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「解決したてくれたんですね」
後日、沙耶が挨拶に来た。神社ではあれから転落事故などは何もなく、評判も取り返しているようだ。
「別に、桂の木を住処にしてる妖怪のためさ」
「……ありがとうございます」
「まぁ、君ががんばれば評判なんてすぐに戻るだろ。美人巫女登場ってな」
「そ、そんな……!」
顔を真っ赤にして手を振る沙耶に、春一は大口を開けて笑った。
「嘘だよ」
「やっぱり……って、ひどっ!?」
「まぁ、がんばって。けど、これでわかったろ?」
「何がですか?」
「俺がヤンキーじゃないってこと」
沙耶は顔を俯けたまま何も言えなくなって、また謝る羽目になった。