が異常に高いのは知っていたさ。
でもさすがにここまで格の差を見せられるとぐうの音も出ない。
いいもん、自分は指揮官だ。
実際に手足として働くのは召喚モンスターたちなんだもん。 ぐすん。
服を自分で作るのは諦めた。
才能がない。
きっとスキル第一の壁っていうのはこういうことを言うんだ(違います)。
手持無沙汰になったので従魔の書をめくってみる。
いつの間にか新たなモンスターが増えていた。
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ゴブリンブラックスミス
Ⅲ等級
鍛冶の技術を持つゴブリン。簡単な武器の製作ができる。
スキル
【槌術:2】【鍛冶術:2】【身体強化:3】【咆哮:3】
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ゴブリンテイラー
Ⅲ等級
服飾の技術を持つゴブリン。手先が器用で簡易な服を製作できる。
スキル
【棍術:2】【投擲:2】【裁縫:2】【紡績:2】【ひっかき:3】
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