表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
隣国トナリーノ
12/53

第12話 魔女っ娘サタン、招かれる

 城の前に、アクマたち4人は立っている。


「やっぱ、城ってのはでかいな! 国王は贅沢の限りを尽くしてるって感じだな!」

「アクマ……頼むから、城の中では余計なことを言わないでよ?」

「わかってるって! デビルは心配性だな~!」


 絶対わかってない。アクマは脊髄反射的に余計なことを言うクセがあるんだから。

 と思ってはいても、口にはしないデビル。

 アクマの機嫌を損ねることは、もっとも避けるべき事態だと悟っているからだろう。


「ん? なんだお前たちは」


 城門前に立つ衛兵に、当然ながら止められる。


「ワラワはスライム国の王女にして魔王のライムである。国王アクニーンに謁見に参った」

「あ……ああ、これはライム様。よくぞ起こしくださいました。少々お待ちください」


 衛兵の1人が城の中へと入っていく。国王に直接確認を取るためだろう。


「国王の名前、アクニーンっていうのか。絶対、顔も悪人面だよな!」

「アクマ、喋らないで」


 しばらく待たされはしたものの。

 ライムちゃんが同行していることにより、4人はあっさりと謁見の間まで通された。


「国王アクニーン、やっぱり悪人面……」

「アクマ、やめなって」


 小声でやり取りするアクマとデビル。サタンは呆れたように肩をすくめている。

 そんな3人を従え、ライムちゃんが玉座の前まで歩み出た。

 鋭い眼光の国王アクニーンは、意外にも爽やかな印象の声で語りかけてくる。


「スライム国の女王ライムよ、よくぞ参られた。……む、他にも供の者がおるようじゃな」

「ワラワの側近じゃ。今日は質問があって伺わせてもらったのじゃが……」


 今回の目的は、スライムとの共存を持ちかけてきた国王の真意を探ること。

 ライムちゃんはなんの作戦もなく、バカ正直に問いかけようとしていたのだが。


「そんなことより、ワシは非常に満足しておる。スライムたちとの共存計画、随分と順調に進んでおるからな。それもこれも、ライム、そなたが協力してくれたからこそじゃ。礼を言うぞ」

「は……はぁ、それはよかったのじゃ」

「今後もしっかり、計画の推進に励んでもらいたい」


 国王アクニーンはそう言い放つと、話は以上だとでも言うように、兵士たちに合図を送る。


「お客人たちを城の外までご案内してあげなさい。それでは、これにて謁見を終了とする」


 あまりにも一方的な展開。

 しかし、国王に対して無礼を働くわけにもいかない。

 素直に帰ろうとした、そのとき。


「そうじゃ、そこの娘。お主だけ、少しのあいだ残ってはくれまいか」


 国王に呼び止められたのはサタンだった。

 魔女っ娘サタン。

 正確には、魔女っぽく見える男の娘のサタン。


「あっ……こいつ、こう見えても実は、おと……もごごっ!」

「いえ、なんでもありません」


 アクマの口を、デビルが手で塞ぐ。


「サタン……あとは頼んだよ」

「……仕方ないですね、了解しましたです。あとでお酒でもご馳走してもらうことにするです」

「ん、わかった」


 小声で意思疎通、なぜか握手を交わすデビルとサタン。

 そしてその場にサタンを残し、ライムちゃんを含む3人は謁見の間から出ていった。


「それで、アクニーン国王様。アタシになにか御用でしょうか……?」

「うむ。ワシは今、若い娘を集めておってな。お主にもワシの崇高なる計画の一旦を担ってもらう」


 パチン。

 国王が指を鳴らすと新たに兵士たちが現れ、サタンは別室へと連れていかれてしまった。




 名前のとおり、本当に国王は悪人なのか!?

 サタンはいったい、どうなってしまうのか!?

 ……サタンは男だし、べつにどうなっても構わない、なんて言わないで!


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ