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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
科学の国ジッパング
29/53

第29話 勇者たち、対立する

 アクマたちは、その後も観光気分を満喫していた。

 サンダーゲートという門をくぐったり、フラワーハウスという賑やかな場所で遊んだりもした。

 半日かけて遊び倒した、と言っていいだろう。


「食べ物も美味いし、とてもいい国だな、ここは!」

「むしろ、この国に住んでもいいくらいです!」


 アクマとサタンは上機嫌。


「勇者様、アタシと一緒にここで暮らしませんか?」

「はっはっは! それも悪くないな!」


 とってもいい雰囲気で、腕まで組んでいる。

 ふたりは男同士のはずなのだが……。


「でもこの国って、他国民の出入りは自由だけど、居住は不可、ってことになってたはずだよ?」

「そうなのか!」

「ですが、障害があればあるほど燃えるものです!」

「おお、なるほど!」

「…………」


 デビルは、おかしなテンションのアクマとサタンにすっかり呆れ顔。

 ここで、もっとおかしな意見が飛んでくる。


「だったらこの国を侵略してしまえばいいのではないかや?」

「おおっ、ナイスアイディア!」

「さすが、スライム国の女王兼魔王だけのことはあります!」


 ライムちゃんのとんでもない提案に、アクマとサタンも同調する。


「ワラワたちスライム国がここを制圧したあかつきには、アクマたちを住まわせてやってもよいぞよ?」

「よし、乗った!」

「アタシも協力しますです!」


 なにやら盛り上がっていく。

 このままでは、本当に侵略戦争が始まってしまいかねない。

 だが、デビルも慣れたもの。


「やめなって。そんなことしたら、また同じ展開になるだけだよ?」


 すなわち、失敗して追われる身となる、と言いたいのだ。

 何度も同じようなことがあれば、誰だって悟る。

 意外と落ち着いた様子で、非常識な3人を引き止める役割に回ったデビルだったのだが。


「ワラワたちの高尚な計画を、愚かにも止めようというのか!? デビルの分際で!」

「そうだそうだ! デビルのくせに生意気です!」

「デビルはデビルらしく、オレに従ってればいいんだ!」


 3人はまったく聞き入れようとしない。

 それどころか、完全に反発してくる。


 ここに、アクマ・サタン・ライムちゃん連合VSデビルの戦いが幕を上げたのであった。

 って、なにをやってんだか……。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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