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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
ナメクジの国ヌメリントン
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第38話 スライム軍団、大量に出現する

 スライムVSナメクジの決戦。

 流れ的に、ライムちゃんとヌメリヒョンの一騎打ちになりそうではある。


 とはいえ、ここはナメクジの国。

 完全にアウェーの状態だ。

 周囲には怒りの表情をありありと浮かべたたくさんのナメクジたちがいる。


 だとすると、多勢に無勢。

 こちらは観客に徹しているアクマやサタンを加えたとしても、総勢4名でしかない。


「これってヤバいんじゃない? いくらなんでも、相手の数が多すぎるよ!」


 デビルは不安に思っていたのだが。


「なに、ワラワのいる場所であればどこでも、スライム国の者たちは湧き出ることができるのじゃ!」


 その言葉どおり、地面からスライムが続々と出現する。

 わらわらわらわらと。

 何十匹、何百匹……いや、もっといるだろうか。


 さっきまでは、ナメクジだらけだった場所が。

 今ではスライムとナメクジで溢れ返っていた。

 ヌメリ気はますます強くなる。


「うおっ、ヌメリすぎだろ、これは!」

「ヌメってるというか、ネバってますよ? うわ、ばっちぃです!」

「ばっちぃ言うでない! ナメクジなどと違って、スライムのヌメリ気はもっと神聖なものなのじゃ!」


 ライムちゃんは主張するが、デビルでもやはり、ヌメリ気の違いはまったくわからなかった。


「さあ、皆の者、やぁ~っておしまい!」


 出現したスライムたちに、ライムちゃんが命令を下す。


「セリフが悪役っぽいよ?」


 というデビルのツッコミは完全に無視され、あまたのスライムたちが怒涛のようにヌメリヒョン目がけて押し寄せる。


「ぬぬぬぬぬっ! 増援を要請するとは、なんと卑怯な! オレサマは1人で戦うつもりだったというのに!」

「おや……そうじゃったのか。それはすまなかったの」


 ヌメリヒョンの発言に、ライムちゃんは素直な謝罪の意を示していたが。

 それで押し寄せるスライムたちが消えるわけではない。


 大量のスライムに溺れるナメクジ国王ヌメリヒョン。

 それでも、相手は弾力があってヌメヌメしているだけの物体でしかない。

 ヌメリヒョンはスライムの海を泳ぎ、どうにか脱出することに成功する。


「くそっ! そっちがその気なら、こちらも全軍を挙げて応戦させてもらうぞ! 者ども、かかれ!」


 そばにいたナメクジたちは、ゴザを敷いて観戦ムードだったのだが。

 国王の命を受けたとあれば、従わないわけにもいかない。

 渋々と立ち上がり、スライムたちに向かっていく。


 しかも、それだけではなかった。

 他の場所にいたナメクジまでもが、続々とこの場に集まってくる。


 こうして、町の中……というか商店街の一角っぽい場所にて、スライム軍団対ナメクジ軍団の大規模な合戦が勃発する展開となってしまった。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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