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勇者はあくまで脇役です。  作者: 沙φ亜竜
隣国トナリーノ
11/53

第11話 首都もやっぱり、ネチョネチョしてる

 どごぉぉぉぉぉぉぉん!


 サタンの爆発魔法で、首都の近くにまでワープした勇者アクマ一行。


「どうしてこんな遠い場所に出るのじゃ! 城に直接ワープすればよいじゃろうに!」


 前にアクマが言ったのと同様の文句をぶつけてくるライムちゃん。

 無論、サタンが反論する。


「爆発で空間に穴を開ける魔法だから無理です! そんなことをしたら、城壁を吹き飛ばしちゃうかもしれないじゃないですか! 捕まりたいんですか!?」

「ワラワは女王にして魔王なのだぞよ? 捕まるわけないではないか!」

「だとしても、ボクとアクマとサタンは捕まっちゃうから、こうするしかなかったんだよ」

「ま、オレはべつに捕まっても構わないがな!」

「構わなくないっての!」


 ひたすら騒がしい面々だったが、無事に首都へと足を踏み入れる。


「なんというか……スライム、多いね」

「そうですね! ウザいくらいにいます!」

「ウザいなどと言うでない!」


 確かに、その会話のとおり、町の中にはスライムの姿が多かった。

 建物の壁にまで、粘液がこびりついてベトベトしていたりするほどに。


「空気までネバっこくなってる気がするな!」

「うん、すごいね。前の町よりもずっとたくさんのスライムがいるよ」

「ほんと、ウザいです! ウザすぎです! ウザイムです!」

「ウザイムってなんじゃ!? お主、ワラワを愚弄しておるのか!?」


 そんな会話を繰り広げるアクマたちはともかくとして。

 この町の住人はスライムがいる状況に疑問を持つことなく、ごくごく普通に接しているようだ。


「こんにちは、ネバリンさん。今日も健康的にネバってますね~」

「ええ。おかげさまで絶好調ですわ、奥様!」

「そういえば、うちの息子、学校でスライムの友達ができたって喜んでましたわ!」

「あらあら、いいことですわ~!」

「今度、ベトベト祭りが催されるらしいですわよ?」

「楽しみですわね~!」


 といった感じで、おば様たち(スライム含む)の井戸端会議の声まで聞こえてくる。

 完全に溶け込んでいる印象だった。


「なにせ、国の方針でもあるからの。ワラワたちスライムとしても、こうして受け入れてもらえるのはありがたいのじゃ」

「どうしてそんな方針なんかにしたんだか! 国王の意図がわからね~ぜ!」

「だからそれを確認しに行くんだってば」


 というわけで、一行は一路、城を目指す。


「行く前に酒でも飲みに行こうぜ!」

「行かないよ! 泥酔状態で王様に謁見なんて、ありえないって!」

「アタシは飲みたいですけど!」

「ワラワも飲みたいの~」

「あんたらは非常識すぎる!」


 頭を抱えながらも、デビルは3人の非常識人(及び非常識スライム)を引っ張っていくのだった。


 ――――とぅ~び~こんてぃにゅ~どぅっ!


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