第44話 アクマとデビル、はりつけにされる
アクマとデビルの姿は今、森の中に作られた処刑場にあった。
魔界の伝統的な処刑法で殺されることになるのだとか。
「わっはっは! 久しぶりのはりつけだ! やっぱ、定期的にほしいよな、はりつけイベントは!」
「いらないよ、こんなの!」
アクマはこんな状況でも笑っているが、デビルは必死にもがいている。
とはいえ、ロープで柱にしっかりとくくりつけられていて、まったく身動きは取れない。
「伝統的って、どんな処刑法なんだろうな? ワクワクするぜ!」
「ワクワクしないでよ、アクマ……。でも、槍でひと突き、とかだと、人間界と変わらないよね? 魔界の伝統の処刑法って話だし、すごく恐ろしい殺され方をされそうな気が……」
デビルはひたすらもがいてあがいて、どうにか脱出を試みようとするも、上手くいく気配はない。
一方、アクマのほうは実に落ち着いたもの。
「ま、オレはサタンに殺されるなら本望だけどな!」
「それでいいの!?」
アクマは運命を受け入れている様子だった。
しかしデビルは受け入れられない。
「だいたいボクは勇者じゃないのに、どうして殺されなくちゃならないんだよ!」
ひたすら叫び、暴れ続ける。
「あなたは勇者使いなのでしょう? 勇者を使う立場なんて、そんなの勇者以上にたちの悪い存在です! 諸悪の根源なのです! ゆえに、殺さねばならないのです!」
マックイーンは誇らしげに主張する。
旦那の無念を、今こそ晴らす。
強い決意が、女王の瞳にはありありと見て取れた。
実際には、アクマだって旦那を殺した勇者とは別人なのだが、そんなことはお構いなしのようだ。
女王マックイーンの隣に立つサタンは、黙ったままアクマたちに目を向けている。
「サタン! キミは本当にいいの!? ボクとアクマを殺して、それで満足なの!?」
デビルがターゲットを切り替えて訴えかける。
それでも、デビルはなにも反応を示さなかった。
「さて、そろそろ来るでしょうか。魔界の伝統的な処刑の執行者が」
マックイーンが楽しそうに微笑む。
周囲の空気がざわめいている。
なにか禍々しいモノが近づいてきている。
デビルもピタリと口を閉ざし、状況を見守る。
全員が視線を巡らせる中、森の奥から大きな2つの影が姿を現した。
それは……。
「巨大な……マリモ?」
そう、それはまさにマリモといった容姿をした、全身緑で毛むくじゃらの真ん丸い物体だった。
「これが魔界の森の守護神、マモリーモです!」
巨大なマモリーモが頭からパクリ。
それが魔界の伝統的な処刑法の実態だった。
――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!




