表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
魔界の国アクマージュ
48/53

第48話 仲間たち、唐突に現れる

 無数の星たちの一斉攻撃。

 攻撃手段としては、単なる体当たりでしかない。

 とはいえ、当たれば相当痛い。


 文字どおり星型の相手。先端部分は鋭く尖っている。

 それが数千、数万とぶつかってくるのだ。

 充分に致命傷となりえる。


 四方八方から迫りくる星たちの群れ。

 アクマたち3人に、防げるはずがない。

 成すすべもなく、逃げ惑うばかり。


 そして最終的に、1つ残らず全部食らってしまった。

 ……ただし、アクマたち3人が、ではない。


「ふむ。なかなか美味ではないか。もぐもぐ」


 唐突に現れたのは、ゼリー状でネバネバした体を持った生物。

 それは、スライムの女王にして魔王でもある、ライムちゃんだった。

 ライムちゃんは大きな口を開け、すべての星を、文字どおり食らっていた。

 もぐもぐ、ぐちゃぐちゃ、ばりばりと。


「んん……ごっくん。魔界で大変な事態が起こったと聞いたのでな、ヌメリヒョンとともに、こうしてはせ参じた次第じゃ!」


 星たちを飲み込み終えたライムちゃんが叫ぶ。


 その隣には、ナメクジ国王ヌメリヒョンが控え目に立っていた。

 雰囲気的に、ライムちゃんがヌメリヒョンを従えている、といった印象。

 夫婦関係がなんとなく垣間見える構図、とも言えそうだ。


 自らをオレサマと称し、ライムちゃんと壮絶な戦いを演じていたヌメリヒョンの面影は、これっぽっちも残っていない。

 スライムの国とナメクジの国が合併してから、まだそれほど時間は経っていないのだが。

 この短い期間で、いったいなにがあったというのやら。


 と、そんなことはこの際、どうでもいい。

 デビルはそれよりも、魔界で大変な事態が起こったと聞いた、という部分に食いつく。


「……って、それ、どこでどうやって聞いたの?」

「ん? ああ、サタンからメールがあってな」

「メール……ってなに!?」


 当然の疑問。

 科学の国ジッパングになら、ケータイらしきものがあったのだから、メールだって存在していてもおかしくはないが。

 この世界の一般的な国に、そんな文明の利器などあるはずもない。

 ……魔界の国やらスライムとナメクジの国やらが、一般的な国の範疇に入るのかは知らないが。


「念波を飛ばして情報を伝達する便利魔法です!」


 メールを送ったという張本人であるサタンが解説する。


「それを使って知らせておいたんです! お母様に気づかれないようにこそこそメールするのは大変でした!」

「サタン、さすがだな!」

「ふふ~ん、当然ですよ、勇者様! アタシは有能な魔女っ娘なんですから!」

「魔界出身の女っぽく見える男の娘、だけどね」

「デビル、うっさいです!」


 ともかく、サタンのメールによって、増援を得ることができた。

 しかも、ライムちゃんとヌメリントンだけではなかった。

 2人が治める国の住民であるスライムやナメクジたちも、続々と押し寄せてくる。


 さらには……。


「ワタクシたちもおりますわ!」

「というわけで、及ばずながら加勢させてもらうよ」


 シトヤカとサワヤカの2人が颯爽と登場。

 その背後にもまた、多数の人々がつき従っていた。


「ふふっ、ワタクシたちの国では大きな改革が実現しましたのよ」

「もう、スパイの国ではなく、民主主義の国になったんだよ。ワタシが代表ということになってはいるけどね」

「基本的にはすべての決定に民意を反映させることになりましたの」

「サタンさんからのメールで、ワタシとシトヤカの2人が魔界へと赴くと国民に伝えたら、全員が同行を申し出てくれたってわけさ」


 だからこそ、こんなにも大勢の人間が集ってきていたのだ。


「貧しい国なのは変わっておりませんので、全国民といっても他の国より随分と少ないですが……」


 少々恥ずかしげに語るシトヤカ。

 ちらりとデビルに視線を向け、わずかながら笑みをこぼす。

 過去に振った相手ではあるが、元気な姿を見ることができて安心しているのだろう。


 はてさて、一気に人数が増えアクマたち。

 形勢逆転となるか?


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ