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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
お菓子の国スイーティア
25/53

第25話 勇者たち、脱出する

 緊張感のカケラもなく、牢屋の中で無駄話をするアクマたち。

 正面の牢内にいるサワヤカも、積極的に会話に加わってくる。


「この国の王は、自分はお菓子から進化した神だ、なんて言っているみたいなんだよ」

「あ……怪しすぎる!」

「自分を神だなんて言うやつが、まともな王のはずがない!」

「まったくです! 国民がかわいそうです!」

「お菓子がたくさんあるという部分だけは、いい国だと言えるのじゃがの~」


 国王の悪口に花を咲かせる。

 捕まってしまいそうな内容ではあるが、すでに牢屋に入っているのだから、もはや関係ないだろう。


 そうやってしばらく話し続けていたのだが。

 突然、サワヤカが会話から抜けることになった。


「それじゃあ、助けが来たからワタシは行くよ」

「え?」


 きょとんとするデビルの目の前で、それは起こった。


 どごぉぉぉぉ~~~~ん!


 大爆発。

 どうやら、正面の牢の壁が壊されたらしい。


「キミたちもお元気で……って、死刑になるんだったっけ」


 苦笑を残し、サワヤカは去っていった。


「爆発魔法で逃げたの?」

「じゃが、ここは魔法封じがかかっているんじゃなかったかの?」

「さっきのは魔法じゃないです! 爆弾を使ったんだと思います!」


 なんであれ、こんなに大きな爆発があれば、当然ながら音や振動は周囲にも伝わる。

 それからすぐ、異変に気づいた何人もの兵士たちが大慌てで集まってきた。


「うおっ! ヤツが逃げたぞ! すぐに追いかけろ! 追跡魔法を使え!」

「ですが隊長、ここは魔法封じがかかってます!」

「そんなの、すぐに解いてしまえ!」


 ……というわけで。


 ちゅどぉぉぉぉぉ~~~~ん!


 新たな爆発が起こる。

 今度は別の牢……すなわち、アクマたちのいた牢で。

 無論、魔法封じが解かれた途端、サタンが爆発魔法を使ったのだ。


 混乱する兵士たちを尻目に、アクマたちは魔法によって開いた穴を抜け、牢屋から脱出した。




 しばらくあと。

 アクマたちの姿は、すでに町の外にあった。


「無事に脱出できてよかったです!」

「うむ! あんなおかしな理由で処刑されるなど、納得できぬからの!」

「オレとしては、お菓子から進化したとか言ってる国王に、一度会ってみたかったがな!」

「これ以上、関わらないほうがいいでしょ。どうせ、お約束の状態になってると思うし」


 デビルの言うとおりだった。

 アクマたち4人は、実に素早い対応で全国指名手配を受けていたのだ。

 なお、罪状としては、お菓子様を食した罪に加え、脱獄の罪も増えていたりする。


 そんなわけで、またもや入れる国が減ってしまったアクマたち。


「よし、サタン! 次の国に行くぞ!」

「ラジャーです、勇者様!」

「やはりお主らと一緒にいると、退屈しなくて済みそうじゃの~!」

「旅をすればするほど、立ち入れない場所が増えていく気がするな……」


 頭を抱えるデビルを従え、勇者アクマは今日も行く。

 次の行き先がどこの国になるのか、それは神のみぞ知る。

 ……いや、神すら知らない。

 知ったこっちゃない、と言ったほうがいいかもしれないが。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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