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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
勇者の国ライジーン
17/53

第17話 主人公デビル、別行動する

 ライジーンでは、勇者を育成する学校を国家レベルで支援している。

 だからこそ、完全に無料で学ぶことができるわけだが。


 デビルはもう1つ、別の噂も聞いていた。

 この国の裏社会には、勇者使いの養成学校があるという噂を。


 実際に勇者使いであるデビル。

 とくに資格などを取得しているわけではないものの、自称勇者のアクマを導く立場にあると自負している。

 だからといって、アクマを舌先三寸で操る能力的に考えてみれば、今の自分では充分とは言いがたい。

 そのため、有用な技術なんかを身につけられれば、と考えたのだ。


 裏社会、との話だから、簡単には見つからないかもしれない。

 そう覚悟しながらも、デビルは怪しげな裏路地へと入ってみる。

 すると、勇者使いの養成学校は、実にあっけなく見つかった。


 薄暗い路地裏にひっそりとたたずむ、薄汚れた建物。

 恐怖心はあったが、意を決して門を叩く。

 素早く入学手続きを済ませ、デビルは養成学校の生徒となった。


 勇者養成学校と同じように、この国の住民である必要があるのだが。

 べつにチェックされることもなく、難なく潜り込むことに成功した。


 なお、勇者の養成学校と同様、ここも全寮制。

 生徒ひとりひとりに個別の部屋が与えられるようだ。


「どんな授業があるのかな」


 ワクワクしながら、カリキュラムのスタートを待つ。

 資料はあったが、ぺらぺらの紙切れ一枚だけ。

 細かい説明などは一切なし。

 時間割のようなものもなかった。


 やがて、最初の授業の時間が訪れる。

 どうやら教室で行われるらしい。


「教室は意外と普通だな」


 教室の前方には黒板と教卓があり、生徒用の机と椅子がいくつも並べられている。

 席順は決められていないようだ。


「適当に座るか」


 先生の真ん前には座りたくない。

 この国の人間ではない、という後ろめたさもあってか、デビルは一番後ろの端っこの席を選んだ。


 隣を見ると、ひとりの女の子が座っていた。

 軽く視線を向けた瞬間、

 ぺこり。

 お辞儀をし、その女の子はデビルに微笑みかける。


 可愛い子だな。


 そう思ったが、デビルは案外人見知りの激しい性格のため、話しかけたりはできなかった。


 それからほどなくして、授業が始まる。

 ごくごく普通の講義、といった印象だった。


 そんな中、デビルは授業に集中できずにいた。

 隣の女の子が、なんだか妙に気になったのだ。


 いけないいけない。とにかく今は、授業に集中しないと。


 そう考えつつも、視線はチラチラと、隣の席の女の子へと向いてしまうデビルだった。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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