第51話 勇者アクマ、戻ってくる
祖国であるハジマリン王国に、アクマとデビルの姿があった。
もちろん、アクマと結婚する意志を固めたサタンも一緒だ。
ハジマリン王国への帰還は、デビルの提案によるものだったのだが。
「公開処刑から逃げ出したことで、全国指名手配になってるんじゃなかったか?」
「自ら死地に赴くなんて、デビルはマゾですか?」
仲間たちからツッコミが入れられても、その提案を撤回することはなかった。
そんなわけで、懐かしきハジマリンへと戻ってきた勇者アクマたち一行。
「しっかし、勇者として大成する前に戻ってきてしまったな! まだこの国を手に入れるほどの力はないのに!」
指名手配書によって詐欺勇者扱いとなっているはずのアクマが、わっはっは、と笑い声を響かせる。
「その野望、本気だったんだね。まぁ、それはそれでいいのかもしれないけど」
「ん? どういうことだ?」
「え~っと……。とりあえず、国王に報告しないと」
デビルが突然、そんなことを言い出す。
「報告? 指名手配って国王の命だったんですよね? 捕まっちゃうんじゃないですか? デビルはバカですか? 大バカですか? 巨大バカですか?」
「うむ、そうだな! デビルはジャイアントバカだ!」
「はいはい、なんでもいいから。とにかく、城まで行くよ」
ごちゃごちゃ言うアクマとサタンを、デビルは半ば強引に連れていく。
「う~む。オレはあんなデブハゲに用なんてないんだがなぁ~」
アクマは不満そうにつぶやく。
「見ていてムカつく顔だし、アタシも思わず爆発魔法をぶつけちゃうかもしれないです!」
サタンも国王の姿を思い出したのか、ぷりぷりと怒りをあらわにしていた。
「そんなこと、言っちゃダメだよ?」
デビルは落ち着いた声でふたりをたしなめる。
その真意は、すぐに明らかとなる。
城に到着すると、衛兵に止められることなど一切なく、アクマたち3人は国王マンマルの待つ謁見の間まで通された。
――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!




