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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
勇者の国ライジーン
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第20話 デビル、決断する

 意欲満々で授業に臨むデビル。


「今日も一緒に頑張って授業を受けようね、シトヤカさん!」


 もちろん、シトヤカにも積極的に話しかけつつ。

 最初の頃とは打って変わって、鬱陶しいほどまでになっている。

 対するシトヤカだが、意外にも嫌がっている素振りは見せない。


「デビルさん、立派な勇者使いになろうと一生懸命なんですのね。素敵ですわ!」(にこっ)


 両手を胸の前で組みながら、キラキラの瞳でデビルを見つめる。


「ボクには目的があるからね!」


 今やその目的は、シトヤカに告白するため、となってしまっているわけだが。


 講義の授業では必ず隣の席に並び、実技の授業では必ずチームを組む。

 デビルとシトヤカは、充実した学校生活を謳歌していた。


 そんなある日。

 突然爆発が起こる。

 教室で講義を受けている最中の出来事だった。


「げほげほげほっ!」

「な……なんですの、これは!? けほっ、けほっ!」


 生徒も先生も、煙にむせる。

 煙が収まってくると、そこに現れた姿に、デビルは驚いた。


 いや、ある意味、予想はできていたに違いない。

 だが、信じたくなかった。

 そんな気持ちだったのかもしれない。


 そこに立っていたのは、アクマとサタンだった。

 デビルを見つけると、2人は即座に駆け寄ってくる。


「この国の人間じゃないってバレた! 逃げるぞ!」


 アクマが叫び、デビルの腕をつかむ。

 しかし、デビルは動かない。


「ん? どうしたんだよ?」

「爆発魔法で開けた穴、もうすぐ消えちゃうです! デビル、早くしやがれです!」


 デビルは悩んでいた。

 隣の席で呆然と見つめている、シトヤカとのことを。


 ボクの目的はなんだ?

 それは、シトヤカさんに告白して、幸せな生活を送ること。


 ……じゃない!

 アクマと一緒に旅して回ることだ!


「よし、行くぞ!」


 力強く立ち上がるデビル。

 そこへ、声がかかる。

 弱々しく、か細い声が。


「行ってしまわれるのですか?」


 デビルはもう、迷わない。


「……うん、ボクは行かないといけないんだ」

「デビルさん、この国の方ではなかったんですね」

「そうなんだ。だから、これでお別れだよ。さようなら、シトヤカさん」

「……はい、お元気で……」


 名残惜しい気持ちを振り払い、デビルは魔法で開けた穴を抜け、アクマたちとともに勇者の国ライジーンから脱出した。




 なお、他国民なのに勝手に養成学校に入学した件で、3人は追われる身となっていた。

 そんなわけでまたしても、入れる国が少なくなった勇者アクマたち一行であった。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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