第22話 スライム魔王、再登場する
アクマたちが店を何軒も巡って、お菓子を食べまくっていると。
とある店の一角に、見慣れた後ろ姿を発見する。
それは――。
「あれ? もしかして、ライムちゃん?」
「んを? ああっ、お主らか! もごもご!」
振り向いたその人……いや、そのスライムは、魔王を自称していたライムちゃんだった。
ライムちゃんは口いっぱいにゼリーを頬張っていた。
スライムがゼリーを食べている。
なんというか、共食い?
そんな失礼な感想を浮かべるデビルだった。
それはともかく。
「なぜ、ライムちゃんがここに?」
デビルが疑問を口にすると、ライムちゃんはその理由を語った。
「お主らを探しておったのじゃ! もごご!」
「探していたって感じじゃないけど……」
「いやぁ~、このゼリーとかいうのを食してみたら、思いのほか美味でな。ついつい時間を忘れて食べ続けてしまったのじゃ!」
「美味いものをたらふく食いたいという欲求は、人間でもスライムでも同じだってことだな!」
「ミミズもオケラも人間もスライムも、みんな一緒なんです! 生きているから食べるんです!」
そういう問題だろうか?
首をかしげるデビルだったが、ツッコミは入れないでおいた。
話が進まないからだ。
「でもさ、ライムちゃんって、スライムの国に帰ったんじゃなかったっけ? スライムの国の女王なんだから、こんな場所にいちゃダメでしょ」
そう追求してみると、
「一時期トナリーノに住んでいたことで、スライムの国にいるだけでは広い視野が持てないとわかった。それで旅に出ることにしたのじゃ!」
とのこと。
「いくら女王だからって、そうやって勝手に決めて出てきちゃったら、国民だって混乱するんじゃない?」
「いやいや、国の総意じゃ! 側近たちにも話しておる! 国はやつらに任せておけば問題ない!」
こんな感じで、本当にいいのだろうか?
スライムの国の話だから、人間の常識は通用しないのかもしれないが。
「それでお主らについていこうと思って、追いかけてきたのじゃ! お主らと一緒にいると、なにかと面白そうじゃからの!」
「そんな理由で女王がいなくなるなんて……」
やはり納得できないデビルだった。
「ともかく、ワラワが同行してやるから感謝するがよいぞ! お~っほっほっほ!」
ライムちゃんは、スライムのくせに胸を張り、高らかに笑う。
「なぜこんなに偉そうなんだか……」
「ライムちゃんは女王だからな!」
「女王は偉ぶるものです! そうでなければ女王ではないです!」
「まぁ、それはそうか……」
そんなわけで、旅のお供にスライム1匹。
仲間が増えたアクマたち一行だった。
――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!




