TAKE12.5 予兆とは気づかないものだよ
えーと。どうも、風車です。
突然ですが、重大発表があります。それは、今後のOAの更新についてです。実は、
しばらく更新をストップしたいと思います。
私も一介の学生でございます。学生には学年末試験というものがありまして、それに向けて勉強をしなくてはなりません。ということで、誠に勝手ながら更新をストップします。
本当は、前回の更新の時に報告しようと思ったのですが、色々とドタバタしまして、代わりに短い話を本日更新しました。
長い前置きになってしまいましたが、今回は短いので気楽に読んでください。
では、どうぞ!
…………天井先輩?
僕は舞台の裏を迂回して、舞台の反対側――僕と風花先輩にとってである――へと向かった。
いったい、天井先輩に何があったのだろうか? 何でもなく、機械の故障というのも考えられたが、それで済ませられるほどに昨日の天井先輩の状態は見えなかった。それに、なぜだか嫌な予感がしたのだ。
しかし、その嫌な予感は幸い的中することは無かった。
「…………失礼いたしました。式の進行に戻らせていただきます。校長先生、ありがとうございました。続きましては――」
風花先輩がそう言ったのは、僕が天井先輩の元へ向かおうと舞台裏のちょうど中央辺りを音が発たないようにしながら急いでいた時だった。
あれ……? 直ったのか?
どうやら、障害は取り除かれたようだった。このまま、持ち場に戻ろうかとも思ったが、天井先輩のことが気になったので、このまま向こう側に行くことにした。
「天井先輩。大丈夫か?」
しかし、薄暗い舞台裏には人影が二つあった。
「あれ? リン君」
一人はもちろん天井先輩。そしてもう一人はリンがだった。
恐らく、リンも音声が入らなかったのが気になったので確認しに来たのだろう。それに、体育館の放送室は隼に任せればいいわけだし。
「天井先輩。さっきのはどうしたんだ」
リンが心配そうに尋ねる。
「あはは、ごめんね。少しぼーっとしてたみたいなんだ。でも、もう大丈夫だよ」
天井先輩はそう言っているが、その声にはあまり元気を感じられなかった。
「本当か?」
「ああ。もう大丈夫だよ」
そうか、と呟きながらリンは放送室へと戻ろうとしたが、
「やっぱり心配だ」
と言って、天井先輩の隣にあったパイプ椅子に座った。
「僕は大丈夫だよ」
天井先輩は言ったが、リンは微笑みながら
「いいんだ。私は私がしたい通りにしているだけなのだ。別に先輩のことを迷惑だとも思っていない」
と言った。
「……ありがとう」
天井先輩が小さく呟いたが、リンは軽く頷いただけだった。
さて、なんだかいい雰囲気だったので、僕は今度こそ持ち場に戻ろうとした。というか、戻った。
そして、式は何事もなく終了した。
――と思っていた。
しかし、この時の天井先輩は相当追い詰められていたのだ。
そう。
…………だから、あの事件は起こったのだ。




