TAKE0 本番直前のプロローグ
どうもこんにちは。夜に見ている方はこんばんは。
風車です!
この小説は、以前書いていた小説のリメイクです。が、最近では全くの別物へと変化をとげています。
しかし、これはこれで……という感じになっているので大丈夫です。
また、感想も大歓迎ですので、些細なことでも書いていただいて結構です。お待ちしております。
それでは本編です。どうぞ!
『ザザッ――さて、みんな準備はいい?』
僕の耳に装着されているインカムから、雑音と共に少女の声が聞こえてきた。
インカムとは、ヘッドホンマイクのことで、頭に装着しているヘッドホンとそのヘッドホンの横からのびたマイクの二種類から構成されている。
「A地点より、こちら翔。準備完了。いつでも行けます」
その少女の声に対して、僕はインカムに附属しているマイクに向かってこう答えた。
『ザザッ――B地点より、隼とリン。こちらも準備完了』
インカムからは僕の報告に続けるように、少年の声が聞こえる。
『ザザッ――こちらC地点。成輝だよ。こっちも準備OK』
そして最後に、やや低めの青年の声が聞こえてきた。
こうして、A~C地点での全ての準備が完了したことがメンバーに確認された。
『ザザッ――了解。みんな、大丈夫みたいだね』
インカムの越しでも、少女がすぅーと息を調えるように深呼吸をするのが分かった。
そして、彼女は言葉を紡ぐ……全てを始める為に。
『ザザッ――今日のミッションは、絶対に失敗は許されないよ。最後に一発、大切な仲間の為にも、大きな花火を打ち上げよう!』
少女の言葉に僕たちは一斉にこう答えた。
『了解!』
すると、少女がなにかを思い出したようにこう言った。
『ザザッ――あっ、そうそう。最後に一つ』
そして、インカムの向こうの少女は、クスッと笑いながらこう続けた。
『これが終わったら、みんなでポテト食べに行こう!』
「……なんか、先輩らしいですね」
何というか。彼女らしい。
『ザザッ――翔くん。それってどういう意味?』
馬鹿にされたかと思ったのか少女は声を低くしてそう言った。
「そのままですよ」
僕は軽く笑いながらそう返した。
そう、彼女は先程までの重い空気を完璧に壊してくれた。
でもきっと、そんな彼女が委員長をやっているから、僕たちはこの仕事が大好きなんだろう。この仲間たちが大好きなんだろう。
『もう! ……まぁ、いいや。
それでは……ミッション開始!』
その合図と共に、インカムの声の主である少女――泉川風花は舞台の上に上がった。
そして、あらかじめセットされていたマイクの前に立つ。
その姿はまさに堂々としていて、これから戦いに向かう戦士のようだった。
そして彼女はマイクに向かってこう言った。
「大変長らくお待たせしました。ただいまより、入学式を執り行います」