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TRUMPⅡ  作者: 四季 華
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1-2

「成程ねぇ~。学校も大変だねぇ」

 まるで他人事のように言うのは、四季文房具店副店主であり、妖万屋店主の四季春一。彼は二階の居住スペースで、おやつであるカップ麺を啜りながら夏輝の話を聞いていた。

 短く立った茶髪は明るめで、その左サイドには銀色のメッシュが三本入っている。顔立ちは標準的だが、その目は緩くだらけていて、やる気が感じられない。左耳にはピアスの穴が開いていて、ループ状のピアスが行儀よく並んでいた。外見だけで判断するなら、不良である。

「ハル、一応自分の担当なんですから、もうちょっと責任感を持ってください」

 注意する夏輝は彼に対しいつも敬語だ。それは夏輝が春一の弟子のようなものだから、という理由であり、そして夏輝の元々の性格上、敬語が癖なのだ。

「そう言われてもねぇ。はぁーあ、俺明日大学一限からなのに。今日は夜更かし決定だなぁ」

 だるそうにソファにふんぞり返る春一に、夏輝はこぼれそうになっているカップ麺を取り上げて注意した。

「まぁ、暇潰しにやるか」

 にやっと笑った春一に、夏輝は思った。何か企んでいる。この人には、敵わない。


 夜が更けたころ、東小学校の旧校舎の外には春一達の姿があった。

「どこに行ってたんです?」

 少しの間席を外していた春一に、夏輝が問いかける。彼の顔はどこか嬉しそうで、不吉なことこの上ない。

「ちょっと、学校の中にね。俺の母校だからさ、懐かしくなっちゃって」

「そうですか」

「さて、犯人を検挙しますか」

 春一は楽しそうに笑って、旧校舎の中へと足を踏み出した。



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