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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
魔界の国アクマージュ
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第47話 魔界の女王、本気を出す

 鬼のような形相で睨みつけてくる女王マックイーン。

 アクマとデビルは視線だけで震え上がってしまう。

 そのとき、声を聞く前から震え上がっていたサタンが、果敢にもマックイーンに食ってかかる。


「アタシは勇者様……アクマのことが大好きです! 愛してます! お母様の命令で連れてきたのは確かですけど、この気持ちは本物なんです!」


 胸の内にある熱い想いを激しくぶつける。

 足はガクガクと震えていたが、その想いに揺らぎはない。


「サタン……。そんな聞き分けのない子に育てた覚えはありませんよ?」


 対するマックイーンは、娘からの反撃に少々面食らいつつも言い返す。


「でも、お母様! アタシは……!」

「問答無用です! あまりワガママばかり言っていると、おしおきしますよ? 舌を抜いて、尻子玉を抜いて、魂を抜きますよ?」

「うっ……!」


 おしおきされる場面を想像したのか、サタンの勢いが止まる。


「いいえ、その程度では生ぬるいですね。最大級のおしおきとして、食事も抜きますよ!?」

「そんな……! お母様、ひどすぎです!」

「えっ? 食事抜きが最大級のおしおき!?」


 状況を見守っていたデビルが、反射的にツッコミを入れる。


 ともかく、サタンの威勢はもう完全に失われていた。

 ここで今まで静観を貫いていたアクマが、満を持して口を開く。


「おうおう、おばちゃん! 随分と勝手なことを言ってくれるじゃね~か!」

「お……おばちゃんですって!? あなた、ワタシを誰だと思っているのですか!」

「魔界の女王マックイーンで、オレの愛するサタンの母親だ!」

「わ……わかっているじゃないですか! だったら、立場をわきまえて……」

「しかし! 言いたいことはハッキリと言わせてもらう!」


 アクマはサタンの肩を抱き寄せ、臆面もなく言い放つ。


「こいつはオレのものだ!」

「はぁ? ワタシの娘ですよ? しかも物扱いするなんて……やはり勇者というのは極悪非道な精神の持ち主でしかありませんね!」

「うるさい! オレとサタンは相思相愛だ! すなわち、オレのものだ! 誰にも渡さない!」

「勇者様……!」


 サタンは瞳をキラキラと輝かせ、アクマをうっとりと見つめる。

 魔界のプリンセスとして育てられたというサタン。心は完全に乙女なのかもしれない。


「あななたち……ワタシを怒らせてしまいましたね? いいでしょう。全員まとめて、おしおきしてあげます!」


 怒りに打ち震える声で宣言する女王マックイーン。

 その手には、いつしか杖らしきものが握られていた。


 ……いや、杖というよりはむしろ……魔法のステッキ。

 しかも、星やらハートマークやらがついた、ピンク色を基調としたポップな印象のステッキだった。

 女王はそれを臆面もなく掲げ、大げさな身振り手振りをまじえて振るい始める。

 そして、


「まっぷるみっぷるまほまほにゃ~~~!」


 やけに可愛らしい呪文を唱えると、周囲には次々と無数の星が出現する。

 笑っているような目と口までついた、とってもファンタジーな星たち。

 魔界の中に、なんともメルヘンチックな空間が出来上がっていた。


 と思った次の瞬間。


「お星様の刑です! さぁ、星の皆さん。この愚か者どもを、ケチョンケチョンにしておしまい!」


 女王マックイーンの言葉に合わせて、数千、数万にも上る星たちが、一斉にアクマたち目がけて襲いかかってきた。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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