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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
終章 終わりのハジマリン
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第52話 勇者アクマ、デブハゲになる?

「よくぞ帰ってきたな、勇者アクマよ!」


 国王マンマルが、意外なほど友好的な笑顔でアクマを迎える。


「やっぱりデブハゲだな!」

「そうですね! 嫌悪感がハンパないです!」


 国王が相手でも遠慮のカケラもないアクマとサタン。

 デビルは、やれやれ、といった様子で肩をすくめる。


 そんな中、デブハゲ……いや、国王マンマルから、衝撃の事実が明かされる。


「勇者アクマよ。実はお前は、ワシの息子なのだ!」


 国王マンマルは、アクマの実の父親だったのだという。


「な……なんだそれは!?」

「びっくり仰天です!」


 マンマルはさらに語る。


 アクマの母親は、実際には側室という立場になる。

 それでアクマは田舎村へと追いやられたのだが、マンマルは正妻とのあいだに子供ができなかった。


 年齢的に考えても、そろそろ後継者のことを考えなければならない。

 しかし、正妻との子供はもう望めそうもない。


 ということで、アクマが王位継承権第一位の人間となった。

 デビルは最初から、それを知っていたのだ。

 だからこそ、アクマがサタンと結婚すると決めたことを報告しないといけない、と考えてここまで連れてきた。


「オ……オレが王位継承者だと!? 田舎村で育った、このオレが!」


 さすがに困惑を隠せない様子のアクマ。

 しかしすぐに、


「勇者様、カッコいいです! 勇者であって国王にもなる、最高で最強の人間です!」

「ま……まぁ、伝説的勇者になる予定の人物ではあったがな! わっはっは!」


 サタンの言葉によって簡単に乗せられ、豪快な笑い声を響かせる


 そもそも、アクマはこの国で公開処刑にかけられ、賞金首として追われる身となったわけだが。

 それらはすべて、アクマを旅出させようと、国王マンマルが仕組んだことだった。

 目的はアクマの成長を促すため。

 様々な国を巡り、様々な文化に触れることで、国王として必要ななにかを得てくれれば、という意図があったようだ。


 もっとも、デビルには公開処刑の件までは伝えられていなかった。

 というよりも、もともと国王は「全世界の平和を守ってくれ!」という指示を与えて、全国を巡らせるつもりだった。


 素直に従えば問題なかったのだが、アクマは国王に無礼な発言をぶつけてしまった。

 アクマが王位継承者だというのはまだ内緒だったため、兵士たちによって即座に取り押さえられ、アクマとデビルは牢屋へとぶち込まれた。

 国王は作戦変更を余儀なくされる。

 悩んだ末、公開処刑の場を設け、処刑直前に命令を下すことで、国から旅出つように仕向ける案を考えついた。


 ただ、またしても想定外の事態に陥る。

 突然サタンが現れ、勇者であるアクマとオマケのデビルを助け出してしまったからだ。

 国王は再度作戦変更。

 状況を利用してアクマたちを全国指名手配とし、無理矢理旅立たせることにした。


 これが真相だったのだ。


「ワシはもう隠居する。アクマよ、この国はお前に委ねることにするぞ!」


 マンマルが宣言する。

 今ここに、この国の新たな王が誕生した。


「オ……オレが国王……!? オレ、デブハゲになるのか!?」

「いやいや、そうとは限らないから」


 新国王アクマの横では、デビルが呆れた顔でため息をついていた。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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